フィジー行き飛行機の搭乗失敗で、人生で一番の自由を手に入れた。
敗れた旅人
フィジー行きの飛行機を逃したとき、わたしは 彼女に振られたような身体の重さを感じ取りながら、京成上野行き特急に乗り込み、成田空港から撤退した。
特急といっても、一般車両のなかの「特急」である。 スカイライナーのような速さとは程遠い。
飛行機を逃したとき、東京で知人と やけ酒に付き合ってほしい と LINE をしていた。
だが、 一駅 一駅 丁寧すぎるぐらい 止まる 特急に揺られる中で、待ち合わせていた池袋までが果てしなく遠い場所に感じてきた。
電車は京成千葉線と合流して船橋に停車した。このまま乗るか、、 それとも 降りるか、、、
ええい!!!イチかバチカ 降りてしまえ!
頭が体を強制的に電車から引きずり下ろした。
待ち合わせていた知人には丁重にメッセージを送った。
やけ酒
海外に行く荷物を持ちながら、 3時間前の自分がまさか船橋にいる未来を誰が想像できたのか。
疲れ切ったサラリーマンたちを横目に、私もうなだれるように重たい足取りで階段を降りた。
改札を出て、 向かうべき場所はただ一つに決まっていた。
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