眠り姫は病気でした
どうも、お久しぶりです。
久しぶりの割に、強めのタイトルに仕上げてしまいました。
昨日、「世界仰天ニュース」という番組で”ナルコレプシー”について放送され、勇気がもらえたのでnoteを更新したいと思います。
ナルコレプシー (narcolepsy) あるいは日本語で居眠り病(いねむりびょう)とは、日中において場所や状況を選ばず起こる強い眠気の発作を主な症状とする睡眠障害である。(Wikipedia から引用)
『知って欲しい。』
ただこの想いだけで書いていくよ。
そんなに身構えて読まないでね。
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教室に必ず1人は居る。
”毎回授業で寝てる子”
これ、わたし。
入学したてにも関わらず、高校でも大学でもすぐに名前を覚えられる。
つけられるあだ名は、お決まりと言っていいほど。そう、
眠り姫
今だから堂々と言えるが、
全校集会や学年集会後になんども体育教官室に呼び出されたり、
私1人のせいで、先生が教室を出て行って授業が中断したりしたこともあった。
毎回泣きながら謝るわたし。
教科担当の先生から呼び出されは怒られ、
担任の先生にも話が行きまた怒られ、
部活の顧問の先生にも話が行き、また怒られる。
常にこのサイクルなのだ。
1度で3度楽しめるって、なんてお得なんだろう。
あゝ、話に戻ろう。
”授業でいつも寝る子”のわたしは、毎日みんなが懸命に受ける授業では寝て、みんなが寝る休み時間にせっせとノートを写す。
これだけは言っておくが、別に授業を受けたくないわけではない。
意思も意欲もある。そう、ちゃんとあるのだ。
それを証明するかのように、寝ていた時間をとり戻すため、10分間の休み時間には必死こいて勉強していた。
友達からは不思議がられた。
「授業中にやってれば、休み時間は一緒にお菓子を食べられるのに」って。
うん、あたしもそうしたかった。でもなぜだかできないんだ。
友達は、いつもわたしの分のお菓子を残してくれていた。
しかし、大学生になってもこの作業は変わらず。
怒られることに加え、授業態度の点数をマイナスされていたのは後になって知った。
授業中、テスト中、実習中、所構わず寝ていた。
呼び出されては怒られた。
先生や友達にたくさん迷惑かけた。後から気付いた。
別に寝たくて寝たわけではないし、もちろん怒られたかったわけでも、迷惑をかけたかったわけでもない。
ああ、頑張りたいのにな。
なんだかうまく頑張れない。
いや、頑張ってるつもりなのにな。
きっと、所詮”つもり”でしかないのかな。
自分が自分の中にいるはずなのに。
自分が自分として表現できない。
さみしいと苦しいが混ざっている、といったところだろうか。
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・
・
大学で行われている、国家試験同様の模擬テストを受けた。
夜はちゃんと寝たし、朝の目覚めも良かった。
だから、
今日は大丈夫って思った。
今日は寝ないって思った。
私ならできるって思った。
私なら頑張れるって思った。
テストが始まって、30分程経った時
涙が出てきた。
周りのみんなは一生懸命テストを受けている。
そんな中で自分は寝ていた。
頑張ろうって決めたのに頑張れなかった。
頑張れるって思ったのに頑張れなかった。
めっちゃ悔しかった。めっちゃ情けなかった。
そんな言葉では収拾がつかない程胸がいっぱいだった。
言葉にできない何かが胸から込み上げ、涙として溢れ出てきた。
この”何か”の行き所が見当たらなくて苦しかった。
自分で招いたコトだからなおさらだ。
慰めてもらいたかったわけではない。
だけど、
誰かにこの感情を伝えたかった。
だけど、
この感情を抱えていることを知られなくなかった。
ああ、矛盾だらけだ。
「睡眠障害じゃないの?」
という高校の顧問の先生
「何かの病気の副作用かもしれないから、内科に行きなさい。」
という大学の学科長
しかし、
”病院に行く”っていうのはかなりハードルが高かったし、わたしは病気なんかじゃないって本気で思ってた。
部活が忙しかったし、朝課外だって毎日あった。眠くなる要因はそこら中にたくさんあった。でも大学生になったらそんな理由もなくなった。
怖かった。
自分をちゃんと知りたくなかった。
ずっと元気パワフルハッピーももちゃんでいたかった。
言いたくないけど、きっとこれが本音だと思う。
先ほどのお二方の言葉が数年・数ヶ月経って、
そんな私の背中を少しずつ押してくれた。
ようやく、睡眠専門の病院に行けた。
同じような人が、私以外にたくさんいるって知れただけで、涙が出るほど安心した。
ほっとした。
と同時に早くこの場所を知りたかったと思った。
数日後に1泊2日の睡眠の検査をした。
結果が出た。
特発性過眠症
ああ、わたし病気だったんだ。ちゃんとした病気だった。
怒られていた自分は、自分だけど自分じゃなかったんだ。
自分が自分をうまく表現できなかったのはこの子が私に住み着いていたからなんだ。
不思議と、病気である自分に安堵した。
特発性過眠症(とくはつせいかみんしょう)とは、持続性あるいは反復性の日中の過度の眠気の発作を主症状とする睡眠障害の一種である。そもそも特発性とは、原因が判明していないことを指す言葉であり、特発性過眠症の原因は判明していない。(Wikipedia から引用)
自分を認めてもらえた気がした。
自分だと思ってた自分が、
自分じゃなかったんだと言葉として証明してもらえた気がした。
ずっと自分は”怠惰な性格”なんだって思ってた。
違ったんだ。よかった。
今まで否定されていた自分の皮が剥がれていくような感覚だった。
”病気”って言葉を伝えるだけでなかなかのエネルギーを使う気がする。
だから、それを軽減させるために、笑いながら伝えることしかできない。
「自分自身を重く捉えて欲しくないけど、過眠症を軽く捉えて欲しくない。」
なんて我儘なんだ。
でも、苦しかったことは変わらない事実なのだ。
だから、密かにこのnoteに想いを綴っている。
元気なのに心配されるのは嫌だ。
元気なのに病気だっていうのは面倒くさい。
これに尽きる。
そしてこの世の中、知られていない病気や見えにくい病気が色々あるのだと身を以て感じた。
それが直接死に関わるものじゃなくても、心を傷つけちゃって間接的に死に関与していくんだなって。
それってめちゃめちゃ怖いことだなって思った。
だからこそ知ってほしいって思った。
睡眠障害は、眠れない”不眠症”と寝すぎてしまう”過眠症”があること。
何と言っても、寝ちゃうのって良いイメージ持たれないんだよね、うう。
学校の先生や親御さんにはもちろん知ってほしいし、
自分の睡眠が気になってる人にも届いてほしい。
その子の性格だって決めつけずに、少し疑って欲しい。選択肢を与えてほしい。
自分をちゃんと把握するって本当に大事。
一人じゃないって、自分だけじゃないって、こんなにも安心するの。
授業中に気付いたら寝ている。
立って話を聞いている時に寝ている。
審判をしながら寝ている。
お風呂の中で寝ている。
ご飯を食べながら寝ている。
映画を見ながら寝ている。
講演を聴きながら寝ている。
これ、私は普通だと思ってたんだけど。
みんなは違うの?
TVで取り上げられて驚いた。普通じゃないんやなって。
どれだけ緊迫した状況にも関わらず、気付いたら寝ていた。ということがほとんどなので、
「度胸あるね」って尊敬の目で見てくる人も居たし、
「また寝たの!?」って呆れられることも多かった。
そして、よく現実と夢が混ざったりする。あれれ
この話を友達にしたら、すでに同じ悩みや症状を抱えてる人を見つけたの。知るだけで心が軽くなるし、薬も処方してもらえるからぜひいろんな人に届いてほしいな。
特発性過眠症は原因もわかっていなくて治らない病気だけど、うまく付き合ってコントロールしていけるようになるんだー!
薬を飲まずともみんなと同じように過ごすことができるのが理想。
「眠いのはみんな一緒だから…」
「やる気の問題だから…」
こういう言葉をかけられたことある人、そして少しでも気になった方がいたら、
・反復睡眠潜時検査(MSLT)
・24時間睡眠PSG
この1泊2日の2種類の検査ができる病院に行くのがいいかと思います。
もっと早く病院に行ってたら…と思うとキリがないし、それに関していろんな想いはありますが、こうやっていろんな方と出会えたから今にとても感謝しています。
そして、いっぱい怒ってくれた先生たちに、なんども起こしてくれた友達に、嫌な気持ちさせてごめんねって謝りたい。
怒ってくれてありがとうございます、そしてごめんなさい。
いつも通りの朝。
昨日もらった薬を水で流し込み、早歩きで駅のホームへ向かう。
なんだか体が軽い。
頭の中がいつもよりクリアで、色彩がはっきりしている。
電車に揺られながら本が読めた。
講演会のお話を最後まで聞けた。
授業の板書が間に合った。
みんなは当たり前にできていたことかもしれないが、わたしにとってはすごくすごく嬉しくて幸せで、生まれ変わったようだった。
わたしは生まれたての小鹿のように走り回る。
いや、ここはスキップでも良いな。
これからの人生が、もっと楽しみになった。
ストーリーはこれにて終了です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
”自分の弱さを認められる人はかっこいい”
誰かがそんなこと言ってたんだ。
だから、素直に言葉を綴った。なんか大学生っぽいよね。
自分のことを、自分の言葉で表現できる人でありたいな。
たくさんの人に届きますように。
みんなの未来が少しでも色づくように、、、
ももちゃん