☆本#336,337 好奇心 「ひとりで生きる」「画文集 花ごよみ」堀文子著画を読んで
「徹子の部屋」に壁に掛かってる絵画「アフガンの王女(2003年)」の画家が著者。
で、「ヒマラヤのブルーポピー」という絵に興味があり、エッセイと、画集を見てみた。
著者は1918年(大正7年)生まれで、2019年に100歳で亡くなる。あと数か月生きていれば101歳だった。
明治大正生まれの女性は、長寿が結構いるように思うけど、エッセイを読むととても自立していて、行動力と好奇心を持つ女性だというのがわかった。
樹齢500年以上の巨木を伐採から守るため、資産を投げうったり、なんと69歳でイタリアに移住し、アトリエをかまえたり、スケールが違う。
その後も、77歳でアマゾン、80歳でペルーに行き、ブルーポピーを見るため、81歳のときヒマラヤへ旅している。なんと標高4500メートルのガレ場の岩陰まで、酸素ボンベの力を借りていき、草丈20センチほどのブルーポピーと対面。
83歳で大病をしたようだけど、回復し、今度は微生物の世界に興味を持ったらしい。
イタリアへの移住は、日本のバブル期への嫌気からのようだけど、言葉が通じない国での暮らしは、未知の世界を知る嬉しさと感動の日々だったらしい。
著者はもともと孤独を糧に、完全に自由になれない世界でなるべく自由に生きてきたから、こういうことを実行できたのだと思う。資産があっても、体力の衰え等でなかなか実行できない人が多い気がする。
本人も以下のように言ってる。
以下、かっこいい。
これって、長寿の秘訣かも。発想や実行力が。
著者の絵はどれも色がきれいて、デッサンバランスが見事。日本画家の清方にしても、松園にしても、60歳過ぎの晩年の絵が色彩、バランス、ゆるぎない線等素晴らしかったけど、著者も同じく。視力の衰えとか、手が震えるとか感じさせない。
「幻の花 ブルーポピー(2001年)」の完成度も高く、見ていて飽きない。
上記エッセイ本でも、アフガンの王女、ブルーポピーを見れるけど、画集だと他の絵や著者の解説付きで、「椿(2004年)」がまた素晴らしかった。