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[英詩]芭蕉の英訳

※ 旧「英詩が読めるようになるマガジン」(2016年3月1日—2022年11月30日)の記事の避難先マガジンです。リンク先は順次修正してゆきます。

※ 「英詩が読めるようになるマガジン」の副配信です。
(Haruo Shirane の論を加筆しました。)

これまで英詩における haiku, 蕪村の英訳と、俳句関連の話題を二回取上げました。今回は芭蕉を取上げます。

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 まずは、先入観なしに、つぎの英語をみてください。

The months and days are the travellers of eternity.

 月と日は永遠の旅人? 月と日が永遠にめぐってくることを旅人と言っているのかなと、想像はつきますが、どこか惹かれる表現です。懐かしいような。

 月と日とを旅人だと言い切っているわけですから、これはメタファでしょう。この言葉を考えた人は詩人に違いありません。それにしてもどこかで見たことがあるような。

 どうですか。何の言葉か、見当がつきますか。

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 正解は

 芭蕉の言葉でした。

 『おくのほそ道』の冒頭の文の前半です。

月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也。

 現代語で表記すれば

月日は百代(はくたい)の過客(かかく)にして、行(ゆ)きかう年もまた旅人なり。

のようになるでしょうか。「百代」は「きわめて多くの年代。永遠。ひゃくだい。」(『日本国語大辞典』)の意味です。「過客」は「旅人」の意です。

 この文ぜんぶを英訳したものを見てみましょう。

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