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わたしのパン
わたしのパン作りは自由だ。
材料も、時間も、好きなように、生活のリズムやその日の天気に合わせて、生地の様子を見ながら作る。
作るというより、育てる感じに近いかもしれない。発酵ものはそんな感じになる。普通の料理とは少し違う。
パン作りを始めたときはこんなに自由ではなかった。
何度で、何分くらい放置して、と数字を気にしていた。
今は違う。経験を重ね、試行錯誤して、今の作り方に行きついた。オーバーナイトで発酵させる「こねないパン」に出合ったこと、そして、『「ストウブ」で、パン』(堀田誠)という本に出合ったことが大きかった。
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基本的にはこの本の作り方で、倍量の粉600gで作る。大きな鍋に入れてどどーんと焼く。
油脂や砂糖を入れないリーンなパン(時に加えてもごく少量)。カンパーニュ(もどき)です。
必ず守るのは塩とドライイーストの量だけ。600gの粉に塩は9g、ドライイーストたったの1g! ドライイーストって優秀で、驚くほど少量でもちゃんとふくらむ。
水の量は基本的には450gくらいだけど、多くしたり少なくしたり。雨の日は少なめに、とか。オイルを少量加えてその分水を控えたりして調整してもいい。
粉も自由に。強力粉100%にしたり、ライ麦や全粒粉を好きな配合で混ぜたり。
砂糖やハチミツはごくたまに。もちろんナッツやドライフルーツを混ぜてもいい。
何といっても自由なのは、時間だ。
基本的には材料を混ぜて、室温でしばらく放置してから冷蔵庫の野菜室に入れて一晩放置。
でも先日は雪が降るほど寒い日で、冷蔵庫に入れず室温で放置した。
そして翌日、通常は室温で行う二次発酵を、その日は少し気温が上がるとのことだったし出かける用事があったので、野菜室へ。
家に帰ったらすぐさま取り出しいい具合に膨らむまで待って、焼いた。
一次発酵は室温、二次発酵は野菜室と、いつもと逆だった。
ああこんなふうにしてもできるんだと、またひとつ自由になれた気がした。
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何度で何時間とか、完全に意味なし。
生地の様子を見ながら、それが持つ力を信じ、より良く育つよう少しだけ手を貸す。わたしが「作る」んじゃないんだ。パンは勝手に育つ。ああこれ子育てに似てない?子どもいないけど。
時間がかかるというと、即座に「大変そう」という反応が返ってくることが多いけど、放ったらかしにするだけ。全然大変じゃない。確かに常に気にしていなくてはならないけど。でもパン生地の様子をチェックしておいしくなるお手伝いをするのは、やりがいがあって楽しいことだよ。
断面を見ていると愛おしくて。こんなふうに育ってくれたんだ…と感慨深い。
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最近はドライイースト一辺倒だけどかつてはいろいろな天然酵母やってました。
ドライイーストはすごく便利だし満足しているけど、サワードゥとか、庭のハーブを使った酵母づくりにもいつか挑戦してみたい。