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日記のような、びぼーろくのような 『2025.2.19 京都西山大原野のカレー』
阪急京都線洛西口駅に降りると歩道には雪がまだ残っていました。明け方にだいぶ降ったとのことでした。日影は道路が凍てついたままで、洛西ニュータウンのなかでは凍結道路の走行に慣れない車の事故を続けて見ました。
京都市営バスがガードレールに突っ込む自損事故、乗客降車中に軽自動車の追突事故、単車のスリップ横転が三台いずれもおばちゃん。
私はコケることなく10㎞を電動アシストで自走し事務所に着きました。
午後の理事会前に地元のお姉さま方とカレーとポテトサラダを作り、事務所にいた皆さんとともに食事をしました。多くのボランティアの方にも寄っていただける食事会をこの先計画していきたいと考えています。
大京都市内でありながら、人口減少の著しいこの洛西地区には大きなニュータウンがありますが、寄り付きの公共交通手段がバスしかない非常に不便なニュータウンです。
少なからずの難しい理由があったとは思いますが、当初計画していた地下鉄の延伸がいまだなされてないことに行政に向かって腹を立てないこの地区の皆さんは優し過ぎるように思います。
理事会では来年度の事業計画の説明となりましたが、本業の荒廃放置竹林整備に加えて、今年度に引き続いての京都市・文化庁主導の「竹あかり事業」、その他の事業があり、また大変な一年となりそうです。
人間の手で植えて増やした竹林を人間の都合で整備できなくなり荒廃させてしまったのが現状の姿である荒廃放置竹林です。
難しさは竹林所有者の高齢化ばかりではありません。竹林の所有権の整理が簡単ではないことに原因の一つはあります。日本のどの地域でも抱える悩みです。この西京区では京都市の担当者の皆さんの尽力で竹林所有者と契約を結び荒廃放置竹林を整備し、管理竹林に変えてNPOがその管理を請け負っています。
京都市内620haの竹林の2/3がこの大原野地区に集中しています。そのほとんどが荒廃放置竹林でしたが、あと5年この事業が続けば西京区の放置竹林は無くなります。たぶん全国で初めてのことであり、非常に意義のあることです。
地道な事業を行なってきた理事長には頭が下がるばかりです。行政マンだったからか、もともとがそんな性格なのか分かりませんが、考えは広範囲に広がっています。竹林の整備だけではなく、そこに住む住民のことを考えています。
人口減少に伴いながらも都市部への人口集中は続き、京都市なのに過疎化の足音が聞こえるこの大原野地区の問題は日本の各地にある問題でしょう。何かをきっかけに変えていかなければ取り返しのつかないことになっていくことは、誰もが分かっていることでしょう。でも、どうすればいいのか分からないから出来ないのであろうと思います。
時間がかかってここまで来てしまったことを、すぐに変えることはできないでしょう。また時間をかけて変えていかなければなりません。そのためにはまずは現状を知り、問題意識を持つことなんだろうと思います。
スーパーマンはこの世にはおらず、普通の人間が皆で考えより良い街を地域を作っていくより方法は無いでしょう。
今の私に出来ることは、今以上に誰もが寄りやすいNPO事務所にすることです。考えながらこの先も今を続けていこうと思っています。この地区の住人ではない私ですが、人生をかけている理事長へのこれまでの恩返しです。
気がつけば、私は高齢者に近づき、一般的に言う『古いタイプの人間』なんだろうと思います。私のような人間も必要なんじゃないかなと思いながら薄い雪化粧の西山を仰ぎながら自転車で帰路につきました。
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