こどもが双子でよかった~と思うとき
双子と出かけると、必ず道中で「ふたごちゃん?」と声をかけられる。
片道5分ほどのスーパーとの往復でも”必ず”だ。
1日に何度も声をかけられるので、「いやどう見ても双子でしょうよ」とそっけなく答えてしまいそうになるくらい、もう、この1年間で何度も何度も言われてきた。
そしてその次に続くのが、「大変ね~」という一言。
労いの意味も込めて言ってくれているのだと思うけれど、いつもこの一言への返答に言葉が詰まる。
「あ~大変ですね~、でも3歳差の長男のほうが手がかかるので、そちらと比べると赤ちゃんは楽ですねえ。」
というのが本音。でもこれだと長男を落としている感じがしてモヤっとする。
「あ~大変ですね~、でも、双子だからこそのいいところも、たくさんあるんですよ~」
とも思う。でも、道でちょっと声をかけてきただけの人に、いろいろ説明するのも面倒くさい。
だから結局大体は「ですね~(曖昧な笑顔)ありがとうございます~(会釈)」と、足早にその場を去っている。
とは言え、私自身も自分が双子の親になるまでは、ただただ「双子育児って大変そう」と思っていた。
実際毎日バタバタで、体力勝負で、夫婦で総力を挙げて家事育児に取り組まなければ生活が回らない。
私たち、よく頑張っている。
でも、妊娠中に想像していた、心にズーンとくる大変さとは、ちょっと違う。
長男の赤ちゃん時代より今のほうがずっとずっと忙しくしているけれど、でも、あの頃と比べて今が辛いか、大変か、と聞かれたらそうでもない。
むしろ子どもたちが双子として生まれてきてくれたおかげで、ちょっと楽になっていることすらあると思う。
でもそういうことって、意外と口に出すことがない。
インスタの投稿でも、笑える失敗や大変だったことを書きがちで、うっかりすると自慢になってしまいそうなことは人に言わずにいる。
だからこそ、双子妊婦になった私は、出会う情報のどれもがずっしり重くて、結構気が滅入った。
出産するまで不安8割楽しみ2割だったし、悲惨な産後を想像していた。
今振り返ると、そんなに心配しなくて大丈夫だよ、と思う。
そしてそんな過去の自分や、今まさに不安のただ中にある双子妊婦さんに、「むしろ双子でよかったと思うこともあるよ」「双子って、いいよ」と言いたくて、これを書いている。
私が双子でよかった〜と思っていることを6つ、聞いて欲しい。
1、双子で遊んでくれる
これがほんとーーーにありがたい。
子どもだけで盛り上がっていてくれる時間があると、その間に少しでも家事や自分のやりたいことができる。
しかも楽しそうに笑っている姿はめちゃくちゃかわいい。
長男が赤ちゃんの頃、友達と子連れで集まっても、全然子ども同士は遊ばなかった。
児童館などに行っても子ども同士が交わることはほぼ無し。
しかし双子たちは、生後半年頃からお互いを見つめて微笑みあい、動けるようになってからは一緒に遊ぶようになった。
生まれたときから相棒がいるってすごい。
2、大変さをわかってもらいやすい
「いや大変と思われたいのか思われたくないのかどっちやねん」と言われそうだけど、「大変そう」と誰からも思ってもらえることは、決して悪いことだけではない。
大変そうだから、いろいろな人が手を貸してくれるし、自分も思いっきり人に頼ることができている。
今までは「これくらい皆やってるし」「自分の親も専業主婦で1人で子育てしてたし」と、勝手に「母親だけでやらなきゃ」と思っていることがたくさんあった。
でも双子となると、家族は誰も経験したことがないし、自分にとっても未知。もう恥や遠慮を捨てて、夫や実家の親はもちろん、義理の両親にもどんどん頼み事をできるようになった。
3、全ては個性、と悟る。
我が家の双子は似ていない。
二卵性なので(卵性検査はしていないけれどDD双胎で、似てないのでほぼ確実)、たまたま一緒に産まれてきた兄弟という感じ。
でも同じ日に同じ母から生まれたら、もう少しいろいろと「さすが双子、似ているな」と思うシーンがあるかと思っていた。
でも実際は、同じように育てているつもりなのに、生後1週間の頃から、泣き声も、寝つくタイミングも好きなポーズも違った。
同じ母乳を飲んでいるのに、緑と黄色の全然違う色の便が出るんだから驚いた。
どう育てるかより、圧倒的に生まれもった個性が強い。個人差は、個性なんだなと思う。
子育ての責任感に途方に暮れる日もあるけれど、なるべく気負わずにいたい。
4,夫と併走しやすい
これは後ろからついてきてくれるのでも、困ったときに代わってくれるのでもなく、並んで同じ方向を見て走ってくれるということに大きな意味がある。
そもそも、出産後の入院期間に母親だけが育児を先にスタートさせなくてはならないのが、良くないシステムだと思う。
どうしたってその数日間で母親が育児の先輩になって、夫にミルクの飲ませ方や沐浴、寝貸しつけ方を教えることになる。
里帰り出産で新生児期も離れて暮らすと、さらに経験差は広がる。
そして夫は後輩か部下的な意識になり下がり、「何か手伝えることあったら言って」などというようになるのだ。
妻は「指示を待つな!!!考えろ!!!手伝いじゃなく、一人で動け!!!」と言いたいところをグッと我慢して「ありがとう、じゃあ、〇〇してくれる?」とお願いすることになる。
こんなやり取りに何度長男の赤ちゃん時代にイライラしたか分からないし、自分だけが育児をしている気分になって悲しくなったこともあった。
この頃の記憶があまりにダークで、双子の出産前は思い出す度に不安でいっぱいになった。
赤ちゃん1人でもメンタルが荒れたのに、2人もいたらどうなってしまうんだろうと。
しかし今回の双子の産後で、私が夫に腹を立てたことはほとんどない。
なぜなら夫がずっと、一緒にてんやわんやしてくれていたから。
2人の赤ちゃんを前にして、大人が2人いたら、もう1人ずつせっせとお世話をするしかないのだ。
誰かの手伝いをしている場合ではない。なんなら我が家には長男もいて、完全に人手不足。指示待ちなんてしていられない。
そうして一緒に考え、一緒にヘトヘトになってくれる人がいるのは、それだけですごく励みになるのだと知った。
夫と育児ができて幸せだと、この1年何度も思ったし、この思い出とともに老後も仲良くやっていける気がしている。
5、いろいろ諦めがつく
「2人とも抱っこできないなら無理に2人とも抱っこしない」と決めたら、とても気が楽になった。
たまにダブル抱っこをするときもあるけれど、心身のために無理はしない。
自分がやれる方法で、できる限りのことをする。
そうすれば、子供たちもそれに順応してくれていると知った。
6、双子ほんとにかわいい
双子コーデは双子親の特権!
すっぽんぽんで並んでいるだけでかわいいし、あれこれかわいいお洋服を着せるのも楽しい。
産前に想像していた何倍も、赤ちゃんが並んだ姿は尊くて、日々心が幸せで満たされている。
1日どんなに疲れていても、夜に双子が並んで眠る姿を見たらhpがグーンと一気に回復してしまう。
以上6つが、私が感じている双子でよかったと思うこと。
夫や親に頼れない環境で育児していたり、双子の発育に悩んだりしていたら、私の心境も違ったものになっていたと思う。
恵まれた環境だからでしょ、と言われたらそれまでだけど、こういう例もあるんだなと思ってもらえたら嬉しい。
そして双子育児楽しみだな、意外にいけそうだなと、誰かの気持ちを少しでも楽にできたらいいなと思う。
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