ICTフルスイング!みんなで創る「学級目標」
はじめに
先生方は、学級目標を決めていますか?
恥ずかしながら、ぼくは今まで学級目標を決めるとき、そのほとんどが教師主導で決めていました。「みつき先生は、こんなクラスにしたいと思っています。そこで、こんな目標を立ててみました。どうですか?みんなで一緒に、こんなクラスを目指して1年間がんばろうね」という感じです。
もちろん、教師自身が年間の目標を持つことはいいことです。しかし、それを押し付けてしまっては、子どもたちの主体性をクラスに反映させることはできませんし、子どもたちも「押し付けられた」と感じてしまうでしょう。
今回の記事では、なるべくクラス全員の声を拾いながら、よりより学級目標をつくるための方法について、2024年度にぼくが実践した方法を共有したいと思います。この方法なら、準備の時間もほぼいらずに子どもたちと一緒に学級目標を作り上げることができると思いますので、ぜひ参考にしてください。
準備するもの
まず、準備するものは3つです。それぞれ、どのように準備をしたらいいかを解説していきます。
① Forms
ぼくは、子どもたちの声を拾うために、Formsのアンケートを使っています。内容はシンプルで「目標に入れたい言葉やキーワード」を入力してもらうだけです(下記参照)
② Microsoft Copilot
生成AIである、Copilotも使いました。AIであれば「ChatGPT」や「Bard」でもいいのですが、公務用PCで登録なしで使え、かつ精度も非常に高いという点から、ぼくは仕事ではCopilotをよく使っています。先生方の公務用PCでも使えるかを確かめてみてください。「Microsoft Edge」のブラウザから入って、Copilotのアイコンをクリックするだけですぐに使えます。
③ Canva
Canvaというデザインツールのアプリを使います。Canva自体は無料で登録ができ、しかも教育関係者は「canva for education」に申請していただければ、有料版のものも使えます。非常におすすめのアプリですので、まだ使ったことがないという方は、ぜひ登録されてください。
登録の仕方については、下記のサイトに詳しいです。
授業の流れ
では、上記3つのものが用意出来たら、いよいよ授業です。ここからは、実際の授業の流し方について解説していきます。
① Formsで子どもたちの声を集める
まず、学級目標を作ることを子どもたちに伝えます。1年間の目標ですから、ぼくは「なるべく抽象度の高い言葉がいい」と伝えます。例えば「かけ算をがんばる」だとその時期限定になってしまうので「いろんなことにチャレンジする」や「学び合う」のような言葉がいいよね、という感じです。
Formsでは、QRコードを出すことができるので、ぼくは電子黒板に用意しておいたFormsのQRコードを映し、そこから子どもたちに読み込ませて声を拾いました。時間は5分くらいです。なお、Formsは一度送っても「別の回答を送信」を押せば何回でも回答を送ることができるので、多い子は10個くらい送っていました。
② 集めた意見をCopilotで分析する
次に、集めた意見をCopilotに分析させます。
集めた結果はExcelデータで見る事ができるので、そこに集まった回答をそのままコピペして、Copilotに貼り付け分析させました。そのときのプロンプト(命令文)と出力結果の例が以下の通りです。
ぼくの場合、クラスに小学1年生の子たちがいるので、上記を黒板に書きだしたあと「1年生にもわかるように、ちょっと難しい言葉は直してあげよう」と言い、最後に微調整をして学級目標を完成させました。
③ Canvaで掲示用の学級目標をつくる
最後に、決まった学級目標を入れた掲示物をつくります。
Canva には、もともとデザインツールでもあることから多数のテンプレがあります。ぼくは掲示用ということで『チラシ(A4)』のページを共有し、子どもたちに作ってもらいました。
これは30人みんなでつくるというよりは、ボランティアの子を募って少人数でやってもらう方がいいかもしれません。
一応、下の画像がぼくのクラスでつくったものです(文言は変えています)。テンプレも一応置いておきますので、参考にされてください。
(※テンプレはこちら)
さいごに
いかがだったでしょうか?
「Forms」「Copilot」「Canva」という3つのツールを使い、少ない準備で子どもたちと共に作り上げる学級目標というのを、今回は提案してみました。ぜひ、参考にしていただけたらと思います。
なお、今回のようなICTを絡めた実践の他、ぼくは各種SNSで働き方改革に関する発信を日々行っています。また、定時退勤を目指す先生方をサポートするためのコミュニティ「定時退勤がちサロン」というオンラインサロンの運営も行っています。
もしこうした活動に興味があれば、下記のX(旧Twitter)から、ぜひお声かけください。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!