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【小説感想】君が見たのは誰の夢?/森博嗣
WWシリーズ7作目。新幹線の中で読みました。
前作の感想はこちら。
特に前巻とのつながりなんかを意識しなくて良いシリーズで、そこはありがたい。本作は、ロジが謎のウイルスに侵されていて、その検査をするところから始まります。すごく具合が悪いわけじゃないけど、全体的に低調になっていて、その原因がどうやらウイルスなのではないかと。そんで、そのウイルスも過去に例が見られなくて、全く未知。なので、実はウイルス学の権威であったロジの母親なんかが出てきます。
どうやら話の流れから、グアトもそのウイルスに感染していることがわかり……。なぜかならず者から狙われ拉致監禁されるグアトとロジだったり、そのあとフスがこの世界に蔓延している新しく子どもが生まれない問題を解決した人工臓器を開発したという報道があったり。
Wシリーズでは、ウォーカロンの話という感じだったけど、WWシリーズではその後の話を書いている。まあ同じテーマを書いてもしょうがないから当たり前ではあるが。その重要な内容としては、前巻でも詳細が出てきた「ヴァーチャル」という仮想現実空間。それと、「共通思考」というシステムの話。それがいよいよ明らかになる……かも。みたいな。シリーズを通して重要人物であるあの人が出てきてその一端が明らかになったり、示唆される。
ちょっとね、未来すぎるかな、というのはあるんですけどね。Gシリーズがあって、百年シリーズがあって、というのがあるんだけど、進化の方向が偏っているというか、全体的に進化しているんじゃなくて特定の分野がすごい進歩している。それはやはり例の人がそういう分野だからってことなんだけども。
まあ、だから、森博嗣作品って、個別に読むより、全体を包括的に読むほうが楽しめるよね、ということでもある。
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