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人生初の登山テント泊体験の記録!くじゅう坊がつる with ジョー・ギリアン【2018.9.22-23】
身近な日常の中にもドキドキやワクワクは発見できる!
そんな想いもあって普段は
「おふとんの中からでも冒険はできる!」
なんてイかれたキャッチフレーズを掲げちゃいる。
とは言えそんな俺でもおふとんからつま先一つも出さない訳じゃないんだぜ、とばかりに時折思い立ったかのように山や川へ出かけていっては、豊かな自然の中で美味しい野外飯を作って食べることを楽しむ記録を、過去から遡って新たに再編集しようと思う。
その第一回目は、
2018年の9月に古馴染みの暗黒街の友、永遠のピーターパンことジョー・ギリアンに連れられ、九州のネバーランドくじゅう坊がつるにて初めての山岳テント泊を経験した記録を綴る。
ハートに刻まれたあの日は
ロマンと呼ぶには熱すぎて
巡りくるはずもないPeace & Love
「ふぁ〜、眠みぃ〜Zzz…退屈でまいっちまうぜ!」
人間てのはおかしなもんで、スリルに満ちた生活をしている時は平凡な生活を望み、いざ平凡な生活を続けてみると今度はスリリングな世界に憧れるものさ。
そんな訳で俺は刺激を求めていた、そう、美人からの熱いキスみたいなとびっきりのやつをね。
そうとなっちゃ揺り椅子に揺られていたって仕方がない、俺はかつて深山の秘境「砂の谷」でつるんだ仲間、ジョー・ギリアンに久方ぶりに連絡をとってみることにした。
40年近くのくされ縁、小・中・高と同じ学び舎で過ごし、方々巡ってお互い九州は福岡の街に流れ着いた…そう暗黒街の友ってやつだ。
直接連絡をとるのは数年ぶりだが、なぁに、合言葉は簡単さ。
「今日も死ぬほど退屈だ!いっちょう何かやらかそうぜ!!」
初日、【朝】目的地までの旅路
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左がジョー・ギリアンのザック、右が俺が担ぐザック。
当時、まだほとんど何も装備を持っていなかった俺は、友人ジョー・ギリアンに大きく世話になることになった。
ジョー「寝袋とマットだけ用意しな、あとは俺にまかせときゃいいさ」
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まずはスタートから憧れの木道を歩く。今にも降り出しそうな空に不安を覚える。俺は雨具なんて持っちゃいないんだからな。
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タデ原湿原の木道を抜け急勾配の山道をゆっくり2時間近くかけて登ると、見事に視界が開けた。
ああ、なんて気持ちのいい風だ。それにこの美しい景色、水蜜桃のような金星の美女にも引けをとらないね!
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雨ヶ池からおそよ20分経過。
ジョー「見えるか、あそこが今回の目的地だ」
オーケー、とりあえずついたらうんこしたい!
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目が良すぎるあまりに小さな虫に気を取られすぎて、
大きな虫に食われて命を落とした男を思い出すぜ。
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目の前に広がるのが九州テント泊の聖地と謳われる【坊がつる】だ。
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ひょっとしたら引き返すことになるかもしれない…
そんな不安もよぎったスタート時の空模様が嘘のように晴れ渡る!
ヒュー♪
見ろよこの空!天も俺たちを祝福してるぜ!
【昼】温泉とジョー・ギリアン風山飯ランチ
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ブッシュをかき分けた、ミステリーサークル場にぽっかりと開けたポイント内にキャンプを張った。
今回は2つのテントもタープも友人ジョー・ギリアンのものを好意で借りることに。
ジョー「ザックもだろ」
ザックもだ。それに荷物も重い方を持ってくれた。
ジョー「いいってことさ!さぁ、それよりここで過ごす一番の楽しみ方ってのを教えてやる。ついてきな!」
(やだ、カッコいい…)
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誘われたのはその起源を鎌倉時代まで遡る、歴史ある山荘「法華院温泉山荘」。
鎌倉時代に天台宗修験僧の大霊場九重山法華院白水寺として栄えるも、
明治以降の廃仏毀釈等の影響も受けて山小屋へと姿を変える。
九州で最も標高の高い温泉地としても知られ、宿泊施設、食事処、水場、綺麗に整備されたトイレ(山ではホントに貴重)もあり、くじゅうの山々をめぐる登山者の拠点となり、四季を通じて賑わう重要なスペースコロニーだ。
俺は言う
ひとまずうんこにいかせてくれないか!
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登山でまさかキンキンにぴえた生ビールに出会えるなんて!
う、うまい、うますぎる!果てしなく沁みすぎる!!
マジか!!我を忘れるうまさ、こいつはロド麻薬じゃないのか!!
間違いなく人生で一番美味いビールだった!!!
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返盃とばかりに俺が差し出したトルコ巻き(パピコ)をくゆらせるジョー・ギリアン。
山荘でアルコールを両手いっぱいに抱え込み、再びテント場へ。
もう13時をまわってるじゃないか、腹ペコだ。
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初日のランチは友人ジョー・ギリアンが腕を振るってくれた。
おまえ料理はできるか?
ジョー「知らないのかい?こいつは選ばれし者のみが手にすることができる六角鉄板!戦艦が丸ごと一隻買えるほどの金をつぎ込んだって手に入る代物じゃないんだ。」
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見てくれも味もサイコーさ。
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《ギリアン風携帯炭水化物》
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こいつがまたバカウマだった。
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誰も見ちゃいないさ、空と山以外はね。
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間もなくアーベントロートの時間が訪れる。
しばしのんびりとした時間を気ままに過ごした俺たちは、温泉に浸かるために再び法華院山荘へ向かう。
風呂上がりに再度ビールを買い込んでテント場へ。
そう、この夜、これからの宴こそ、これまでジョー・ギリアンにおんぶにだっこだったこの俺が、ようやく輝ける見せ場なのさ!
【夜】おいさん風お晩餐と初めての登山でのテント泊
数々の山、秘境でのキャンプ飯を堪能してきた友人ジョー・ギリアンをもてなすためにこの俺が選んだメニューこそ、
そう、俺の十八番《広島風お好み焼きおいさん風》!
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《広島風お好み焼きおいさん風(肉・たま・うどん・イカ・チーズ・めんたいマヨ》
関西風は時々見かける、しかし登山で本格広島風ってのは早々お目にかかれるもんじゃない。
故郷の昔馴染みとの晩餐にこれほど適したメニューもないだろう。
おたふくソースのフレーバーをくじゅうの山々に撒き散らしてやったさ。
当時インスタにアップされたお好み焼きメイキング動画↓
楽しそうなおじさん達の声が、ああ、楽しそう。
持ち運べるものの限界がある山での広島風、あらかじめ小麦粉を溶いた下地をボトルに入れるアイデアも天才的だが、小さな鉄板一枚で見事焼き上げてみせた腕前には、クッキングパパもきっと歯ぎしりしたろうぜ。
友人ジョー・ギリアンは21時前だというのにキッカリ8秒で眠りについた。
俺はというと初めての登山テント泊、ソロテントで過ごすのも初体験で興奮していた。
夜中にうんこに行きたくなって、10分少々法華院温泉山荘までの道のりを一人歩く。
満月に近い月齢のおかげで星々の瞬きは霞んでいたが、月光に照らされる雲の表情が美しい。
ヘッドライトを消し、月明かりのみを頼りに歩く。
考えてみれば田舎で育ったとはいえ、街灯も民家もない完全に月明かりのみの中を歩くのは初めてかもしれない。
ふつくしい…
夜中に一人、うんこがしてみたくもなってもみるもんだな。
2日目、【朝】おいさん風朝御膳、
そしてさらば坊がつる
グッドモーニング俺。
うんこの後はぐっすり眠れ、きもちのよい朝を迎えた。
秋の山の夜は寒い、と覚悟していたおかけで、逆にそれほどの寒さは感じなくてすんだ。それでも夜中〜明け方は一桁代の温度にはなる。
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星野村の干し野菜もたっぷり入っております。
おいさん風朝御膳のできあがり!
ジョー「山でこんなちゃんとした朝食、はじめて💖」
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《おいさん風大葉チーズ入りメスブタ厚焼き玉子 明太マヨ添え》
《おいさん風味噌睾丸クラッカーヴォレイ汁》
《ローソン風あっためごはん》
朝食の後はしばらくゴロゴロと過ごし(この時間最高)、
11時過ぎに下山のための撤収後、一度山荘へ立ち寄りうんこを。
俺はうんこと女の子を口説くのに、そう時間はかけない。
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下山は初日とはルートを変えて《諏蛾守越(すがもりごえ)》を。
坊ガツルでたっぷりダラダラと過ごしたので、2日目の方が断然に体が重い。
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足場に気をつけながら、ひたすら黄色の目印をたどる、パックマンの気分。 岩場の雰囲気好き。
山荘を出て登ることおよそ50分、ついに視界がひらけた。
これまでの道中で見た湿原、森、草原とはうって変わって荒々しくも美しい光景《北千里ヶ浜》の荒野が広がる。
急登を登り切って視界が開けるこの瞬間は最高に気持ちいい。
ここは風がよく通る。
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そういやワレメねぇさん、なんていう女性もいたっけな。
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吹き抜ける風が本当に心地よく、 険しい山道を登ってきたご褒美のように感じた。
ここからまたしばらく大小の岩が転がるガレ場を登り切ると《諏蛾守(すがもり)避難小屋》だ。
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スガモリ遺跡を抜けるとあとはひたすら下るのみ。 足元に注意しながらしばらくガレ場をくだり、落石注意の危険地帯を横目に足早に通り抜ける。
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2018年の3月から当時小学生だった子供達を連れて近所の小さな山へ登るようになり、山頂でウィンナーを焼いて食べたりし始めていた頃だった。
その年の秋にジョー・ギリアンに連れられていった初めてのテント泊登山で、山遊びの魅力にハマり、ギアを揃え始めていくきっかけとなったこの旅ももうすぐ終わる。
もう少し、あなたと思い出をつくっていたかったわ。
ジョー「思い出なんて一晩あれば十分さ」
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下山後、はるけき彼方に滅びの山を望み、15時の昼食をいただいた。
俺は豊後牛カレーを、ジョー・ギリアンはダゴ汁定食を頬張っていた。
午後の陽も傾きはじめ、高原に吹く秋の風にほんのり肌寒さも感じはじめていた。
エピローグ、そして冒険のはじまり。
この夜、自室のおふとんの中で俺は奇妙な感覚に襲われた。
子供達が未就学児の頃から、野や川、虫取り、バーベキュー、お絵かきなど、常に子供達と一緒に楽しんできた。
当時乗っていた軽自動車を駆って、週末ともなればどこぞの田舎道を走っていた。
もう一度子供時代を追体験しているようで、幼い子供達と遊ぶのは本当に本当に楽しかった。
で、一体いつ以来だろうか?
子供達から離れ、純粋に自分自身が自分として新しい世界を体験し、それを楽しんだのは。
そしてそこに、何かしらの罪悪感のようなものを感じていることに気がついた。
あの子達を置いて、自分だけが楽しんでしまった。。。
しかしそれはもちろんすぐに、必要のない罪悪感だと想い直す。
それどころか、あと数年もすれば子供達と過ごす時間もうんと減ってくるだろう。その時が訪れても、親が、大人が、率先して仕事も遊びも楽しんでいる姿をみせていければいいな、という想いに変わっていった。
まどろみながらそんなことを考えていた。
この日を起点に大自然ともっと濃厚に触れ合いたいという想いに火がついた。
俺の人生の後半戦の楽しみを教えてくれた1人に、ジョー・ギリアン、間違いなくあんたの名は刻まれる。
ありがとうジョー!ジョー・ギリアン! また会おう!
銀河のどこにいても、あんたの名を聞かない日はないだろうさ!
活動データ
YAMAPより転載
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