あなたに必要な植物は、すぐそこに
メディカルハーブを学んでいたときに講師から聞いて忘れられない言葉があります。それが今日のタイトルの『あなたに必要な植物は、すでにあなたのすぐそばに生えています』という言葉です(出典、誰の言葉なのか忘れてしまったのですが..もしかしたら、ヒルデガルト?)。
この言葉を聞いた瞬間に、私の意識は庭や菜園へ。うちにある、さまざまな植物が脳裏に浮かんできました。そして納得しました。"必要なものはすでに近くにあるんだ"って!
こんな時って、パアッと見える世界が明るく変わったように感じるものです。
あなたの身の周りには、どんな植物が生えていますか?
玄関を開けたとき、通勤途中…そこにはきっと何か植物が存在しているはずです。
台所の裏口を開ければ、春にはドクダミがワサワサと生えてくる
約20年前に挿木で植えたローズマリーは私の背を越えるまでに成長した
多年草のニラは毎年芽を出し花を咲かせ、こぼれ種で若い苗も増えている
紫蘇もこぼれ種で生えてきて、夏になると菜園の縁(へり)を埋め尽くす
菜園のローズゼラニウムが巨大化してきた
地植えのレモングラスの株が、また一回り大きくなった
その一方で、
10年以上前に庭に植えたオリーブの木は、一向に成長しなくて80cmにとどまったまま
ローズゼラニウムと同じ時期に植えたレモンバーベナは、年々葉が小さく弱々しくなっていく
同じ土なのに成長度合いが違っていて、あるハーブは、どんどん株を太くし葉を茂らせる一方で、あるハーブは勢いを失っていくという現象が起きます。不思議なものです。
土の性質や、陽当たりなど、それぞれの植物にとっての最適値があるのでしょうから、科学的に考えてみれば原因がわかるのでしょう。けれども、『あなたに必要な植物は、すでにあなたのすぐそばに生えている』という概念を知った時から、決してそればかりではないような気がしてきました。
あなたの身の周りには、どんな植物が生えていますか?
玄関を開けたときに見えるもの、通勤途中に見える景色…
もしかしたら植物だけでなく、他の物や物事、人との関係性においても、同じように考えられるのかもしれない。
今住んでいる家のお隣さん、地域の人たち、電車の中、職場…
古くからの関係、新しい出会い…
植物の成長のような、自然の中の命の営みを観察していると気付かされること。それは、私たちもその自然界の一部だということ、だから、実は、私たちの人生も同じくシンプルな理(ことわり)で成り立っているんだってこと。
力強く成長していくハーブたち、次第に弱くなりながらも命をつないでいるハーブたち。彼らの姿を眺めながら、ふと、青々とした摘みたての命を周りの方達に届ける喜びがあるということにも気づくのです。
最後までお読みくださりありがとうございます。
次回は、最近作って美味しかった、すっごく簡単なハーブの使い方をお届けできたらな、と思っています。