底なし沼
茫漠たる可能性の、そのまた先、崇高な余韻を泳ぐ魚たち、あらがうほどに増えていく傷だけが、友達である、と、促す子供たちが促すアイロニー、ぼんやりとした幸せを噛み締める君の願い事、さすらう意識が浄化され、寂しい結末に補填される流動的な結末、数多の粛清から逃れ、結合されるだけの今に襲いかかる欠如や、そこかしこで訣別していくだけの疾しい日々、制限なんか持たずに彷徨う泡沫、瑣末な標本の中で既読される過ち、仮想現実では、妨げられるものもなく、わずらわしい意味に苦しむこともない、と、諦観に歪む六月の午後、むかつく胃の底から、愛を込めて、と、遺書に書き残して消えたカートコバーンの気持ちみたいな曇天模様、あらゆる偏見をカードに変えて、そのカードが高騰したり、暴落したり、と、せわしなく貪る動機を、好奇な目で見つめたり、見下したり、ミキサーにかけたりと、展開は様々に変化し、過信ばかりの君や、進化を謳うだけの、第三世界を破壊するためのプロパガンダや、コマーシャルが監視する社会の中で、すり替えられた真実は、真実らしい姿形をしてはいるが、君は、真実を見つける目を持っていないから、何が真実かも分からずに、ただ、みんなが崇めているから、自分も仲間はずれにならないように、何も考えずに、崇めているだけでは、そのまま、何かの奴隷になるだけだよ。