お金をもらう ということ
私はお金をもらうことに抵抗がある。
それは家庭環境から大きな影響を受けていると自覚がある。
そんなパーソナルな部分を公の場に書くべきかどうか迷ったが、
サクちゃんさんのツイートを見て、とても共感したし、仕事をする上で避けては通れない道なのでこれを機に“整理”していきたい。
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私の母はシングルマザーで、いわゆる富裕層からは程遠い家庭だ。
そんなことを言うのは、ずっと1人で頑張ってきた母に失礼だと思ってしまうほど、母には感謝してもしきれない。
だからこそ、お正月やお盆などの“お金をもらうことが許される日”以外にお金をもらうのは、母から搾取しているようで悪いことだと思っていた。
小さい頃は母の実家で暮らしていたので祖父母からお小遣いをもらうこともあったが、「収入は年金だけなんだから」と何度も口にしたものだ。
いつもそんな考えがあったので、大学に入ってからは学費や交通費などの費用は全てバイト代と奨学金で賄っていた。
バイトをしないで学費も遊ぶお金も全部親に払って貰っている子を見ると、嫉妬もあるだろうが、心の中で酷く軽蔑していた。
自分の家庭環境を恨むことはないが、もう少し豊かだったら、と思うことは何度もあった。
自分の子どもにはお金で苦労しないようにしてあげたい。
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この考え方に苦しめられるのは、働き始めてからだった。
接客のバイトをしていたし同じ感覚だろうと高を括り、人材広告の営業職を選んだ。
もともとお金をもらうことが苦手なのに、
「結果が確実ではないけどお金を出しませんか」
と言うことの罪悪感は想像以上に大きかった。
しかも新規開拓のため、明らかにお金に余裕のない中小企業を回ってその言葉を投げ続けるのだから、仕事をすればするほど自分を苦しめているようなものだった。
今振り返ってみると、アパレルで働いていた時は金額が小さかったし、頻繁にセールをしていたからそれほど罪悪感はなかった。
新作が出たタイミングで買われるお客様に対しては、「もう少ししたら安くなるのに…」と申し訳なく思うことは何度もあったが。
いや、しっかり接客をした結果、「お姉さんが選んでくれたから!」と何着も買っていただく時には「え、本当にいいんですか?」と言ってしまうことはあったなあ。
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ということは、金額の大きさもあるが、「その購買行為を自信を持っておすすめすることが出来ないから」という要因もあったのかもしれない。
広告は結果が確保されるものではないし、店にある洋服全てを可愛いと思っているわけではないから。
自分が可愛いと思ったスタイリングをまるごと買っていただいた時は、金額が大きくなっても「絶対これがいい!」と自信を持っていたから、申し訳ないとは全く思わなかった。
そう考えたら、私はなんてお客様に失礼な対応をしていたのだろうか…
自信の無いものを「これいいですよ!」と言ってもそりゃ説得力はないし、モチベーションも上がらない。
唯一自信を持って接客出来たのは、先月まで働いていたカフェだけだ。
店主の作るケーキやジャムはおいしいし、空間も考え方も私にぴったりはまっていた。
申し訳ないと思ったのは、提供が遅くなったり品切れの時くらい。
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気付いたことは、「お金をもらうことを申し訳なく思う」のは、相手が家族の場合を【原因】とすると、仕事の場合は【原因】から誘発された【結果】で、ちょっと形が変わっているのではないか。
家族の場合は、家庭状況などの背景を知っているから申し訳なく思う。
一方、仕事の場合はお金に見合ったものが提供出来ていないのではないかという不安から申し訳なく思う。
前者の考え方は小さい頃からの刷り込みでもう直せないが、後者は改善することが出来るのではないか。
「自分がしっかり理解・納得出来て、自信を持っておすすめすることが出来ることを仕事にする」ことによって。
これは仕事を辞めてからなんとなく気付いていたことだけど、その背景にはこんな考え方があったんだな。
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前に「仕事を選ぶ時は、【 好きだし出来る仕事 】があれば1番だけど、【 好きだけど出来ない仕事 】を追い求めるんじゃなくて、【 嫌いだけど出来る仕事 】を選ぶべきだ」という話を聞いた。
これについてはあまり共感出来ない。
嫌いなら仕事をする気力が湧かないし、好きなことのほうが出来なくても好きだからという理由で頑張れる。
実際に私は【 お金をもらうことは嫌いだけど、それを抜きにした営業活動は出来る 】はずだった。
でも “出来る” が “嫌い” に押しつぶされてしまった。
( 最初から営業自体出来なかったのかもしれないが… )
だから、私の場合は「好き、もしくは納得出来る」仕事ではないと自信が持てないのだと思う。
じゃあ次は、自分は何だったら自信を持てるのか。
ここでずっと足踏みをしている状態で、前に進めない日々を送っている。
ノートに書き出そうとしても手が止まってしまう。
もし深掘りの仕方を知っている方がいたら教えてください。
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「お金をもらうこと」をなぜ申し訳なく思うのかを考えていった結果、今後の指標が見えてきた。
その指標を元に、星の数ほどある仕事の中から、絞って、拡げて、選んでというプロセスを踏むのかと思うと、まるで途方もなく宇宙を彷徨うボイジャーになった気分だ。
一体どの星に辿り着けばいいのだろうか。
※ 思いつきのままに書いたので読みづらいところがあると思いますが、自分の記録として、です。
明るい言い回しの終わり方をしたいけど、今の自分の状態そのままなので、暗くてごめんなさい。
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