終焉
猥雑な座標に噛み付く狐、遠退く観念を追い続けるレジスタンスや、時代に責任転嫁したり、環境のせいにしたりと、ルサンチマンたちは、自らの罪を、誰彼構わずに、覆い被せ、あたかも、誰かの罪みたいに装うカメレオンなんだと、胡散臭いカルトたちが、噂話をしている頃、もたらされるものに、もつれるばかりの木々を助けるために働き続ける友人や、人工的な横隔膜にしがみつく孤独な君や、横柄な王や、絵画の中に住まう娼婦たちや、カタルシスに至るために、弾き語るヒキガエルの群れや、蠕動運動を繰り返す食道や胃や小腸、厭世観により、滅ぼされた街や、隕石が降り注ぐ世界の終わりの狭間で、知性や品性すらない、君たちの理想を追求するために、この、怠惰で退屈な社会などという幻想にしがみつき、忙しく動き回るばかりで、何が正しいのかすら、わからなくなってしまうだけの末路や、対価を求めては、止まらずに走り続ける車みたいだねと、語りかける子どもたちが偽装する真理のようなものの靄や、妄想に囚われ、恋の弾丸が被弾した事により、出来た傷をぼんやりと眺め、動物たちの背中に乗り、ハイフンの船に乗り、怠惰な海を越え、恒常的に孕む意味のようなものを、フライパンで軽く炒め、徒に過ぎ去った今朝に生い茂る暗鬱とした森で静かに暮らすコウモリや、フクロウたちと語り合う私は、煩わしいものを従えず、また、従う事もなく、ことごとくの法を放棄し、自らの善悪すらも捨て去り、事象や地表に編み込まれた紐を切り落とし、全ては、宙に舞い、誰もが、不自由さを超越し、どこまでも、高く飛び続ける。