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3、メタボと生活習慣病のちがい
現代人は肥満の傾向?
今の時代はどんな人にとってもストレスの多い社会になっている、そう感じているんじゃないでしょうか。いつも何かに追いかけられているような感じがして、気の休まるときなんて無いと感じてしまいます。なんとも落ち着かない気持ちであったり、明確に文句は言えないけれどもモヤモヤした不平・不満を抱えているような気がしませんか。些細なことですぐにイライラしてしまう自分がもどかしい、そういったものが積み重なっていつも何か満たされない気持ちになっていませんか。
それを意識しているかいないかは別にしても、手っ取り早くそんな気持ちを忘れる方法として、多くの人が食べることに走ってしまっているようです。少しでも憂さ晴らしをして楽しい時間を過ごしたいというのは、ガス抜きとしては必要かもしれません。でも、そんな時ってついつい暴飲暴食になっていませんか。
飲むことや食べることの量や回数が増えることで、身体がそんな状態に馴染んだりしたらカロリー摂取過多になります。それでも、摂取したカロリーを全て消費してしまえるほどの運動を普段から行っている人なら良いのですが、そんな人は滅多にいないでしょう。多くの人はなるべくなら運動はしたくないでしょうから。するとどうなるか、消費しきれなかった分のカロリーが体に残って脂肪の形で蓄積されていくことになります。
しかも、ストレス解消を兼ねているような時に口にする食品は、たいてい高カロリーのものが殆どですね。これでは太るなという方が難しいでしょう。こうして内臓の周辺に脂肪の形で消費しきれなかったカロリーを蓄えていくことになります。生活習慣病と呼ばれるグループの病気も、もとはといえば食生活が大きな影響力を持っています。この辺りから切り込んでいけば、生活習慣病だとかメタボリック症候群だとか、そういった世界(?)に入らずに済むのではないでしょうか。
生活習慣病とメタボリック症候群との違い
この辺りは何が違うのか、とても分かりにくくなっています。同義語の様に捉えている人も多いでしょう。それで特に大きな間違いをしているわけではないのですが、言葉が違えばたいてい中身も違うという事で、この機会に違いを明確にしておくことにします。
この両者、混同するくらいですから非常によく似た言葉として理解されているようです。ほぼ同じ意味として捉えることが出来るかもしれませんが、よく見ていただくと片方は「~病」でもう一方は「~症候群」となっています。
「~病」は病気の名前だということが分かります。「~症候群」も病気の名前には違いないのですが、病気というよりもむしろ症状の方の意味合いが強いと思いませんか。こんな症状やあんな症状が有ってこのような名前になっているといった感じです(ちょっと強引ですが)。
つまり、生活習慣病という言葉は病気(病名)の総称を表したもので、食事の量・時間や嗜好の傾向といった食習慣、生活のリズム、喫煙、運動や睡眠の傾向、疲労、ストレスといったその人の生活習慣が、発症~進行に大きく 関わっていると考えられる病気を指します。該当するものと言えば、糖尿病、アルコール性肝疾患、脳卒中、心疾患等を指します。
これに対してメタボリック症候群は何を指すかというと、状態の方です。脂肪が過剰に蓄積した状態はもちろんですが、それに加えて高血圧や高血糖、脂質異常が併発した状態を指す言葉です。ですから脳卒中や心疾患を発症していなかったとしても、血圧や血糖値、脂質値が基準より高い場合は、メタボリック症候群の範疇になります。
この両者は指しているモノこそ違いますが、生活習慣病とメタボリック症候群はお互いに深 く関わっていると言ってよいでしょう。なにしろ、高血糖、高血圧、脂質異常といった状況は両方に関わっていますから。