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環境が生む時間の概念と幸福について
中田あっちゃんの地政学に関する動画が面白すぎて、原典となる「13歳からの地政学」も読んだ。
そして、こんな動画にも出会い、国民性や国の個性にもつながる「人々の性質」は環境によって作られるのだなと確信を深めた。
南米やアフリカ大陸の一部地域では、昼夜の感覚や過去から未来へ一方向に流れる時間の感覚を持たないそうだ。だから食べ物を貯蓄しないし、お墓参りもしない。好きなときに寝て、行きたいときに狩りに行く。
わたし自身が四季がはっきりしている日本から、年間を通しての気温差・天候差が少ないエリアに引っ越して体験しているのが「今がいつなのか、パッとわからないことがある」というものだ。
日本にいるときは、今の季節を忘れるということはありえなかった。
「寒いな、早く春にならないかな」「花粉症やだ、春終わらないかな」「今年の梅雨は長引きませんように」「今年の夏も去年みたいな猛暑になるのかな」「金木犀の香りがする、秋だな」などと体感が時間の経過を確実に教えてくれ、それに伴って過去・現在・未来を意識するのが当たり前だった。
今は、ほぼ雨が降らず(雨季は短時間のスコール)年間通して昼間は半袖で過ごせる地域に住んでいるので、今が12月なのか8月なのか、気候だけでは判断がつかない。
寝起きのぼーっとしている瞬間なんかは特に、今がいつなのか本気でわからない。熱帯雨林に住む部族とまではいかないけれど、時間の経過を意識させられることが、日本にいるときよりも格段に少ないのだ。
時間の経過を意識するというのは、目の前の「現在」以外の過去と未来について考えるということだ。
過去を思うから後悔やコンプレックスが生まれる。未来を思うから不安が生まれる。
人間のストレスは、頭の中にしかない過去と未来が生じさせているといっても過言ではないのかもしれない。
裏を返せば、過去の後悔から改善点がわかって向上させることができるし、未来への不安があるから目標を持って計画的に行動できる。
地球上で、気候にメリハリがあり寒い時期があるエリアが比較的発展しているのは、すなわちそういうこと。
逆に、温暖で時間の経過を感じにくいエリアは「今を生きる」というマインドフルネスな生き方をしやすくなる。
わたしが住んでいるエリアは、日本人のわたしから見ると時間にルーズな人が多い。「3時の約束に遅れると申し訳ないから、30分前には必ず家を出たい、だから2時から支度しよう」という逆算思考がそもそも働きにくいのだと思う。今を生き、今を味わっているから。そして、それは悪いことじゃない。
過去と未来を意識する人間からすると、時間を守らない人間に対して「他人の時間を無駄にするな」と感じるかもしれない。でも、訪れるかわからない未来を気にして、今この瞬間を"無駄"扱いしているのは他でもない自分なんだよね。
四季があり、時間の経過を意識せずにはいられない大国・日本にいる人は、どうしてもストレスを抱えやすく、内向きになりやすいのだと思う。それは地理的要因なので変えようがない。
苦しいとき。世界には、今が昼か夜か夏か冬かも気にせず、ただこの瞬間を生きている人がたくさんいることに目を向けてみるのもいいかもしれない。とりあえず、今この瞬間、息している幸せを感じよう。
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