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5月よ、5月

初夏の風が心地よい。

まだ初夏と言わないのかもしれないけれど、明らかに春のほんのりとした温かさとはまた違うものを含んだ風が吹いている。

5月。とってもいい季節。一年の中でもこんなに過ごしやすい季節はなかなかない。

一方で五月病なんて言われているように、色んなことが一旦ストップしやすいような、休まざるを得ないような状況に自分がなる時期でもある。

何だか色々上手くいかないな、自分を取り巻いているものと距離を置きたいな、少し休みたいな、ちょっとフアン、なんだよね…といった風に、気持ちがゆらゆらと沈んでいきがちになる。

去年の5月は、人生で一番しんどい5月だった。流行りたての病気に、誰もが対処法を知らず右往左往し、気持ちもダウンし続けていたあの時期。学校に通えなくなって、自分の中で大切な人も失ってしまって、慣れない土地と沈んだ空気に心折れそうだった。

それでも何とか…と回復を試みてあれこれ考え試してみるのだけれど、肝心の活力が一向に湧いてこないからどれもこれものんべんだらりと終わってしまう。

今年の5月の、なんてまあいい空気だいい風だ、という季節の洗礼を受けながらも、風を受ける感覚からお散歩ばかりをしていた去年の5月の記憶が蘇る。その時の心のしめっぽさも、重くやりきれない苦しさも。

では今年はどうなのかと言われると、去年とはまた違う苦しさを感じて5月の風に吹かれている。でも去年よりは素敵な5月。緑の青さにほれぼれとして見つめ続ける事ができるし、鯉のぼりが空でとっても心地よそうに泳いでいるのを目を細めて見てうらやましがることができるから。それに、去年を経験した私は一層つよくなっている。それは、自分の中で確かなことだ。

誰にとってもやりきれないような日々が続いているけれど、それでもやっぱり息を繋いでいくしかないって、そう思う。

何ができるだろう、何をしていきたいだろう、何をしていけるだろう。

明快な答えがぽお~んっと出てくる訳ではないけれど、その時々で思いついたことをさくッとやってみるのも手かもしれない。いずれにしても、あんまり人生そのものを抱えすぎたり、飲み込みすぎようとしないってことだ。

やるっきゃない、ではないが生きるっきゃない、なのだ。

美味しいものを食べて、好きな本を読み、気になっていた映画を見る。そうしたことで自分を生かして、毎日の中で少しでも楽しめる要素を持てたらいいな。このnoteでも、自分なりに面白いことができたらいいな。

本を大量に買ってしまってお部屋が大変なことになっている~。片付けは後回しにして、ひとまず本の山の中からピンときた一冊を手に取って公園に行こう。途中でコンビニで棒アイスを買ったりなんかして。そよそよと風が吹き、本のページをめくろうとするいたずらに笑って抵抗しながら、ただただそこに堂々と鎮座する木にあこがれながら本を読んで。若葉ちゃんたちにニコっと微笑む☺

5月って、いい季節。

missin




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