すずしろ

4歳男子と1歳双子の母。滋賀で暮らしながら、在宅で児童書・雑誌編集の仕事をしています。ごはんを作って食べて、文章と絵をかくことが好き。本業をしっかり頑張りつつ、書くことも続けたくて模索中。

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4歳男子と1歳双子の母。滋賀で暮らしながら、在宅で児童書・雑誌編集の仕事をしています。ごはんを作って食べて、文章と絵をかくことが好き。本業をしっかり頑張りつつ、書くことも続けたくて模索中。

マガジン

  • レシピ付きエッセイ

    日々の生活とごはんの記録です🍚

  • 双子出産記

    双子を妊娠し、経膣出産するまでの話です

最近の記事

目覚まし代わりの中華粥(レシピ付き)

我が家の朝はゆっくり始まる。 保育園児のいる共働き家庭にしては、多分、かなりのんびりしている方だと思う。 7時10分。前日の夜に炊飯予約をしておいたお粥ができあがり、ターラーラーラーターラーラーターターラーラータラララララーター×2(曲名:アマリリス)と、メロディが流れる。 双子と私はキッチンと繋がっているリビングにマットレスを敷き、長男と夫は2階のベッドで寝ている。 メロディの音は結構長く、そして結構な音量でリビング中に響き渡るので、誰か起きそうなものだけど、誰も起きな

    • 双子出産記#8 双子が生まれた日(前編)

      出産予定日の前日。 日中はいつもと変わりないルーティンでNST検査や心拍の確認をしてもらって、夕方に主治医による内診がおこなわれた。内診台に乗り、寝転ぶだけでも子宮で内臓が圧迫されて、息が浅くなる。もう身体の限界だなぁと、つくづく感じる。とにかく早く産みたい。 入院病棟には分娩室が2つあり、ナースステーションから遠い方が入院中の診察に使われることが多い。この日もその分娩室での診察で、つまり内診台ではなくて分娩台に乗ってエコーや内診を受けた。明日もこうやって、部屋は違えど分娩

      • 一生の友達

        中高生の頃はずっと、「一生の友達」ってものに憧れていた。 何か困難を一緒に乗り越えたり、力を合わせて目標を達成したり。 物語の世界では、部活や学校行事、事件やトラブルを通して友情を育む。 マイナスがあってこそ、大きなプラスが生まれるらしい。 でも残念ながら、私にはそんなふうにドラマチックに絆を深めた友達はいなかった。 仲の良い子たちの間には楽しい思い出しかなくて、それでは一生の友達にはなれないのかもしれないと恐れていた。 ○○○ 中学校生活は私の人生の暗黒時代で、辛かっ

        • こどもが双子でよかった~と思うとき

          双子と出かけると、必ず道中で「ふたごちゃん?」と声をかけられる。 片道5分ほどのスーパーとの往復でも”必ず”だ。 1日に何度も声をかけられるので、「いやどう見ても双子でしょうよ」とそっけなく答えてしまいそうになるくらい、もう、この1年間で何度も何度も言われてきた。 そしてその次に続くのが、「大変ね~」という一言。 労いの意味も込めて言ってくれているのだと思うけれど、いつもこの一言への返答に言葉が詰まる。 「あ~大変ですね~、でも3歳差の長男のほうが手がかかるので、そちらと

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        • レシピ付きエッセイ
          1本
        • 双子出産記
          8本

        記事

          世界で3番目にかわいい女の子

          姪っ子が生まれた。 妹が、小さなかわいい女の子を産んだ。 ○○○ 私が両親に最も感謝していることは、妹という存在を授けてくれたことだ。 彼女に救われた思い出はたくさんある。 なかでも記憶に新しいのは、私が長男妊娠中のときのこと。 妊娠発覚当時、私は浅草で1人暮らしをしていた。 結婚はしていたけれど、夫は地元の滋賀にUターンしていて、お互いの仕事のために別居状態。 2週に1度くらいのペースで週末に会っていた。 1人で妊娠検査薬を使って調べて、電話で夫に知らせた。 奇し

          世界で3番目にかわいい女の子

          おにいちゃん1周年

          双子1歳誕生日の前日、夕ご飯を食べていたときのこと。 長男に何気なく、「そうだ、あっくんとちーくん、明日お誕生日なんだよ」と話した。 すると、長男の表情がみるみるうちに曇って、じっと机を睨みつけながら、 「そんなの、やだ。こもたろのお誕生日じゃなきゃ、やだ」と言った。 やったね~おめでとう!くらいの返事を想像していたので、予想外の展開に慌てる。 「えっでも、こもたろのお誕生日もあと1か月したらくるし、明日はあっくんちーくんのこと、みんなでお祝いすればいいんじゃない?」 「そ

          おにいちゃん1周年

          双子出産記#7 管理入院で得たもの

          イヤホンを耳にはめると、iPhoneに接続した合図にボロン、と音が鳴る。 この音を、去年の夏は何度も聞いた。今もこのボロン、という音を聞くと、ひたすらベッドの上で安静を保とうとしていた日々の記憶が蘇る。 ○○○ 管理入院で得たものは、まずは当たり前だけれど、安心と安静だ。 私は安静度は3段階中の2。身体を動かすのは、病棟の給水機やシャワー室への移動するときのみ。 ご飯はベッドまで運んでくれて、下膳もしてくれる。 お腹が張ってシャワーNGになった日は、助産師さんが身体を拭く

          双子出産記#7 管理入院で得たもの

          夏休みのごはんと雑記 後編(アレルギー負荷試験と懺悔)

          8月15日 夏休み7日目 この日、1年ぶりに長男が食物アレルギー負荷試験を受けることになっていた。 負荷試験を受けるのは1年ぶり2回目。 去年は牛乳0.5cc×2回でアナフィラキシーを起こし、日帰りの予定が1泊入院になってしまった。 湿疹や赤み、痒みだけでなく、嘔吐や呼吸症状といった複数症状が現れることをアナフィラキシーといい、さらにそこから血圧の急低下や意識障害もでた状態をアナフィラキシーショックと言う。 長男は0歳の頃にアナフィラキシーショック状態になったこともあり、

          夏休みのごはんと雑記 後編(アレルギー負荷試験と懺悔)

          夏休みのごはんと雑記 前編(実家帰省、記念撮影)

          長い長いお盆休みがやってきた。 保育園の希望保育期間は土日合わせて10日間。 今年は私が育休中なのでもちろん希望は出せず、とはいえ3人ワンオペは無理なので、夫も仕事を休みにしてもらった。 家族みんなで10連休。もう今後、5人でこんなにみっちり、特別な予定や旅行もないのに長期間休むことは無いんじゃないかなぁと思う。 せっかくだから、記録しておく。 8月9日(金) 1日目 朝ごはんはソーセージパンと チョコパン、カフェラテ 3ヶ月半検診で長男に弱視の疑いがあるとの診断を受

          夏休みのごはんと雑記 前編(実家帰省、記念撮影)

          明日のために、息子とパンを焼く

          私は我が子と遊ぶのが得意じゃない。 もうすぐ4歳になる長男は、遊んで!見て!こっち来て!と常に親を求めるタイプ。お気に入りはごっこ遊びで、玩具たちに台詞をつけて戦わせる。 「バーン!ドーン!ビーーーム!」「とりゃ!えーいっ!」といった感じに、我が家のリビングでは常に怪獣や悪者による襲撃がおこっている。 私は悪者役を命じられることが多く、だいたい「ギャー!やめてー!」などと連呼することになる。 しっかり遊んであげたいけれど、いまいち気持ちが乗らない。正直あまり楽しくない。 せ

          明日のために、息子とパンを焼く

          双子出産記#6 はじめて長男と離れて暮らした40日間

          2023年7月28日。 33週1日目の診察で子宮頚管が23㎜になり、そのまま管理入院することになってしまった。 あれよあれよと言う間に外来の待合室から車椅子で病棟に運ばれ、入院の説明を受ける。 4人部屋の、空いたばかりだという窓際のベッドを使わせてもらうことになった。窓が大きくて、周りに高い建物がないので琵琶湖がよく見える。街と湖の上には、眩しい青空が広がっていた。まさに、「夏休みの空」という感じ。 入院が決まった憂鬱のなか、すがすがしい景色は少し気分を上げてくれた。湖を眺

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          双子出産記#5 病院や分娩方法を「選ぶ」ことはできたのか

          ちょっと話が前後するけれど、病院や分娩方法について書き残しておきたい。 〇〇〇 まず病院選びについて。 こちらは私の場合、ほぼ選択肢はなかった。近所のクリニックで双子妊娠を確認し、「うちでも帝王切開であれば、受け入れた実績はあります」と最初は言われていた。 しかし診察の度に転院を勧められ、妊娠5か月ちょうどで紹介状をもらって大きい病院に移ることになった。特に何か母子に不安要素があったわけではなく、ただ「双子は何があるか分からないから、設備が整っている病院がおすすめ」という

          ¥300

          双子出産記#5 病院や分娩方法を「選ぶ」ことはできたのか

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          双子出産記#4 2歳長男と暮らしながら、双子の妊婦でいるということ

          長男のときと、今回の妊娠での最大の違いは何か?と聞かれたら、それはもう、「2歳児が家にいること」に尽きる。 私の場合は単胎か多胎かの違いより、上の子の有無による違いが何より大きく感じた。 まず、つわりだろうとお腹が張っていようと、2歳は容赦してくれない。具合の悪そうな母を心配してくれたことも何度かあったけど、まだ2歳。 ゴミ袋を抱えて嘔吐していたら、「おかし食べてるぅ?なにたべてるぅ?」と袋を奪おうとするくらいには何も分かっていなかった。 赤ちゃんがお腹にいることも、いま

          双子出産記#4 2歳長男と暮らしながら、双子の妊婦でいるということ

          双子離乳食の記録① 0歳5か月~6か月編

          双子たちが生後5か月を過ぎた頃から、 そろそろだな~~~ あ~~やんなきゃな~~~~ 歯も生えてきたな~~~ 寝返りもできるな~~~ スタートする条件が揃っちゃったな~~~ と思いながら見て見ぬふりをしていたこと。 そう、離乳食…!!! ついに、5か月半ば、(というか、正確に言えば6か月になる1週間前)離乳食を始めた。 とはいえ、やる気は一向に湧き出てこないので、離乳食はほぼ市販のベビーフード頼み。(以降BFと記載) WAKODOの粉タイプのものと、キューピーの瓶入りの

          双子離乳食の記録① 0歳5か月~6か月編

          双子出産記#3 安定期とカミングアウト、そしてかゆみとの戦い

          安定期に入ってからは、わりと平穏な日々だった。 とはいえ、正確に言えば双子には安定期というものはないらしい。 いつ緊急入院になってもいいように準備しておくよう言われていた。 実際、子宮頚管(子宮の入り口の長さ。短すぎると赤ちゃんが出てきてしまう)も検診のたびに少しずつ短くなり、毎回「今日こそ入院かも…」とドキドキしながら通院した。 一方で、お腹の子たちの成長はすこぶる順調だった。 双子は小さめに成長するイメージがあったけれど、うちの双子は予想以上のペースで育ち、推定サイズ

          双子出産記#3 安定期とカミングアウト、そしてかゆみとの戦い

          双子出産記#2 新春つわりスペシャル〜風邪と花粉症、副鼻腔炎を添えて〜

          年明けすぐ、双子妊娠が分かる前からすでに体調が悪かった。 年末の食べ過ぎで胃腸の調子が悪いのかなぁとも思っていたけど、今思えばこれはつわりの始まりだった。 妊娠5週目という超初期から吐き気がスタート。あれよあれよという間に食べれないが増え、じゃがりこと梅飴が主な栄養源となった。 長男の妊娠初期より症状が重くて、「2人分だから仕方ないか」なんて自分を励ましてみたりしたけれど、調べてみたらつわりの重さと多胎であることは関係ないらしい。 「上の子のときはつわりがあったけど、2.

          双子出産記#2 新春つわりスペシャル〜風邪と花粉症、副鼻腔炎を添えて〜