【東京家探し】ツッコミどころ満載の不動産屋さんと私。
東京に就職が決まった。
「東京って高いよ〜!!」
言ってる本人たちは全く痛くないような顔で、煽りをかけまくってくるこの言葉はつくづく耳が痛かった。
「わからない」まみれからのスタート
就職先は決まったし、お家探しか〜と思い始めた3月下旬
新卒の時はありがたいことに会社の寮に住んでいたため、自分1人で1から行うお部屋探しは初めてで
何から始めればいいのか、どう探して、どの不動産さんに頼めばいいのか
とにかく「わからない」まみれ。
とりあえずマリモっぽいマスコットキャラクターが代表的な某不動産情報サイトでちらほら気になる物件をぽちぽちして、
「この物件を取り扱っている不動産に連絡する」を押してみたら4.5件ほどの不動産屋さんから「来店ご予約くださいませ!」と怒涛の電話とメール。
その時点でなんだかやらかしている気がしていたけど、特に会社の規模感も気にせず、
とりあえず1番最初に電話をくれた不動産屋さんと、熱心にメールをくれる不動産屋さん2カ所を予約した。
勝負の2泊3日!絶対に家を決めるぞ!
全然内見に行かせてくれない不動産屋さん
神戸空港から朝10時の飛行機に乗り東京へ。
早速13時から初めての不動産屋さんに向かう。
着くや否や、見たいと予約していた物件はトラブル多めとのことで却下。
担当の方に他も探してもらいながら、
自分もマリモのサイトで見つけては、ここどうですか?と提案するも「もう紹介できないところですね〜」と。
それが立て続けに10件弱、、、(これ意味あんのかい。)
加えて「人気なところはすぐ埋まってしまうので、内見できる物件は逆に怪しいですよ」という、業界のフツウを知らない無垢な私は「なるほど〜」と良いカモ丸出しでなかなか内見できる物件がなく刻一刻と時間が過ぎるだけだった。(本当にそういう場合もあるんだろうけど)
結局、迷いすぎている私に見かねて「これラッキーです!内見できます!」と言われて「お〜!奇跡!⭐︎」なんて言いながら、なんとか自力でありつけた本日たった1件の物件も実際に見るとピンと来ず。
不動産屋さんに戻ると、担当者プラス3.4名の営業マンに囲まれぜひ明日も頑張って探しましょう!!との元気さに完全に顔を引き攣らせながら退散した。
収穫ゼロ、撃沈の夜
内見にもほとんど行けないため選択肢を絞れず収穫もない上に、営業マンの方の圧力に押されまくった身体はクタクタで。
泊まらせてもらう姉の家に着くと、無意識に三角座りをして遠くを見つめていた私を見て姉が引いていることに気がついて我に返った。
「なんそれ!内見行けへんておかしいやろ!」
1日の疲れでしょぼしょぼだった私は
「だって、ほんまか嘘かもわからんやん、、、初めてなんやから当たり前がわからんやん、、、」
とつぶやくと
「世界規模で考えーや!目の前の人が言ってることが、ほんまに世界で見ても当たり前かどうかで考えてみたらいいんよ!」
と姉節炸裂。
家探しに関しては世界規模で考えると尚更わからんくなるけど、根拠のない強さに溢れた姉に不思議と励まされた。
今日の物件は完売の不動産さん
不安な気持ちを払拭するようにSNSで物件の見つけ方を検索したり、東京の友達にどうやって物件を見つけたか急遽連絡を入れたりして、眠りについた。
その日の夜は、夢を見た。
2日目に予定していた不動産さんに行ってみると
「今日の分の物件は売り切れたので閉店です〜」
と言って入店お断りされる夢。
起きた瞬間、今日の分の物件て。人気のパン屋さんか。と思いながら
「心機一転!いいとこ見つけてくるわ〜!」
と十分な睡眠で元気を取り戻し
「それでこそ!」
と励まし上手な姉に背中を押されて家を出た。
夢が正夢に。
「うわ〜、ちょっと予約時間遅れそう。」と思い、最寄駅で不動産屋さんに電話を入れると
「えっと〜、予約できてないです、、今日はもう他の予約いっぱいで厳しいです。」と。
確かに、前日の予約確認メールなどもなく何だか嫌な予感はしていたが、
物件売り切れではないけどちんぷんかんな私が原因で正夢となり入店できず、電車のホームの椅子で思考一旦停止。
ただもう、昨日のふにゃふにゃな私は生まれ変わっていた。「とりあえず、美味しいコーヒーを飲もう♪」と心機一転
駅前のおしゃれな個人店のテラスに座りお高いコーヒーで気分を上げて、友達が元々働いていた大手の不動産屋さんに電話してみることに。
「12時からなら大丈夫ですよ〜!」と。
まじか!!
予約させてください!の前に、何より大事な
「あの〜、気になった物件は内見ってできますか?」をしっかり確認して予約を入れた。
控えめで余裕すぎる不動産屋さん
昨日の中小企業とは打って変わって、誰もが名前を知る大手不動産屋さん。
入った瞬間の穏やかさと余裕感がたまらなく心地良かった。
担当してくれた営業マンの方はなかなかの控えめな方で、淡々と希望通りの物件を探し、淡々とそしてきちんと内見の案内をしてくれた。
見積もりまで淡々で、これいらんのちゃうん!みたいなサポート等も
「これって、抜けますか、、?」と恐る恐る聞く私に
「あ〜、これは、、、、、抜けます!」と
数秒、一応のような間を空けつつも呆気なく要望に応えてくれる余裕な営業マンさんに
「いや、いいんかい。」の心の声が出そうだった。
優柔不断な私に沢山時間をくださって、これまた1日かけての家探しだったけど、姉の家に帰るや否や
「めっちゃよかった!!めっちゃ内見連れってくれた!!」
と感動の声を上げていると
「それがフツウやねん。」と。
何はともあれ、1日目の経験もあってこそ、この大感動に出会えたんだし
やっぱ何事も経験だな〜と思えた家探しの巻でした。
東京在住まであと1ヶ月
そうこうしているうちに、引越しまで1ヶ月を切った。
デンマークから帰国してから約半年、住み慣れた地元和歌山で、朝はゆっくりと寝て、それなりに学びと楽しさのあるお仕事をしながら、大好きな家族と毎日ご飯を食べる。
そんな日曜夕方にやっているアニメのワンシーンのような生活が終わり、月曜を迎える。
なぜ終わらせなければいけないか
そんなことすら考えるのも無駄なほどに
ただ大好きなここでの生活を
終わらせる時が来てしまうのは
デンマークを離れたあの時と似ている。
ただ、ふわふわ〜と進んでいくだけなのだ。
巡り会えた東京のお家が大好きになる頃にはまた
ポイっと更に次の章へ導かれるんだろうか。
それまでは、東京で生きてみよう。