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今日の日経新聞の記事「江崎グリコ 給食の牛乳、ストローなしに」を見て、各社の脱プラの状況を調べて見た

1. いよいよ4月から「プラスチック資源循環促進法」が施行

先日の投稿でも紹介したように、いよいよ、「プラスチック資源循環促進法」が4月から施行されます。

1-1)プラスチック資源循環促進法の概要

この法律の目的は、プラスチック製品の製造から廃棄までの資源循環を促し、廃棄量削減に向けての取り組みを推進することです。

年間250トン以上プラスチック廃棄物を排出する事業者に対し、どれくらいの量を減らすのか、再利用についての取り組みを目標として制定するように義務付けています。

また、削減対象となる12品目の特定プラスチック製品を年間5トン以上扱うコンビニやホテル等の事業者に対し、削減に向けた目標の制定と対策を講じることを義務付けています。

1-2)対象12品目

コンビニ等で使われる「1. フォーク」「2. スプーン」「3. ナイフ」「4. マドラー」「5. ストロー」の5品目。

ホテル等で使われる「6. 歯ブラシ」「7. シャワーキャップ」「8. くし」「9. ヘアブラシ」「10. カミソリ」の5品目。

その他、「11. ハンガー」「12. 衣類カバー」の2品目の計12品目が対象。

コンビニや飲食店等がこれらの品目を提供する際は、「有料化する」、「ポイント還元等を行い対象のプラ製品の利用機会を減らす」、「消費者の意思を確認する」といった提供方法の見直しや、代替素材製品(紙、木等)に替える等の工夫が求められます。


2.江崎グリコ、給食牛乳のストローなしに【日本経済新聞2022.3.9朝刊】

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4月より、江崎グリコが、学校給食用の牛乳のプラスチック製ストローを廃止し、開封して飲みやすくした新パックに切り替えるという記事です。

この江崎グリコの対応は、直接、「プラスチック資源循環促進法」への対応というわけでは、ないようですが、この法律の趣旨を意識したものではないかと思います。

ただ、日経新聞の過去の記事を調べて見ると、よつ葉乳業が先行して以下の対応をしていることが分りました。

■よつ葉乳業、給食用牛乳のストローを紙製に プラ削減【日本経済新聞2021.7.13】

この記事は、北海道内の大手乳業メーカーで初の取り組みとして、よつ葉乳業が給食用の牛乳のストローを紙製に切り替え、プラスチックの使用量を削減するという内容です。

推測ですが、よつ葉乳業のこのストロー紙化の取り組みを知った江崎グリコが、この取り組みの一歩先へ行く、ストロー廃止のための容器開発に入ったのではないでしょうか。

このような競合同士の環境問題への取り組み競争は、非常によいと思いました。


3.読売新聞オンラインで、ファミリーマートの記事が飛び込んで来た

日経電子版を読んでいると、読売新聞オンラインから以下の記事が発信されて来ました。

■ファミマ、フォークと先割れスプーン提供停止…都内10店舗で検証し拡大検討【読売新聞オンライン2022.3.9】

ファミリーマートが、プラスチック使用量の削減に向け、10日より東京都内10店舗で、使い捨てのフォークと先割れスプーンの提供を取りやめる実験を行うという記事です。

提供の取りやめによる売り上げへの影響やお客様の反応を検証して、実施店舗の拡大を決めるそうです。

これは、プラスチック資源循環促進法への対応のための実験で、その結果を受けて、4月の施行に向けた対応を決定すると思われます。

ファミリーマートについては、この他、以下のような対応もしているようです。

■ファミマ、プラ製フォーク軽量化 持ち手部分に穴【日本経済新聞2022.1.7】

ファミリーマートは、「プラスチック資源循環促進法」が4月に施行されるのに対応して、1月下旬に軽量化したプラスチック製フォークを導入するという記事です。

持ち手の柄に穴を開け、プラスチック使用量を従来品から約8%削減したとのこと。

ファミリーマートは、2021年春にも。先行して柄に穴を開けてプラスチック使用量を約12%削減したスプーンを順次導入しているようです。

ファミリーマートのように、順次プラスチック削減に向けて、できるところから変更していく対応は非常に素晴らしいと思いました。


4.その他外食チェーンの対応

その他、日経新聞に掲載された外食チェーン各社の対応を、記事掲載日順に並べてみました。

これをみると、4月施行のプラスチック資源循環促進法への各社の対応状況がおおよそ見て取れると思います。

■スターバックス、すべてのストローを紙製に 9月から: 【日本経済新聞2021.8.26】

■すかいらーく、木製スプーン導入 22年1月から宅配用に: 【日本経済新聞2021.10.5】

■すかいらーくHD、ストローすべて紙製に 22年1月から【日本経済新聞2021.11.11】

■マクドナルド、木製食器と紙ストローを導入 まず30店舗【日本経済新聞2021.12.22】

■ライフやヤオコー、木製スプーン無料で提供: 【日本経済新聞2022.1.11】

■ローソン、軽量プラ製スプーン導入 木製も併用【日本経済新聞2022.2.7】


5.まとめ

❶4月から「プラスチック資源循環促進法」が施行されるが、この法令に関連して、各社は、プラスチックの削減のために各種施策を推進している。

❷今日の日経新聞では、江崎グリコが給食牛乳のストローなしとするために、紙容器を開封して飲みやすく改良しました。

❸これは、昨年、よつ葉乳業が給食用牛乳のストローを紙製に変更したことに対抗したのではないかと思います。

❹江崎グリコの場合、ストローなしということで、多分、コストは削減されていると思われる。

❺一方、よつ葉乳業の場合、ストローをプラスチックから紙に変更したため、コストは上がっていると思われる。

❻使用する消費者の使い勝手が変わらないとしたら、私は江崎グリコの対応の方が、企業にとってサステナブルであり、推奨したいと考えている。

❼また、読売新聞オンラインでは、ファミリーマートがフォークと先割れスプーン提供停止の検証実験に入ったとの記事が出ていた。

❽ファミリーマートは、昨年、プラスチック製のスプーンやフォークを次々軽量化しており、できるところから次々対応して行く姿勢に共感を得ました。

❾4/1の法令施行に向けて、コンビニ、外食等の各社がどのような施策を講じるか楽しみです。

【参考文献】
■飲食店.comのwebsite



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