[理論物理 院レベル]マルチバースに関する重要論文ー野村泰紀『マルチバース宇宙論入門』から
を読んでいました。
最近、野村泰紀さんをYouTubeなどでよく見かけます。
というか、引っ張りだこですよね。
マルチバースに関しては、つぎの動画が時間が長く、その奇想天外さをたっぷりと語ってくれています。茂木さんは東大物理の出身ですから、さすが、鋭い視点で野村泰紀さんへ切り込んでいます。
そして野村泰紀『マルチバース宇宙論入門』を手に取りました。
アマゾンでは、なぜか書籍版がプレミアついてますね。(2024/04/01時点)
巻末の参考文献にプレプリント版URLが挙げられていた論文
※ プレプリントとは「正式な査読を受ける前の段階で、オープンアクセスプラットフォームに登録・公開される学術原稿」
粒子ダークマターの現状
インフレーションの粒子理論モデルと、宇宙の構造の起源であると考えられる原始的密度ゆらぎに関する予測について
われわれの宇宙が出来すぎていることについて
ストリング・ランドスケープに関して
"ストリング・ランドスケープ"とは、超弦理論による帰結の一つとして、異なる物理法則をもつ小宇宙が膨大($${10^{500}}$$個?)に存在しえること。
マルチバース理論の歴史。Linde氏はその考案者の一人。
野村泰紀「科学者と哲学者のある交流」「KavliIPMUNews』Vol.35、2016年、45-47頁
マルチバースの無限大に関して
マルチバースと最子力学的多世界が同じであることについて
書籍のリンクを、せめて
横書き(数式と英字は図扱い)
欲をいえばQRコードも
にしてもらえないだろうか。見にくくて仕方がない。英字を縦書きになんとか記述する、これは日本語書籍で100年以上続く困難ですね。
上記の論文(プレプリント)以外に挙がっていた書籍
ノーベル物理学賞受賞・鬼才ワインバーグ 先生による初期宇宙論。原著は1977年。すこし古めだけれど、有名な名著です。
こちらもノーベル物理学賞受賞・天才 南部陽一郎 先生による素粒子論(一般向け)。第1版は1981年、第2版は1998年、出版後およそ20年を経ても、いまなお読みつがれる名著です。
Edward Kolb, Michael Turner,"The Early Universe (Frontiers in Physics)",1990
初期宇宙に関する専門書(らしい)。円安め。。。
Michael E. Peskin,"An Introduction To Quantum Field Theory"
理論物理学 院生必読の場の量子論の教科書です。
John D. Barrow,Frank J. Tipler,"The Anthropic Cosmological Principle",1986
「われわれの宇宙が出来すぎていることについて」の専門書。"anthropic principle"とは「人間原理」を意味します。
ChatGPTによる概要
人類の宇宙における意義は何か。コペルニクス以来、科学者たちは人間を創造の中心に据えた高い位置から徐々に遠ざけてきました。しかし、最近では驚くべき新しい概念が発展し、人間をより特別な位置に置くことになりました。それが人間中心宇宙原理として知られるもので、それは宇宙の基本的な構造が知的観察者の存在によって決定されるというものです。すなわち、宇宙はあるがままであるのは、もしそうでなければ観察者は存在しないからです。最も過激なバージョンでは、人間中心原理は「知的情報処理は宇宙に存在しなければならず、一旦存在すると消滅することは決してない」と主張します。 これは革命的な理論的概念以上のものであり、人間が物理現象を理解する方法に根本的な変化をもたらす強力な予測ツールとして利用できます。この画期的な研究は原理の多くの側面を探求し、アリストテレスからZボソンまで人類の探求の全スペクトラムをカバーしています。章では生命の定義や性質、地球外知的生命体の探索、観察者の存在と量子理論の解釈などが扱われています。この本は哲学者、神学者、数学者、科学者、歴史家、そして星雲の中の小さな惑星での生命の存在と宇宙の星や銀河の広がりの間に何らかのつながりがあるのかと考えたことのあるすべての人々にとって重要な関心事です。
超弦理論の入門書(一般向け)です。定番です。
一般向け量子力学の入門書。こちらも有名です。ビックバン理論を発展させたことで知られる理論物理学者ガモフは、文学的才も与えられていました。
さらに参考文献(和書&宇宙論の専門書)
Barbara Ryden,牧野伸義(訳)『宇宙論入門(原著第2版):宇宙の力学からインフレーション、構造形成まで』
原著"Introduction to Cosmology"はチャンブリス天文学賞(Chambliss Astronomical Writing Award)を受賞(2006年)。一般相対論を使わない程度に、高度すぎずに網羅的な専門書。
宇宙論II 第2版,宇宙の進化,(シリーズ現代の天文学 第3巻),日本評論社,2019
もっと評価されていい、日本の学者さんによる宇宙論シリーズ。
ブルーバックス以上で、専門書未満〜専門書レベル。インフレーション理論を数式で説明しています。
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