
2025だ、おちつけ
鳩サブレーをいただいた。
近所のセレブリティからいただいたのだ。
「鎌倉に行ってきましたので」
と。
鳩サブレーは、鎌倉の有名なお菓子だが、
デパートもない、関西の果てに住んでいる
わたし達にとって、鳩サブレーが手に入る
事など、本当に稀なことだ。
前に食べたのが何年前か、思い出せない。
鳩サブレーはおいしい。
すごく大きいところがいいし、形がいい。
サブレ、じゃなくて、
サブレー、なのもいい。
そして、わたしは鳩サブレーの箱の
デザインがすきだ。
かわいい。きいろで。
目があかい、しろい鳩もかわいい。
お正月が終わったころ、開けて食べようと
思っていたのに、
実家から帰ってみると、もう開封されていた。
大晦日に一人きりで、口寂しくなって
しまった夫が、開けて食べたのだ。

みかんを入れたのはわたしだ。
悔しいから。
わたしはこの箱を、かわいいから、しばらく
いろいろ入れて使おうと思っていた。
ひどい。
なんでこんな開け方したの、ときくと、
「開けにくいねん、いらっとしてん」
と、夫が、悪びれもせずに言った。
開けにくい?
そんな事ないとおもう。
ちゃんと、開けやすいように、考えられて
いるはずだ。
落ち着いてやれば、できたはずだ。
お腹がすいていたのかな。
お猿さん?
この男は、52歳だが、こういうちょっとした
ことが、うまくできない。
あれ?うまくできないぞ?と思うと、
秒でいらっとして、
うりゃああああ!
と、やってしまってしまうのだ。
そうして今まで、いろいろなものを
破壊してきたのを見てきた。
夫は、箸の持ち方がへたくそなので、
鍋のうどんなども、上手にお椀に入れることが
できない。
ツルツル滑って、がんばっても
3本くらいしか入れられないあげく、
鍋底にこびりついたうどんが
ぴょーんと跳ね、
あっつ!
ってなって、
うりゃああああ!
と癇癪を起こしている姿も、今まで
100回くらいみている。うっとうしいので、
そうなる前に、わたしがよそってあげると、
最近は、babyちゃん(17歳娘)に、
「甘やかすんじゃない」
と、わたしが、ピシャッと叱られる。
わたしの死後、残された夫のために、
今、うどんを自分でよそえるように
練習させるべきか、いつも一瞬、迷う。
ばかばかしいのは、夫は、
うまくできなかったとき、必ず、
「開けにくい箱が悪い」
「うどんがつるつるしているのが悪い」
など、悪いのはできない自分でなく、
物だ、というのだ。
どういう育ち方をしたらそうなるのか、
と思う。
こどもたちの前でも平気で、物のせいにする。
しかし、夫の反面教師は成功しているようで、
こどもたちは、そんなことは言わない。
正月、実家で、babyちゃんとboy(15歳息子)
が、書き初めをしている写真を、
夫に送ったら、
「おちつけ って書いて、俺にくれ」
と、babyちゃんに、メールがあった。
babyちゃんは、すばらしい
「おちつけ」
を書いてくれた。
落ち着かなければいけない、という
自覚があって、よかったです。
ほんとうに、それをひたいに貼りつけて
一年過ごしてほしい。