ユヴァル・ノア・ハラリも驚く? サピエンスを支配者にした遺伝子
ヒトはこうして地球の支配者になった
先日、小学4年生のクラスで読み聞かせをする機会がありました。
そこで選んだ本が、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の「人類の物語 ヒトはこうして地球の支配者になった」です。
ハラリ氏といえば、「サピエンス全史」や「ホモ・デウス」などの世界的ベストセラーで知られる歴史学者。
「人類の物語」は、ハラリ氏が初めて子ども向けに書いた本で、人類の歴史を分かりやすく、面白く解説しています。
読み聞かせでは、特に「7万年前にホモ・サピエンスに何が起きたのか?」という部分に焦点を当てました。
まず、ヒトには、私たちサピエンス以外にも人類がいたことを紹介。
ネアンデルタール人、フローレス島の人、デニソワ人などがいたそうです。
(以下の画像は読み聞かせで使用したもの。
イラストは本の中やネットからお借りして、canvaでスライドを作成。
A4用紙に印刷して、子どもたちにプレゼンしました)
サピエンスが世界に広がると、各地で大型動物が絶滅。
サピエンスが世界に広がると、ほかの人類も絶滅。
さて、なぜサピエンスはそんなに強かったのか?
それは、7万年前にサピエンスがスーパーパワーを手に入れたことによる。
そのスーパーパワーとは!?
という点を4年生にお話ししました。
スーパーパワーの謎
ハラリ氏によれば、7万年前、サピエンスは「認知革命」と呼ばれる大きな変化を遂げたとされています。
それは、言語や思考能力が飛躍的に発達し、他の動物にはない「物語を創造する力」を獲得したというもの。
この「物語を創造する力」こそ、サピエンスが地球の支配者になるための鍵だったとハラリ氏は述べています。
しかし、なぜ7万年前にそのような変化が起きたのか、その具体的な原因については、著書の中では詳しく触れられていませんでした。
そこで思い出したのが、以前読んだ本。
「疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた」近藤一博 (著)
「疲労」と「ウイルス」、その組み合わせに「どういうこと?」と読んだ本でした。
内容としては、HHV-6Bウイルスが持つSITH-1(シスワン)遺伝子に着目し、疲労や倦怠感、さらにはうつ病との関連を解き明かしたもの。
その本の後半に、人間が今のようになったのはSITH-1遺伝子が関係している、という記述があったような。
読み返してみると、それが、7万年前というのです。
7万年前、サピエンスはダークサイドに堕ちたのか
うわー7万年前!サピエンスがスーパーパワーを手に入れた時期!
近藤氏は、HHV-6Bウイルスがヒトの嗅球(下図)に潜伏感染し、その際にSITH-1遺伝子を発現させることを発見。
SITH-1がうつ病の発症に関与している可能性を示唆し、さらにHHV-6Bが約7万年前にヒトに感染し、SITH-1遺伝子が広まったことで、人類の精神活動に影響を与えた可能性を唱えています。
近藤氏の本で「ネアンデルタール人を滅ぼしたのはSITH-1のダークサイドの力か」という項目があります。
約7万年前に動物からサピエンスにHHV-6Bウィルスが感染し、それがSITH-1遺伝子を発現させ、サピエンスに影響を与えた。
SITH-1遺伝子は、サピエンスに強い「不安」をもたらした。
不安は怒り、憎しみにつながる。
ダークサイド。不安の力。
「不安」は、サピエンスに木になっている実を全部食べ尽くすよう指示し、大型動物を必要以上に狩るよう指示し、自分の仲間以外のヒト族を根絶やしにするよう指示した、ということか。
でもちょっと疑問が。
なんで7万年前にSITH-1が広がったと分かるのか?
そんな昔のこと分かる?
近藤氏の本にはそのあたりの記述はなかったので、AI(Gemini)に聞いてみました。
「なんで7万年前にSITH-1遺伝子がサピエンスに広がったと分かるの?」
「ウイルスの遺伝子配列の解析」「古代人の骨から得られたDNAの分析」から推定される。
本当だったら面白い。
ハラリ氏の言う「物語を語れるようになった」というのと、SITH-1遺伝子は関係しているんかな。
またまたAI(Gemini)に聞いてみました。
「SITH-1遺伝子と人が架空の物語を語れるようになったことの関係は?」
まとめ
ユヴァル・ノア・ハラリ氏の「人類の物語 ヒトはこうして地球の支配者になった」から、近藤一博 氏の「疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた」を思い出し、サピエンス(我々)のスーパーパワーを探ってみました。
ダークサイドの力が発動しすぎないように、地球の支配者として、どうふるまっていったらいいのか、考えちゃいますね。
今回はこのへんで。ではでは。