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夏休みのごはんと雑記 後編(アレルギー負荷試験と懺悔)

8月15日
夏休み7日目

この日、1年ぶりに長男が食物アレルギー負荷試験を受けることになっていた。
負荷試験を受けるのは1年ぶり2回目。
去年は牛乳0.5cc×2回でアナフィラキシーを起こし、日帰りの予定が1泊入院になってしまった。

湿疹や赤み、痒みだけでなく、嘔吐や呼吸症状といった複数症状が現れることをアナフィラキシーといい、さらにそこから血圧の急低下や意識障害もでた状態をアナフィラキシーショックと言う。
長男は0歳の頃にアナフィラキシーショック状態になったこともあり、かなり重い乳成分アレルギーだ。

ただ、先日受けた血液検査ではアレルギーの数値は1年前と比べるとかなり改善していた。
身体の成長により改善しているのかも、と少し期待していた。

その日の朝、「今日は病院に行くよ」と告げると、長男は「なにされるのよぉ」と瞬時に泣きそうな顔になった。
両親の緊張感から何かを察知したのだろう。
先日受けた予防接種には行き渋りもせず、注射を打たれても泣かなかった子が、今日は嫌がっている。

「乳成分をね、食べられるようになるために、検査をしなくちゃいけないの。乳成分食べれるようになりたいでしょ?頑張ろうね。」
今あまり怖がらせたくない、という思いから、「注射するかも」「痒くなったり、苦しくなるかも」とは明言できなかった。

長男は理解したのかしていないのか分からなかったけれど、その後はすんなり身支度を終えて出発してくれた。
私は双子とお留守番。夫が去年に引き続き同伴してくれた。

試験の予約は9時40分。
家事をしたり双子のお世話をしたりしながらも、試験の様子が気になってチラチラ時計や携帯を確認して過ごした。
10時30分頃双子たちが朝寝を始めて、一息ついたとき、ちょうど夫からラインが入った。

「0.5でストップです😭」
「いまプレイルームで咳き込んで、ごほごほ涙ぼろぼろ吸引器したところ。」
「そして処置室につれていかれました😢」

まさかの0.5ccでストップ。
そして呼吸が苦しくなって泣きながら処置を受けている姿を想像すると、本当にかわいそうで、かわいそうで。

また5分くらい経って、夫から送られてきた痛々しい息子の様子に、胸がぎゅーっと苦しくなった。

「いーやーやーーーーーって声が廊下の奥から聞こえる…😢」
「注射されてるのかも…いま僕は、個室で待機中」

何もしてあげられない。
そばにもいられない。
そしてこんな目に遭わせると決めたのは私たち親なのだと思うと、居た堪れなかった。

長男は薬の吸引とエピペンの注射、点滴治療を受け、1時間後には落ち着いた。
12時30分頃には病院で出してもらったご飯もしっかり食べられた。
ビデオ通話でごはんを食べる姿も見れて少し安心したけれど、点滴を固定していてカトラリーが待てず、夫に食べさせてもらっている姿はやっぱり痛々しかった。

そして1泊の入院は免れたけれど、念の為18時まで病院で過ごすことになった。
昼過ぎからは夫がひたすら個室で長男の相手をしてくれて、タブレットで動画を見たりおりがみをしたりして過ごしたらしい。
最近はお昼寝をしない日の方が多いのに、珍しく長い時間お昼寝もしたそうだ。
たった0.5ccの牛乳が長男の身体にとってはどれだけ大きな負担なのか、改めて痛感した。

18時頃に主治医から帰宅OKが出た後も、支払い手続きなどで遅くなり、結局家に着いたのは19時過ぎ。
病院にいる息子に夕飯は何を食べたいか聞いたら「ハンバーグっとピッザァ」ということだったので、そうした。
長男が、ピザを食べたいと思える体調なことがありがたかった。

長男、もりもり食べてくれました。画像はごはんアカウントのストーリー。

ちなみに、朝は米粉パンとヨーグルト。昼は納豆ごはんを気もそぞろに食べた。

8月16日
8日目

朝ごはんはホームベーカリーで焼いた乳不使用のパンと、バナナ豆乳ヨーグルト。

こうやって、乳成分を除去してもそれなりに美味しいものは食べられる。
だったら、もう数年は負荷試験はしないで完全除去を続けてもいいんじゃないかと思ったりもする。
でも、それだと何か事故があったときが怖い。親の目を離れてお友達からお菓子を分けてもらうような年頃になる前に、アレルギーを克服させてあげたいとも思う。

また半年くらいは完全除去のまま様子を見ることになったので、それまでしっかり、これからどうしていくのか夫婦で考えたい。
そして次回は、ちゃんと長男にも「痒くなるかも」「注射もするかも」と話してから、病院に連れて行けたらいいなと思う。

と、深刻なトーンが続いてしまったけれど、当の長男は朝起きた瞬間から絶好調だった。
数日前から軽く咳をしたり鼻水が出たりしていたのも治ったようで、朝から飛び跳ね、ひたすら喋り続け、健康優良児そのもの。

エネルギーを持て余していたので、この日もまた、家族5人で子育て支援センター的なところへ出かけた。
体育館もプールもあって、屋内の冷房が効いた部屋には玩具もたくさんあるのに、すべて無料であまり混雑もしないという、夢のような場所。
もう新しい公園や自治体の子育て支援アプリなんかはいらないので、こういう屋内施設が増えてくれたらいいのにと思う。

昼は前日夜にピザに乗せた煮込みミニハンバーグをきのことにんじんとハムのピラフに添えた。

ザ・家庭料理って感じの名もなきご飯

夕方はショッピングセンターへ。
長男と夫はおもちゃ売り場で待っていてもらって、双子ベビーカーで食料品の買い出し。
子ども3人をベビーカーやカートで運びながら買い物した品物も運ぶと、すごい大荷物で笑える。

夜ごはんはたこ焼き。
キャベツをどっさり、3分の1玉は入れた。長男のものは、たこを嫌がるので魚肉ソーセージ入り。

乳成分の入ってないやつだと、昭和産業さんの「おいしく焼ける魔法のたこ焼き粉」が美味しくて丸めやすくて好きです。


8月17日
9日目

朝ごはんはパンの耳で作ったフレンチトーストと、バナナヨーグルト。
双子にはいつも食パンの耳を切り落としてから食べさせているので、その残りものを冷凍しておいて、溜まってきたらフレンチトーストにする。
今日は豆乳にバニラエッセンスを数滴落とした液に浸して焼いた。
意外と卵を入れずに作っても美味しい。

朝食後、長男は夫とスイミングへ。
双子と私はお留守番。
双子たちがたくさん汗をかいていたので、お風呂で水浴びをした。
いつもお風呂は夫と協力して順番に子どもたちを受け渡しして服を着脱させているので、すっぽんぽんの双子が並ぶことは珍しい。

はぁん、なんてかわいいのぉ。
浴槽につかまって並ぶ双子のおしりがかわいくて、思わず笑みがこぼれた。
2人は肌の色も、おしりの形も、おなかの触り心地も、何もかも違う。
並べて見るとより一層、どこもかしこも似ていなくて、でもそれぞれのすべてが愛おしくて、なんてかわいい生き物たちなのだろうと惚れ惚れしてしまう。

シャワーの水しぶきを掴もうとする姿や、シャンプーのポンプ欲しさにおしりを上げ下げ屈伸する姿。水を被って少し泣きそうになったあと、目があってにっこり笑った顔。
そのどれもが可愛くてたまらない。
いつものお風呂でシャワーを浴びただけのことなのに、とっても心が満たされた。

昼はそうめんと昨日の残りのたこやきと、長芋と鶏団子の塩煮。
実はずっと、実家帰省したあたりからお腹の調子がいまいちだったのに、無視して食べ続けていたらついに本気で痛みだした。
一昨日くらいからは、家族と同じものを食べつつ、いつもより量は減らしていたのだけど、あまり意味がなかったらしい。(そりゃ、ピザにハンバーグに、たこやきだもんな)

ということで、ついに観念して家族とは別メニューに。私は長芋の温かいお汁にそうめんをつけて、お腹を休める作戦にでた。

夫と長男は冷たい麺つゆにつけたそうめんとたこ焼きを食べた。

しかし、このあと、お腹の痛みがなくなったため、最大の調子乗りをしてしまう。

はい!ケーキ!!!食べました!!!!!

えっと…ですね、これはですね、義両親が昼過ぎから長男を子守りしてくれることになりまして、え、じゃあ夫婦お気に入りのケーキ屋さんのケーキ、せっかくのお休みだから食べたいね!って、なりましてね。ほら、長男いるところではお店の乳成分入りのスイーツ食べられないじゃないですか…だから急に訪れたボーナスタイムに、浮かれまして…だって滅多にない機会なんでね…で、はい。欲望に負けまして。食べました。ええ、レアチーズケーキを。

おいしかったーーーーー!!!!
(いつもはカフェラテを一緒に飲むところですが、お腹のためを思ってホットストレートティーにしました。一応。あとチーズの方がチョコ系より優しいかな?って思って、レアチーズケーキにはしたんです。はい。)

で、ご想像に容易い展開だと思うのですが、この後完全にお腹を壊しました。
決定打をうってしまいましたね。自業自得の極みです。(つい懺悔の気持ちから文体変わっちゃった。戻します。)

夕方は子どもたち3人の散髪。
1~2か月に1度、夫がバリカンでカットしている。3人そっくりな、いがぐり頭になった。
上2人はツンツン立ち上がる固い髪なのだが、三男だけはサラサラな髪質。
ずっとこの子だけは前髪を作っていたのだけど、暑そうなのでバッサリ切った。
結果、長男いわく、「かわいくもないし、かっこよくもないよ。はやくのばしな。」とのこと。辛辣ぅ。

夜ごはんは、私はお腹がめちゃくちゃ悪化したのでお粥。
家族は鶏飯と蒸し野菜にした。
お腹はすくので、何かしらは食べたいのだけど、本当はこういうとき断食したほうがいいのかもしれない。

ストーリーではケーキを食べたことに全く触れませんでしたが、やっぱりどう考えてもケーキが良くなかったと反省してます。

その夜、もはやお粥も食べないべきだったなと思う程の腹痛に襲われ、10代の頃から同じような目に何度あっても懲りていない自分にうんざり。
でも多分、一生こんなんなんだろうなって予感もしてる。

8月18日
10日目

朝ごはんは私はお粥。
夫と子どもたちはオートミール入りのパンケーキとバナナヨーグルト。

連休最終日は岐阜のツナグテという子ども向け施設へ。
夜に何度もトイレに篭ったのに、車で遠出。我ながらチャレンジング。

でも家族の連休最終日を私の体調不良で台無しにはしたくない。
夜から朝にかけて、出し切ったから大丈夫だろ…(何をかは察して…)とフラフラ車に乗り込んだ。

道中、何かスマホで作業したいと思っていたけれど、気がつくと寝ていた。
寝ていたおかげで少し体調が回復。到着してからは腹痛もなく、ツナグテの遊び場を家族で楽しめた。

ツナグテは大人1人500円。遊具やおもちゃがたくさんあって、仕切られた赤ちゃん向けのスペースもあるので、0歳も3歳もそれぞれ思いっきり遊べて良かった。

昼は夫と長男はモスバーガーをテイクアウト。モスは低アレルゲンメニューがあるのがありがたい。
双子は持参した離乳食。私はとろろそばを買ってきて、遊び場の隣のスペースで食べた。

その後は遊び場に戻ってまた少し遊んでから、近くで開催されていたサンデービルヂングマーケットへ。
たまたま見つけたドイツパンのお店で乳成分不使用のパンを買えたり、偶然知人に会ったり、ラッキーが続いた。
楽しかったけれど、この日は本当に暑くて、大人も子どもも顔が真っ赤に。
もう限界だ…と車に戻ると駐車場から日陰が消えていて、車内はサウナ。座席に座れば岩盤浴状態。
子どもたちに水と塩分(小魚せんべい)を与えつつ、エアコンを最大出力でかけてなんとか凌いだけれど、危ない暑さだった。

そこから帰路はまた、ほとんど寝てしまった。移動中にお腹を下すのが怖くて水分をいつもより控えていたので、暑さにやられて頭痛が酷かった。

帰宅したころにはまた結構回復していたので、急いで夕飯準備を…と思ったら、冷蔵庫のパネルが、見たことのない表示になっている。ざわ…故障…?なのか…?

いつもは温度が表示されているのに…ざわ…ざわわ…

調べたところ、「霜取りセンサー・基板等の霜取り関係の部品に問題が生じている可能性がある」とのこと。
庫内は特に問題なく冷えているけれど、ネットで調べると同様の表示が出るともう故障寸前ということらしく、修理不可。そのうち冷えなくなるらしい。

この冷蔵庫、私の実家から譲り受けたものなので、なんと2001年製。いつ壊れても納得の古さ。よく頑張ってくれている。
しかしこの真夏に、冷蔵庫が急に壊れたらと考えると恐ろしい。頑張ってストックした離乳食、買ったけど腹痛で食べられていないアイス、どうか無事でいておくれ…!

ということで、この日の夕飯は冷蔵庫と冷凍庫のものをなるべく消費しようとした献立となった。

腐りやすそうな豚バラ肉とししゃもをまずは消費!

残念ながら私は引き続きお粥。あごのだし塩をかけたお粥は本当においしいので、おすすめ。

あごのだし塩はスープにしても美味しい。

そしてその夜、ようやく保育園グッズの刺繍をやり終えた。
相変わらずギリギリ。
小中学生の頃も、夏休みの宿題は絶対最終日に何かしら残ってるタイプだった。

小学生の頃、最終日の夜にマリーゴールドの観察絵日記が最初の3日分くらいで終わっていることに気づいて、もう枯れて萎れた茎と葉が残っているだけの鉢植えの前で絶望したことを、この歳になっても思い出す。
あれよりはマシ。少しは成長してる、はず。(マリーゴールドは想像で残りの絵と文を書いた。バレなかった、はず。)

そんなこんなで夏休みは終了。
10日間、長かった。
思い返せば、春休みも長くて約2週間まともに登園できず、そしてその後半も私は体調を崩していた。
もう32歳なのに、学習できていない。
長期休み育児頑張ろう→しっかり食べるぞ→胃腸疲れる→無視して旅行や帰省で食べ続ける→悪化→崩壊の道を4ヶ月を経て全く同じようになぞっている。

好物を食べ続けている長男に「お腹痛くなっちゃうからもうやめときな」と声をかけることがある。どの口が、と思う。
ある時は、「遊ぶ前にやることやっちゃおう。歯磨きが先だよ。」なんて言ったりもする。よく言えたものだ。
未熟な人間が育児をしてるんだってこと、忘れちゃいけないなと思う。

余談だが、冷蔵庫は翌日19日に買いにいったところ、21日自宅着と言われた。
今(20日)は商品のホームページに書いてあった「コンセントを抜いて10分以上経ったら差しなおす」という方法でなんとかエラーが出たり消えたりを繰り返して庫内は冷やされ続けている。

私はまだアイスを食べられるほどは回復していない。
冷凍庫に残っているジャイアントコーンを溶かすリスクを抱えながら、でも夫に食べちゃっていいよとも言えずにいる。
冷蔵庫が壊れて溶かすくらいなら、誰かに食べられるくらいなら、もう食べちゃおうかな。と思っては、いやいやさっき反省したところでしょ、と32歳のわずかに育った理性が食い止めている。


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