#23 宮沢・高松、ドライブスルーを語る
miyazawa・関東の大学一年生
takamatsu・関西で定年後にまだ教えている教師
高松
ドライブスルーってあるじゃないですか。
宮沢
はい。
高松
あれどう思いますか?
宮沢
ドライイブスルーについてですか?
高松
何も思わない?
宮沢
何も思わなかったです。
高松
僕ね、ドライブスルーってね、僕の生まれてきた環境とか人生がそうしたのかもしれないけど、堕落してるなって思うんだよね。
宮沢
へえ~~~~
高松
何でかっていうと、食べるものをさ、めんどくせえから車の中で注文するっていうパターンでしょ。降りないで。要は自分ほとんど動いてないじゃないですか。お金は出すぐらいで。
宮沢
まあ、そうですねえ
高松
何かねえ、凄い不健全だと思うんだよね。
宮沢
へえ~~~~
高松
え、思わない笑?考えたことないですかそういうの?
宮沢
生まれた時から…
高松
あ、そうか。そうだよね。あんた達は生まれた時からあるから。僕は生まれた時にはとにかく自分でご飯を炊いてとか、もうもったいないから、とかっていうことしてきた。してきたっていうより途中、高度経済成長で贅沢もしてたんだろうけど。
ちょっともったいない話して良いですか?
宮沢
はいはいはいはいはい
高松
確か、小学校の低学年だったと思うんですけど、大阪に行ったんですよね。大阪に行くと阪急百貨店と阪神百貨店があって。で当時デパートの屋上には遊園地みたいなのがあるんですよ。
宮沢
うん。
高松
で、そこでソフトクリームがあるでしょう。で、それを注文して食べてるのを見て。ソフトクリームって一番上にクリーム乗ってるけど、最後のコーンの方が何もなくてスカスカじゃないですか。
宮沢
スカスカです。
高松
それを皆、途中まで食べて、ポイポイほかしてる(捨ててる)のね。
宮沢
ああ。
高松
それを見て僕は「もったいない」っていうより贅沢っていうか、そんなイメージを持ったね。
宮沢
それは酷いですよね。
高松
それともう一つは、田舎者だったから、これは後に叔母がよく言うんですけど、僕が阪急か阪神か入った時に、床がツンツルツンじゃないですか。田舎に比べて。
宮沢
うん。
高松
そこで滑って遊んでたって言われたけど、まあ、その程度の落差があった人たちが大阪行って思ったのは、そういう贅沢さというか、もったいなさみたいなのは感じましたね。
で、つまり何かっていうと、資本主義がどうたらこうたら、ってわけじゃないけど、もったいないっていつも思うんだよね。どこかで。で、もったいないなっていうのは何かっていうと、贅沢だなっていうのに繋がるのか、もう少し言うと、堕落してるって繋がるのか。
例えば、今(自宅の本宅の)後ろの(離れの)家にいるんですけど、冬寒いんですよ比較的。そうすると、全館暖房入れてバンバンエアコンでも入れれば良いじゃないですか、っていう感じで言うけど、昔の家だったら隙間風吹いてるわけですよね。そこに掘り炬燵があって、そこに入ると生きた心地がするっていうような。で、そういう暖かさがあるんだけど、全館暖房とか、全館冷房っていうのは気持ち悪いんですよ、だから。
宮沢
ああ~、なるほど。
高松
(そういう)無駄なことやってるっていうのと、罪悪感もあると同時に、体が受け付けないのかな。精神的に受け付けないのかもしれないけど。だから、寒いときはちゃんと寒い方が良いでしょっていう気がしているよね。
宮沢
確かにそうかも分からないですなあ。
高松
で、暑いときは暑い方が良いでしょっていう。異常に今は暑いからどうしようもないっていうのはあるけど。だから僕、今の夏なんてクソ暑いのに、もう皆堕落して(つまりいい加減に生活して昼寝するとか)生活したらいいんじゃないですかって気がしてるんですけどねえ(笑)。それは堕落ではないと思うんだよね。
この記事は、2022年9月24日実施の「宮沢・高松の道草談義 第09回「宮沢佳成、高松昭彦に会いにいく」」より一部抜粋・編集しました。