好きにならずにはいられない最強のブランディング動画
こんにちは。
ちょっと、広告と動画の話。
ブランドから発信されたコンテンツ動画は、毎日数えきれないほど。数ある動画の中に埋もれてしまうにはあまりにも素敵すぎる、私のお気に入りを紹介します。普段、美容系商材のプロモーションを担当しているので、今回はメイクブランドなど美容系の動画をピックアップしてみます。
プロモーションという枠を超えて、その動画が伝える情報が見た人をハッピーにし、メイク業界、美容業界をもポジティブにしていくような素敵なコンテンツです。
#1 資生堂 インテグレート グローバルシスターズ・プロジェクト「GIRLS IN NEPAL」
このコンテンツは、たくさんのメイクブランドの動画の中で、1番好きなものです。本当に全員に観てほしい!
資生堂のブランド インテグレートがメイクの可能性と価値を表現した動画です。
ネパールを舞台にしたドキュメンタリーベースのコンテンツ。それぞれ様々な理由で、普段メイクをしない女性たち。「女の子は楽しい?」という問いに「男の子に生まれたかった」と語る彼女たちに、インテグレートの商品でメイクアップしていきます。
いつもとは違う自分の姿を鏡の中に見つけた時の、恥ずかしそうに喜ぶ表情がメイクの可能性を語っています。
ただ、やはり男の人にしかできないことがあると語る彼女たち。でもメイクをした後の方が、少しポジティブに考えが向き始めます。
「メークだけじゃ変われない。けれど、メークは力をくれる。」という最後のインテグレートからの本音と想いが心に刺さります。
ブランドを、メイクを、本気で愛しているからこそ作れるコンテンツだなと思います。また、資生堂が取り組む“メイクをきっかけに世界の女の子を支援する”社会活動の紹介にもなっています。好感しか持てません!
しかもこのコンテンツ、資生堂のYoutubeチャンネルにしれっと格納されているだけなんです。ただただかっこよすぎるなと。
資生堂の取り組み、素敵なものがまだまだあるのでおまけで紹介。
#1 ' 資生堂 「My Crayon Project」
#2 LuLuLun「もうまだ調査 〜肌と心は関係するのか〜 Face Your Age」
あまり知られてなさそうなものを敢えて紹介。
フェイスマスクのブランドLuLuLunが行った実験を動画にしたものです。
50代の女性たちに、「自分の年齢に「もう」か「まだ」をつけるとしたらどちらか?」という質問を投げかけます。
自分は「まだ」50代だと思っているのはたったの26.5%。それぞれの肌年齢を測ってみると、「もう」と答えた人は実年齢相応、「まだ」と答えた人は実年齢より若いという結果に。
その差はなんと平均-8歳!
この結果を知った参加者たちは、その後、全員が「まだ50代」と宣言し直します。その時の顔が、少し晴れやかな表情になっています。
「年齢なんてただの数字だから、自分の肌は自分で決めよう」という情緒的価値を、実験データ(事実)という強い情報がうまく強調してくれているなと思います。そして、「まだ50代」とポジティブな気持ちを持つ味方として、ブランドがあるところまでつながっています。
#3 Dove「リアルビューティーID|本当の美しさを閉じこめないで」
これは、1つ目、2つ目より広告として費用をかけて配信されてた動画。
証明写真入りの学生証を受け取った女子高生たちは、自分の写真を見て、自分のコンプレックスを語ります。好きなところを聞いても、嫌いなところの方が次々と思い浮かぶ彼女たち。
そんな彼女たちに、写真を撮り直すことが告げられます。2回目の撮影の時、写真を撮る前に見せられたのは、友だちからのコメント。自分が思ってもなかったところをポジティブに語ってくれている友だちからの言葉を聞いて、表情が明るくなります。
撮り直した写真は、1回目とはまるで別人。素敵な表情に仕上がります。
「自分をもっと好きになろう」というとてもシンプルなメッセージなのですが、考え方が人を美しくしてくれるのだとポジティブな気持ちになれます。
クラスメイトとして、多様な顔立ちの方を選んでいるところにさらに共感が持てます。
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美容系商材は、スキンケアなど情緒的価値や、ブランドの世界観に共感してもらうことで、手にとってもらう商品が多いです。だから、こんな風にただ単に商品の機能的価値を訴求するだけではないコンテンツがたくさんブランドから発信されています。
なにより、女性をはじめ、美しくありたいと思う人たちの人生をハッピーにしたいという想いから作られたブランドや商品たちなので、その思想が広告コンテンツにも反映されています。
こんな風に考えるとハッピーじゃない?という提案が、ブランドによって少しずつ軸が違うのも面白いポイントです。ブランドの個性や、商品の特徴とよくリンクしています。
また、今回紹介したコンテンツの中で表現されている、絶妙な表情の変化というのは動画だからこそ伝えられるものだと思います。
そこが、広告と動画の面白さです。