宮沢・髙松の道草談義

関東の大学生宮沢と兵庫の先生高松のコラボ。丹波市のFMラジオ「805たんば」で隔週土曜の午後9時半から30分の放送「ふりかけラジオ」。放送後記とその他の記録集。SDGsでの二人のZoom雑談がスタート。寄り道と道草。ふりかけカフェです。

宮沢・髙松の道草談義

関東の大学生宮沢と兵庫の先生高松のコラボ。丹波市のFMラジオ「805たんば」で隔週土曜の午後9時半から30分の放送「ふりかけラジオ」。放送後記とその他の記録集。SDGsでの二人のZoom雑談がスタート。寄り道と道草。ふりかけカフェです。

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  • ふりかけラジオ

    「ふりかけラジオ」に関するお知らせや、放送の振り返りなどをまとめています。

  • Written by 高松

    高松が執筆した記事をまとめています。 *画像はイメージです。 使用素材:https://pixabay.com/ja/photos/%e7%94%b7-%e6%b5%b7%e6%b4%8b-%e6%b5%b7-%e3%83%93%e3%83%bc%e3%83%81-1%e4%ba%ba-6656628/

  • Written by 宮沢

    宮沢が執筆した記事をまとめています。 *マガジン画像はイメージです。 使用素材:https://pixabay.com/ja/photos/%e6%a2%85-%e7%99%bd%e3%81%84%e8%8a%b1-%e6%98%a5%e3%81%ae%e8%8a%b1-%e3%83%90%e3%83%8d-7129237/

  • 宮沢・高松の対談文字起こし

    宮沢・高松の対談を文字起こしした記事をまとめています。

最近の記事

#122梓川(あずさがわ・長野県松本市)周遊大学生の育った故郷の話

先日、松本市中心部から車で15分ほどのリンゴ畑が広がる梓川を半日とすこし周遊した。写真のごとく、遠くには山の連なりがみえてその手前には上高地からの清冽な水が流れる。山までの距離が遠くて平地が広い。広いから気分が晴れる気がするような場所。 私が住む丹波地方は中国山地の山々が目と鼻の先にあって猫の額のような盆地があちこち広がり、その合間の谷筋にも集落が広がっている。そのような地形とは全く異なる。 リンゴが実際に赤く木々に熟するのを見たことは、今までなかった。観光地ではない普通

    • #121 学校の授業に学習科学の知識をとりいれできないか?

      ここでは学習科学についてお話しします。 学習科学の詳しいことは末尾のURLを参照してください。基本は、学ぶ意味 授業 学校がキーワードです。 一応定義しておきましょう。学習科学とは? 「人はいかに学ぶか?」の原理を基に教育実践の持続的な改善を支えようとする学問分野。前提には、人は誰しも学ぶ力を潜在的にもっている、ということ。(出典*「協調学習 授業研究ハンドブック R6」 一般社団法人教育環境デザイン研究所 CoREFプロジェクト推進部門 自治体との連携による協調学習の授業

      • #120 祝祭できる祭礼はあるか

        みんなで騒いだり飲み食いしたり人と集まってワイワイするのが嫌いで、静かに散歩していたいというある若者のはなし。最近そういう若い人はおおいんだろう。じゃあ、祭礼の当日はどうしているのと聞くと、家に引きこもるんだ、という。その彼の住む地域の祭礼は大規模で有名だ。だから参加は強制なのかと思ったらそうでもないらしい。 地域全体が農村社会で米に依存して土地に縛り付けられて、良くも悪くも相互扶助がベースになっていた時代では、本来の祭礼が祝祭の意味を持ちやすいかったし。 滅多に口にしな

        • #119探究・総合の授業ができないわけを考えた(画像とは関係ありません)

          個人的経験からなので一般論ではないことを最初に言っておきましょう。中高の総合・探究の授業を見たり開発しながら感じたことです。 日本の学校、特に義務教育学校には教科書があってそれに沿って授業が実施されます。実施というのと実践というのはちがうのですが、ここでは単純に同義としましょう。 そうなると、教科書を教えることが授業の中心になります。最近はそうでもないかもですが。教科書は誰かさんが書いた誰でもない人のための知識であって、しかも分量も予算上制限さているので、勢い教科書をつか

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        記事

          #118 教材研究のコツ

          学校の授業で児童生徒の学習はいつ起こると思いますか?教室の時間割のなかで学習環境はあっても学習は起こらないことがある。そもそも学習ってなにかといことですが、考えること、としておきます。 教師をしていると学習指導案書いたり掲示物つくったり、あれこれ授業方法を考えます。これを通常、教材研究という。ここで教材とは文化遺産であって価値があるものである。なんでも教材になるわけでなく素材を教材に変える必要がある。 この教材研究って閉じた研究室でやってるわけでなく、職員室の会話とか、ほ

          #118 教材研究のコツ

          #117 サルトル「実存は本質に先立つ」とは?本質が先か存在が先か?

          実存は本質に先立つ。これは超有名なサルトルのことばだ。どういうことか。 世界といったとき、世界を認識する存在がある。植木鉢の朝顔も、池の中のメダカも、食卓の醤油瓶も、事実として存在するし私も事実として存在している。ではそれらは自分(醤油瓶に自分があるとして)の存在を認識し、世界を認識しているか。食卓上の醤油瓶にはその可能性は薄い。そういう人間のことをハイデッカーは、現存在(Da Sein)といった。存在一般から存在としての人間への問いである。 さて、戦後、サルトルは196

          #117 サルトル「実存は本質に先立つ」とは?本質が先か存在が先か?

          #116【放送後記】第24回ふりかけラジオ授業は科学なんですか?「反証可能性ってなに?」ポパーの哲学から。

          そして9月28日に第24回ふりかけラジオを放送しました。今回の放送はこちらからお聴きいただけます。 今回はカール・ポパーという哲学者(1994年没)。   同志社大学院哲学専攻の河嶋さんととも話ます。反証可能性です。 今日は、「反証主義」ということを言った、カールポパーの哲学です。なぜこんなことを突然私(髙松)が言い出したのか、ということですが。 先日の日本教育心理学会(浜松)でタカマツが参加したのが、学習科学を授業でどう生かせるのか、というシンポジウムでした。ここ20

          #116【放送後記】第24回ふりかけラジオ授業は科学なんですか?「反証可能性ってなに?」ポパーの哲学から。

          #115 授業で学ぶことをもっとたいせつにしたい 学習科学とベースにして

          授業が成立するには条件がある。時間と空間。さらに学ぶ人と教える人。通常学ぶ側は集団で、学ぼうという気があるかないかわからない。 これは枠組みでいうと、お弁当箱のようなもの。そこになにを食材とし調理して盛り付け、なおかつ購入して食べてもらうか。そして空いた弁当箱をだれがいつどのように洗ったりして、処理するのか?そこまでが運用であり実践である。それはそこに学ぶ児童生徒をみること(観察・分析・アセスメント)からはじまる。どんなお弁当がいいんだろう。 これは実施とはことなる。実施

          #115 授業で学ぶことをもっとたいせつにしたい 学習科学とベースにして

          #114【放送後記】            第23回ふりかけラジオ        ニーチェ・「神は死んだ」       私・「神が死んだらどうなるの?」

          9月14日に第23回ふりかけラジオを放送しました。今回の放送はこちらからお聴きいただけます。今回はニーチェ。神は死んだ 虚無主義 ニヒリズム そして、ルサンチマン   地元在住・とみん と 哲学専攻河嶋の対談です。 同志社の哲学専攻・河嶋さんによると、ニーチェは近代最後のひと、それ以降は現代になるということでした。1900年を境に世界史的にもそれ以降は現代になるようです。なるほど。そういえば同時代の音楽家では、ブルックナーにしろR.シュトラウスにしろ、ワグナーにしろ、そうい

          #114【放送後記】            第23回ふりかけラジオ        ニーチェ・「神は死んだ」       私・「神が死んだらどうなるの?」

          #113 過去最高の夏の平均気温?

          夏の気温が異常だ。38度が当たり前で、クーラーも当たり前。その分電力使用は上昇し、エネルギー消費量は拡大する。不思議だが、電力各社からは電力消費を控えるようといったかつてのアナウンスは聞こえてこない。 他方で台風が大型化し降れば土砂降り以上の降水量となり、河川水位は極端に上昇して堤防が間に合わず、浸水被害が拡大する。人々のお盆の移動は天候が大きく影響する。 そもそもお盆に集中的に移動するということ自体、考えてみればおかしい。 暑いからクーラーをつけて、高速移動手段のなか

          #113 過去最高の夏の平均気温?

          #112 おせっかいの流儀

          ある近所のおうちに娘さんがいる。大学を途中で辞めて以来、自宅で庭仕事をしたり、畑で野菜をつくったりして、はた目からは悠々自適の生活しているように見える。時々、近所を歩いたり小さな山に登っている。 大学を辞めた理由は、自分はまじめに考えて入学したのに、周りの学生があまりにまじめでないこと、つまり学生が遊んでいるとうことらしい。娘さんにはそういう大学の雰囲気がなじめなくて、その後いくつかの派遣にも行くが、どうやら人間関係もあったのか、いまは自宅ですごしている。 先日のこと、夏

          #112 おせっかいの流儀

          #111   一瞬の夏 やすみ

          それは東海道にある沼津市の旅館。旅館の前が駐車場で、いつでも部屋から車の荷物を取り出せ、そのせいか玄関先にはサンダルもおいてある。食事の提供はないので、近くにある24時間営業のスーパーで購入して食事の準備ができる。自分のすきなものが時間に関係なく食べられる自由度がある。 お風呂場はひろくて清潔で熱い湯船が夏の暑さになれた素肌にしみて、湯上りに購入したお寿司とビールを飲んでクーラーにあたりつつ布団をかぶってテレビを見ているうちに寝落ちした。 夏休みは仕事の中の組織化した夏休

          #111   一瞬の夏 やすみ

          #110【放送後記】第21回ふりかけラジオハイデッカー「存在と時間」その実存ってなんだ?

          8月24日に第21回ふりかけラジオを放送しました。今回の放送はこちらからお聴きいただけます。youtubeは第22回とありますが21回です。すいません。 このラジオは兵庫県丹波市にある、地元ラジオ局・805たんば、で放送しています。第二第四土曜日、午後9時30分から28分間の放送です。キャストは大学3回生のカナル君、地元在民のとみん、です。 ここ数回、哲学サーフィンです。初心者へのコーチは、同志社大学大学院で哲学(フランス哲学)専攻の河嶋君です。 今回はハイデッカー。「存

          #110【放送後記】第21回ふりかけラジオハイデッカー「存在と時間」その実存ってなんだ?

          #109自分という庭の雑草や枝の剪定作業が必要になった。

          現職の教員をはなれて、まだ多少仕事するつまり非常勤というソフトランディングの生活です。言い換えると自分でコントロールできる時間ができた。もっと言うと暇な時間がある。ただし職業がら勤勉が恐怖感のようにみついているから慣れるまでが大変で5年はかかる。 周りを見渡すと、今まで必要だとしてきた大量の資料・雑誌・本・問題集などが部屋の本棚にある。それ以外にも筆記具やら小物。都度整理でどこになにがあるかわからない状態。当然どっかにあるはずがない。 自分という庭の雑草や枝の剪定作業が必

          #109自分という庭の雑草や枝の剪定作業が必要になった。

          #108「世界を(カッコ)に入れてみる」フッサールの現象学のはなし(その2)

          前回、現象学の話をラジオでしてます。個人的にその内容を書きましたが、ここでは本来、現象学とは何かを専門家の著書から翻訳してみます。詳しくは参考文献ごらんください。 参考文献・轟孝夫(防衛大教授)「ハイデガー『存在と時間』入門」講談社現代新書2437 1000円 2017  PP 162より 世界の現れ方を意識がどのように把握するかを記述するのが現象学です。 通常、わたしたちは世界には客観的事実があると思ってます。それは特権的意識、つまり、「自然科学の方法」により把握できる

          #108「世界を(カッコ)に入れてみる」フッサールの現象学のはなし(その2)

          #107第21回ふりかけラジオ「世界を(カッコ)に入れてみる」フッサールの現象学のはなし(その1)

          8月10日に第21回ふりかけラジオを放送しました。今回の放送はこちらからお聴きいただけます。 余談。このラジオは現在、哲学サーフィンやっています。高校で倫理教えていた髙松が、同志社大哲学専攻修士の河嶋に質問する形式です。事前に放送台本は髙松がかきますが、ほぼそれは流れです。だから、即興的に質問もあるのですが、河嶋さんさすがによく臨機応変に応答できる哲学の教養に恐れ入っています。 世界・外界・日常風景。どれも相変わらずです。昨日の洗い物はシンクにあるし、冷蔵庫には昨日の残り物

          #107第21回ふりかけラジオ「世界を(カッコ)に入れてみる」フッサールの現象学のはなし(その1)