![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/145632209/rectangle_large_type_2_ed19edee7d3d85324eca906e3bab2bf4.jpg?width=1200)
本気で遊ぶおとなは最高にイケている。
「好きこそものの上手なれ」
そんな言葉がある。
何ごとも好きであると熱中する。
熱中するからこそ、トライ&エラーも乗り越えられて、うまくなる。
「好き」ってすごいと思う。計り知れないほどのパワーを秘めている。
最近よりそう思うようになったきっかけは主人の会社を見ていてだった。
「好き」から始まったサウナ構想
主人と友人2人(私にとっても家族なくらい大切な人たち)が起業して1年6ヶ月経った今、サウナ好きな彼らは今サウナを作っている。
メインの事業は映像制作と、イベント事業(これまた2日間で2000人を呼び込むという規模のイベントを1年目からやっているのだからすごい。)
それでスケールさせていくのかと思いきや、もちろんそちらもスケールはさせつつ、でも。彼らは今サウナを作っている。
「お茶でロウリュしたらめっちゃ良くね!?」
「たしかにー!」
「作っちゃおうぜー!」
まるで秘密基地つくろうぜー!
というノリである。
彼らは本気でサウナをつくり始めた
ほんまにやるんかなぁと思ってみていたら、本人たちは本気だったようで。
構想から1年、着々と下準備を進め今年の5月から本格的に着工した。
着工するまでも、着工してからも彼らは数多の壁に猪突猛進しながら日々を駆けている。
第一の壁:資金問題
本来であれば年明けには着工するはずだった。それが数ヶ月遅れとなったのは、紛れもなく資金が問題だった。
なんせ彼らは本気なのである。
本気で自分たちが好きなサウナを、
自分たちが理想だと考えるサウナを作るのには、
やはりそれ相応のコストがかかってくる。
そりゃそうだ、彼らは本気で、一切の妥協もしたくないのだから。
会社の代表である主人は資金調達に東奔西走し、それと並行してほかメンバーの2人はいつでも着工できるように準備を進めていた。
もちろん工事はプロの大工さんや左官屋さん、電気屋さんと職人さんたちの力を借りてつくる。
すべてをお任せしたいけれど、お任せしてしまうと予算オーバーになってしまう。かなりシリアスな状況だ。
だからといって妥協はしたくない。
できることは自分たちでやろう。
彼らは自分たちでDIYもしている。
朝早くから陽が沈むまで作業をしているし、サウナの事業責任者であるひろむんなんて、時を忘れて夜明けまで壁を漆喰で塗りたくっていた。
気づいたら木を組み合わせて、壁まで自分たちで作り上げている。
すごすぎんか?
「本気」ってほんとうにすごい。
第ニの壁:クラファン準備
サウナ開業に向けた準備のなかでも、かなり労力を割いていたのがクラファンの準備だった。
資金調達も無事にできたが、それでもやはり理想のサウナを作り、運営していく…中長期的に考えるとまだまだ資金は足りなかった。
まずは250万(あわよくば300万)を最終ゴールとして、そこを目指してクラファンを始めようと。
となるとまずはクラファンの文章を作るところから。
メンバーのひとりであり、サウナの事業責任者であるひろむんはほんとうに毎日夜遅くまで、クラファンの原稿を執筆していた。
主人には「これでは何も刺さらない」と突き返され、
私もしっかり赤入れをして、差し戻した。
何度も何度もそのラリーを繰り返し、苦労の末にひろむんが書き上げたクラファンの文章。
想いを全て注ぎ込んだのだから、クラファンの文章、相当長い。
全部とは言わない。全部でなくても良いから、ぜひ読んであげてほしい。
第三の壁:クラファン期間中
裏では250万、300万の最終ゴールを見据えつつ、まずはゴールを200万と設定し、クラファンを開始。
開始直後、支援は好調だった。
ところが数週間経つと、初速は落ちていき、日によっては一銭だって支援がなかった日だってあった。
いわゆる「なかだるみ」といわれるものだ。
それでも彼らは毎日毎日、めげずにいろんな人に声をかけ、「こんな想いでつくっています」「最高のサウナをつくります」「だからお願いです、応援してください。」地道に、ひとりひとりにお願いをし続けていた。
(リストとかがあるのかどうかも知らないけど、仮にリストがあったとしたら何百という数だろう。)
そのおかげが少しずつ少しずつ、支援額は積もっていった。
クラファンの期間も残すところ1週間を切る、というタイミングで、ついに第一ゴールである200万円を達成。この時には支援者数はゆうに100人を超えていた。
100人以上の人が応援してくれたこともすごいし、
平均すると1万円以上の支援をしてくださっていることになる。
彼らの人柄の賜物だなと思った。ほんとうにすごい。
そして彼らは今、ネクストゴール250万を目指して、声掛けを続けている。
あと一日。目指すはネクストゴール250万。
ネクストゴールも順調に支援が集まっており、残りもう少し。
クラファンの期間もついにあと一日となった。
そんな今日、(個人的には)彼らの「本気で遊ぶ」の真髄を見た気がした。
簡単に要約すると、ある人からこんなことを伝えてもらったのだ。
「これから御社ともっとビジネスとしてもお仕事をさせていただきたい。なので、ゴールまでの残りの額全て支援しますね。」
つまり、企業投資をすると。
喉から手が出るほどほしい支援ではある。支援が集まれば集まるほど、より彼らの理想とするサウナを作ることができるのだから。
多くの人に彼らの理想とするサウナに来てもらうことができるのだから。
でも。
彼ら3人だ出した結論は「断る」だった。
支援をしますという気持ちは嬉しい。
でも、僕たちはサウナが好きだからこそ、本気だからこそ、一人ひとりに想いを伝えてきた。
そして共感してくれた人たちが、
このサウナを心から良いと思い、
応援したいと思ってくれた人たちが、
支援をしてくれて、ここまで来た。
だからこそ僕たちは最後まで理想を追い求めて、本気で好きなサウナをつくりたい。「企業投資枠」「ビジネス」「利害関係」そんなものは一旦すべて傍に置いて、自由に、本気で、理想をつくりあげたい。
私はたまたまその話し合いの場に居合わせただけだったが、全員考えは同じだった。
金は絶大な力をもつ。
でも彼らの理想はそれよりも大きな力を持っていた。
彼らが理想のサウナをつくるまで、
ネクストゴール達成まであと少し。
残り一日ですが、私と一緒に応援してほしい。
後記
主人の会社だからというのもある。
会社のメンバーが私にとっては大切なたいせつな友人だからというのもある。
いちばん近くで彼らの頑張りをみてきた私に、残り一日となった今、できることってなんだろうと考えてみた。
「書く」ことだった。
会社のメンバーではなく、それでもいちばん近くで客観的にみてきたからこそ伝えられるものがあるのではないかと。
血と汗の滲むような努力をしながら駆け抜けてきた彼らの日々を、私は「書く」ということをとして伝えることはできる。
それが今の私にできる最大限のことでしかないけれど、
これがひとりでも多くの人に届くといいな。
彼らはほんとうに、本気で遊んでいる。
そして、本気で好きなサウナをつくっている。