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天才物理学者の勉強法はあたりまえのことでした。
最初からはじめて、わからなくなる所まで読みなさい。
わからなくなったらはじめから読み直し、
全部わかるまで何度でも読むこと。
ノーベル物理学賞受賞者であるリチャード・ファインマンが、
妹ジョーン・ファインマン(天体物理学者)に語った言葉です。
当時、すでに物理学者となっていたリチャード・ファインマンは、
天文学を学ぼうとするジョーンに、
「この本よかったから、読んでみたら?」
と持っていた専門書をこっそり渡します。
先ほどの言葉を添えて。
ジョーンはそれを実行し、その後、天体物理学者になることができました。
ファインマンのアドバイスは的確でした。
我々がこのメソッドを使う際は、
しっかり構成された、すでに評価のある本であることを
確認する必要はあります。
※ わたしたちにはファインマンさんがいないのですから。
アマゾンでレビューを見て、
ブログでも高評価。
このような本を買ったとしても、
本や情報が溢れる、わたしたちの現代では、
"わからなくなったら別の本"と
していませんか。
道に迷っても、そのまま進んで、さらに迷う、
なーんてこと、わたしはしょっちゅうです。
「わからなくなったら、はじめに戻る」
シンプルで強力な方法です。
しかし、忘れがちでもあります。
さて、このエピソードは
で知りました。
※ 伝記とはいえ、先のエピソードは史実ではないかもしれません。
リチャード・ファインマンのマンガ伝記であるこの本で、
リチャード・ファインマンが青年期から亡くなるまで、
その業績・その人生を知ることができます。
専門的な知識がなくても読めるように配慮されています。
※ むしろ、専門知識の解説はほぼ出てきません。
原作はバンドデシネっぽい漫画なので、かなり密度が濃い漫画です。
生涯にわたるエピソードが豊富に載っており、
ノーベル物理学賞にいたる研究、
ロスアラモス国立研究所(マンハッタン計画)での生活、
チャレンジャー号事故の調査員としての顛末、
も書かれています。
名著「ファインマン物理学」(リンク先はamazon.jp検索)で起こったファインマンの後悔についても載っています。
ファインマン自身は「ファインマン物理学」を、後々にあのように感じていたなんて意外でした。
巻末にリチャード・ファインマンの関連図書(専門的でない)が、網羅的に載っています。
このリストは、リチャード・ファインマンをより深く知るのにも役立ちます。
有名な「ご冗談でしょう、ファインマンさん」も、もちろん挙げられています。
ところで、著者であるJim Ottavianiさんは
Hawking,著 Jim Ottaviani & Leland Myrick & Aaron Polk,2019
も書かれています。
残念ながら翻訳書は出ていません。
また、
Einstein,著 Jim Ottaviani & Jerel Dye,2022/11/15
が出版予定のようです。
楽しみです。
「マンガ はじめましてファインマン先生」では、
ファインマンさんがさまざまな教訓を語りかけてくれます。
他の連中のやってることなんか無視して
自分だけの仕事をやるべきなんだ。
DISREGARD(無視せよ)
こう言っていただけると、安心しますよね。