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13、カルシウムの話
今日はカルシウムを取り上げます。カルシウムって、人体の成分の中で一番多いミネラルだという事はご存じですね。とくに骨や歯の重要な成分ですが、神経の働きには欠かせませんし、血液の凝固にも関わっています。また、カルシウムが不足して骨がスカスカになってしまうと骨粗しょう症といった状態になって骨折しやすくなるという事も、よく知られています。
カルシウムって身体の中にどれくらい存在していると思いますか。体重の1~2パーセントと言われています。量にしておよそ1キログラムほど、結構大量ですね。このうちの99パーセント、ですからほとんどがリン酸カルシウムとして骨や歯の成分となっています。残りの1パーセントほどがカルシウムイオンなどの形で血液中であったり神経や筋肉のところに存在しています。
日本人は慢性的にカルシウムが不足がちなのだそうです。とくにカルシウムは吸収率にも難があるために世界的な規模で見ても不足気味、そんなわけで例えばアメリカ人のカルシウム摂取量と比べると日本人はその3分の1程度でしかないそうです。ですから、摂り過ぎの心配はしなくてよさそうです。もし、積極的にサプリメントなどでカルシウムを取っているとすれば別ですが。
ではこの、難がある吸収率をアップさせるためにはどうすればよいでしょうか。じつは「食べ合わせ(?)」を考えてみる必要があるんです。カルシウムの吸収率は何を一緒に摂るかで変わってきます。吸収率を上げてくれるものがある一方で、逆に下げてしまうものも存在しています。
よくカルシウムが豊富として引き合いに出されるのは牛乳や小魚といった食材でしょうか。ただ牛乳は成人だと飲んだ後にお腹の調子が・・・、そんなこともありますよね。ですから、食材やその成分である栄養素のことを知って、効率よくカルシウムを摂取すればよいと思います。
どんな成分がカルシウムの吸収をアップさせてくれるかというと、ビタミンDやマグネシウム、ビタミンCなどが挙げられています。反対に吸収率を下げてしまうものとしては、リン、シュウ酸、フィチン酸といった物質です。どんな食材にどれが含まれているかについては調べていただけると良いと思いますが、それらを組み合わせて効率の良い摂取を心掛けましょう。
とくにカルシウムはどの年齢について調べても必ず不足しています。こんなデータがありました。2020年版という事なので数年前のものになりますが、日本人の食事摂取基準として出ていたものです。それによるとカルシウムの摂取量、吸収率、排出量(尿など)、骨代謝といった要因を考慮して決めた基準だそうですが、1日当りの推奨量が以下の通りでした。
・男性で
18~29歳:800mg
30~74歳:750mg
75歳以上:700mg
・女性
18~74歳:650mg
75歳以上:600mg
これに対して普段の食生活でのカルシウム摂取量は男女とも平均して500mg程度となっています。(厚生労働省による平成21年の国民健康・栄養調査から)これでは完全に不足の状態ですよね。
この状態だと、普段の食生活を送っている限り過剰摂取については考えなくてよさそうです。