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斜陽
太宰治の斜陽で最も好きな一節。
気取るという事は、上品という事と、ぜんぜん無関係なあさましい虚勢だ。高等御下宿と書いてある看板が本郷あたりによくあったものだけれども、じっさい華族なんてものの大部分は、高等御乞食とでもいったようなものなんだ。しんの貴族は、あんな岩島みたいな下手な気取りかたなんか、しやしないよ。おれたちの一族でも、ほんものの貴族は、まあ、ママくらいのものだろう。あれは、ほんものだよ。かなわねえところがある
斜陽 / 太宰治
太宰もわたしもスノッブで、相当な性悪だと思われる。
そういう生き方しかできぬ。
小栗太宰の映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」では、太宰が三島由紀夫に呑み屋で罵倒されるシーンがあるのだが、あれがまたよい。
血管が切れそうな勢いの三島由紀夫に対し、みっともなく泥酔した太宰。
ええ感じや。
そういう太宰の人間らしい駄目っぷりは、好感を持つことはあっても、決して嫌いにはなれない。
6月19日
今日は桜桃忌です。
ピンポンマムを御供えに。