2023年が終わるらしい
床暖房が効いた実家のリビングで寝そべりながら、私にチャンネル権のないテレビの音が耳に入ってくる。
世間は紅白歌合戦の話題で盛り上がっている。
Instagram、X、FacebookなどSNSを覗けば「今年もお世話になりました」の投稿であふれている。
2023年から2024年へ移ろう瞬間を、きっと多くの人々が待ち望んでいる。
いったい何なのだろう、このポカーンとした感覚。こんなに情が湧いてこない大晦日は初めてだ。私は別に2023年の1年を振り返る気力もないし、今日も地元のアイス屋でしこたまアイスを丸めてきたし、なんなら明日も仕事。クリスマスも年末年始もぜーんぶ仕事。
私にとって今夜の0:00は、カウントダウンを待ち望む気力もない、惰性にまみれた、普段と変わらない日付の変わる瞬間にすぎない。
疲れたなあ。別に年越しの時間を待たずに眠りについてもいいかなあ。ファンタグレープが飲みたいけど、切らしてるから母が大量に買ってきたみかんで我慢しようかな。
いや、コンビニに行ってこよう。
明日の仕事、また店が混むんだろうなあ。これじゃ腱鞘炎まっしぐらだ。
右手首が痛いし、アイスをすくう時に歯を食いしばりすぎて、右下の奥歯が痛いや。労災下りないかな。
みんな、クリスマスも年末年始もお出かけできるのは、そこに働いている人がいるからなんやでぇ。少しは気に留めてな。よろしく。
そんじゃ、ファンタグレープ買ってきます。
【2023年が終わるらしい】
この記事が参加している募集
お読みくださりありがとうございます。貯まったサポートは私利私欲を満たすための栄養剤として大切に使わせていただきます。