美味しい朝
熱中症以来スッキリした朝が来なかった。
自身の不摂生と年齢を嘆きながらの朝を迎えていたが、昨日の朝あたりから身体は普通に動き出した。
まずは老猫ブウニャンの水替えと餌やり、トイレの様子を見て冷蔵庫をのぞいた。
食パン二枚をトースターに放り込み、キャベツの千切りをフライパンで炒めながら玉子を二個溶き塩コショウする。
キャベツを端に寄せて玉子を焼く。
硬めの半熟である。
焼けたトーストにはマヨネーズ、キャベツと玉子焼きを挟んで出来上がり。
普通の朝が戻り、普通の日常が始まった。
量は元に戻らぬものの、元に戻さなくとも構わないと思っている。
それで普通に生きて行けるならば、何も考える事はない。
バカのように丈夫なカラダを過信しすぎてここまで生きて来た。
きっと誰かが諭してくれたのであろう。
食べて美味さを感じる当たり前、飲んで酒の酔いを感じる当たり前、過ぎたるは慢性化してしまった無感しか残してはくれない。
キャベツを食べてキャベツの甘味、玉子を食べて玉子の甘味、パンとマヨネーズの旨味と合わさったサンドイッチの美味さがわからなければならない。
当たり前の普通が戻った。
美味しい朝が帰って来た。