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転換

運命論者たちを食べ尽くす古代魚、洗濯物の香りがする秋の擦れた感情、紊乱の焦土を濾過して、淹れるコーヒーや、悲観的な君たちに組み込まれた奴隷根性や、アミニズムに支配され、蝉蛻を繰り返しては、飛び立つ瞬間に寄り添う爽やかな風、利己的な所以や、意思的な齟齬や、あらゆる罪からの背反、硬直する真理を貪る虫や、土塊に囲われた厭世観を撫でる手、大義を捨てて、セオリーを無視して、荘厳で、横暴な結末に備わるエゴを回収するゴミ収集車のエンジン音が木霊する早朝、不安定な装いの彼女たちに現れる無垢な真実を頬張りながら、訝るばかりの、君たちが誘われる祝福のようなものを、流動して行く喜びや、関わるほどに、浮世離れして行く今を浮遊する羽虫、儀式的なもので強請る世界の汚穢や、終焉に巻き込まれて行く君の罪や動機、罪とは、絶えず与えられるだけのものであり、そこで、抱えている罪は、抱えさせられている事を忘れてはいけない、と、語りかけ、当たり散らす君の焦燥感、関わるほどに、詰る世界の魯鈍さや、中毒性がある青空、アオザイを着た少女たちや、環境や、誰かに責任を押し付けるだけの、他責思考から解放され、ささやかな喜びを敷衍させては、今に幸せを紡ぎ、中性子星に墜落した宇宙船、鉄を拾い集める宇宙人や、どんよりとした雲の下で、質量に反し、ケミカルに塗れた思春期の互換性、頸動脈を走る発信機や、恒常的な憎しみにより、機械化して行く身体、ケロイド化した日常や、加速して行く意思、たあいない瞬間に接続される思い出、刹那を齧る赤子や、戯れる所以や、悠長な主観や、共鳴する面影、解毒される精神や、融和する現在に降り注ぐ硫酸の雨、壊疽した明日や、贖うほどに、たゆたう月日、浮き沈みを繰り返しては、独占欲に支配される君たちの密度、幸福を修復し、さらなる喜びを絶えず敷衍させて行く。

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