学びはゆっくりで良い~結果を求めない生き方
学生時代、一夜漬けをしてテストを乗り切る人たちに憧れた。
真似してみたが、結果は惨憺たるもの。
・徹夜というものが上手く出来ずに途中で寝落ちする。
・短期記憶が苦手なので、普通に一晩では覚えられない。
・寝不足のまま試験を受けてもパフォーマンスが落ちる。
というわけで、スマートに一夜漬けする人たちをカッコいいなと思いながら、2週間以上前からコツコツ計画を立てて勉強し、試験前日は早めに寝る、という私のスタイルは恥ずかしくて人に言いづらいものであった。
みんなに馬鹿にされないように、「ヤバい!全然勉強してない!」という定番の嘘をついたこともある。
今でも私は短期記憶というものがどうしても出来ない。
火事場の底力はないようで、追い込まれたり焦ったりすると、むしろすべて投げ出してしまいたくなる。
緊張感は大嫌い。
のんびりゆっくりやりたい。
仕事でも、無理難題は最初から断り、自分のペースを守るようにしている。
趣味でスペイン語を勉強している。
実は6年ほど続けているが、大して出来ないのが恥ずかしくてなかなか人に言えない。
目標があってやっているわけではなく、移動時間の暇つぶしにちょうど良いのだ。
Duolingoというアプリで、英語→スペイン語、スペイン語→英語という練習をしているから、相乗効果で英語力の向上にもなる。
文法書を集中的に読めば、最後まで一気に終わらせることができる。
でも、終わらせてどうする?と思う。
毎日5分~10分だけ電車の中のルーティンとして行っているから、6年やって、英語で言うとようやく中3の終わりくらいのレベルだ。
新しい項目を学ぶのは楽しい。
早く終わらせてしまったらもったいないから、むしろ少しずつ味わい、消化しながら進めていくのが好きだ。
たまにスペイン語検定やDeleのようなテストを受けてみるが、テストのための勉強はしたくない。
毎日少しずつ進め、そのレベルに達したら受けてみる、というスタイルにしている。
学校など、横並びで競争させられるのはとても苦手だけれど、このやり方は自分に合っており、Duolingoはコロナに罹って動けなくなった時に1度ストップしたが、その後再開して今日で963日(中途半端)連続でやっているらしい。
ヨガに関しても同様だ。
2009年から続けているが、いまだにヘッドスタンドなどアクロバティックなものは出来ない。
出来ないというより、やる気がない。
時々、私のヨガ歴を聞いてマウントを取ってくる人がいるが、そのような人はヨガの本質がわかっていないなと残念に思う。
別にサーカスやバレエ団に入るためにやっているわけではない。
ヨガの練習そのものがただ好きだからやっているのだ。
しかも、私の心身に合うヨガは瞑想とリラックスを極めていくスタイルだから、別に逆立ちする必要はない。
確かに以前より上手く出来るようになったものはたくさんある。
しかし、それを出来るようにするために頑張ったわけでなく、別のことをしていたら、たまたま相乗効果があった、というだけなのだ。
牛歩のように進めることで、自分の変化に気づきながら、その過程を全部楽しめることが嬉しいなと思う。
旅に出ても、計画を立てている時間や(計画通りに動くのは苦手だから立てるだけ)、その移動の行程が私には結構楽しみだ。
飛行機で飛べば1時間のところを、鉄道やバスで4時間かけて行ったりし、知らない風景に出会うのが楽しい。
目的地に着くことが目標ではないなと思う。
目的地なんて、決めない方が旅は楽しかったりもする。
結果を求めて行動しても、私はあまり満足できない。
昔は自分の頭と運動神経の悪さが恥ずかしいと思っていたが、今は堂々とゆっくりな学びを楽しんでいる。
ゴールがどこにあるか分からないほうがワクワクする。