電気自動車について、日本の現状の課題や疑問に思うことを整理してみました!
1. 日本の電気自動車(以下EV)の現状をウォッチして行く
EVは、CO2を大量に発生するガソリンを使用しないため、地球環境、特に地球温暖化対策に貢献するとして大きく注目が集まっているのは、皆さんもご存じのことだと思います。
私も、以前、以下↓の投稿を発信して、EVに関する素朴な疑問に、いろいろ調査して、自分なりに回答してみました。
◆なぜ、電気自動車だとカーボンニュートラルになるのか?
一方、EVの現状は、中国を筆頭に欧米が日本よりも随分先行していることが、最近の報道からもわかります。
そこで、EVの現状の課題や疑問に思うことを挙げて、今後、それらについての動向をウォッチして行こうと考えました。
2.EVに関して、今思っている課題や疑問
今、私がEVについて、思っている課題と疑問を4つ挙げてみました。
❶EVは本当にカーボンニュートラルとなるのか。
❷1回の充電での航続距離はどれくらいか。
❸日本の充電設備は、今後増えていくのか。
❹充電時間はどれくらい掛かるのか。
それぞれについて、簡単に説明したいと思います。
3. EVの現在地
3-1)EVは本当にカーボンニュートラルとなるのか
これは、その国の電源構成が、再生可能エネルギーと原子力で賄われない限り、カーボンニュートラルにならないということです。
先程、添付した私の以前の投稿でも説明しましたが、2019年の電源構成は、EU27カ国の場合、CO2を排出する「石炭」「天然ガス」「石油」の合計が38%です。
それと比較すると、日本の場合、「石炭」「天然ガス」「石油」の合計が80%近くあります
これを0%にしない限り、EVのカーボンニュートラルは達成できないのが現状です。
再生可能エネルギー化についても、日本は、ヨーロッパと比較すると遅れています。
日本政府は、現状の遅れを認識し、先導して再生可能エネルギー化の推進を行っているところです。
一方では、現時点の予測ですが、国内の全乗用車をEV化した場合の必要電力量は、電力ピーク時での発電能力でもまかなえないという試算があるとのことです。
先日、東京電力管内で電力不足の問題があったばかりですが、近い将来のEV化に向けても、同様の電力不足が発生するとのことで、そのための対策が必要のようです。
3-2)1回の充電での航続距離はどれくらいか。
走行距離については、以前の日経新聞に載っていました。
◆EV航続距離、最長水準 パナソニック、新型電池23年量産 中韓勢と競争激しく【日本経済新聞2022.1.25朝刊】
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この記事で紹介さえているパナソニックが量産する新型電池(まず米テスラ向けに供給)の場合、1回の充電の航続距離は単純計算で750キロ程度となるとのこと。
また、メルセデス・ベンツは航続距離1,000キロ級の量産を計画しているとのこと。
現在のハイブリッド車は航続距離1,500キロ超のものも出ており、そのレベルには至っていないものの、EVの航続距離は実用的には大きな問題がなさそうである。
ただ、現行のEVのフル充電の走行距離は、250キロから650キロのようです。
3-3)日本の充電設備は、今後増えていくのか
この件については、今日の日経新聞に情報が掲載されていました。
昨年は、充電器の設置台数が減少しているというニュースもありましたが、現在、どのような状況になっているのかがこの記事に記載されていました。
◆EV急速充電器、補助拡大 商業施設や駐車場も対象 電動化、ようやく前進【日本経済新聞2022.3.25朝刊】
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2021年3月末の公共充電器数は、約2万9,200基。新型コロナウィルスによる利用者減少もあり、前年から約1,000基減少しているとのこと。
背景としては、充電インフラの修理・通信費等の維持管理費や8〜10年での更新ということで、撤去する商業施設も増えているようです。
そんな中、経済産業省は、EVのインフラ整備をテコ入れしようと、急速充電器を設置する費用について、新たに駐車場や商業施設も補助対象に加えたとのこと。
海外と比べ遅れている電気自動車の普及には、インフラ整備が必要と判断したようです。
この記事によると、意外なことに、2020年時点、日本の充電器の設置率は、海外にひけを取っていないようです。
電気自動車用充電器の設置率(1台当たり)
世界平均0.12、日本0.10
中国0.17、アメリカ0.06、イギリス0.07、ドイツ0.07、フランス0.10
ただ2021年の新車販売に占める電気自動車とPHV(プラグインハイブリッド車:外部から充電できるハイブリッド車)の割合が日本では1%、中国13%、ヨーロッパ21%となっています。
3-4)充電時間はどれくらい掛かるのか
例えば、日産リーフの場合、急速充電であれば約40分でフル充電できるが、コンセント式等の普通充電器の場合は8~16時間かかるようです。
先程の日経新聞では、急速充電器の場合は、15〜30分程度で十分な充電ができると記載されていますので、現時点では、まだまだ、ガソリン車(10分以内)のような訳にはいかないようです。
4. さいごに
EVに関して、今思っている課題や疑問を4つ挙げ、現状を説明しました。
本投稿をまとめるに当たり、日本は出だしで、EVの世界的拡大の予測を誤っていたのではないかと感じました。
その背景には、現在ガソリン車の技術はトヨタを始め日本のメーカーが世界トップクラスで対抗が難しいため、中国やヨーロッパは、戦いの場所を新たにEVに変えたようです。
ヨーロッパや中国は、再生可能エネルギー化が推進できているという強みがあったと思います。
日本の場合、全てEVに変更すると国内の電力では賄えなくなるとの予測に基づき、あまりEV化の推進を本気で行っていなかったため、それが、出遅れに繋がったのではないでしょうか。
そうしている間に、ヨーロッパや中国での2035年ガソリン車販売禁止の方針が示されたのです。
最近の新聞記事等から、EVの技術は、急速に向上しているのが、分かります。
日本は、EVのための充電器等のインフラ整備はもちろんのこと、再生可能エネルギー化の推進も合わせて進めないと、世界から置いて行かれることになります。
今後、このようなEVに関する情報をアップデートして、日本がどう対応すればいいのかも合わせて考えて行きたいと思います。
【参考website】
◆アスエネメディア:電気自動車(EV)の普及率と今後の動向は?世界と日本の現状も解説
◆norico byガリバー:電気自動車の充電時間はどれくらい?普段使いに必要な充電時間と走行距離
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