進化
夏は、定めもなく飛び交う蝉のような恋の応酬、原始的な回路により、巻き戻されて行く世界の端々に響く君の泣き声を聞き、手助けしたく、参上した私の翅にまとわりつくゴミやホコリの数々を掌握し、新たな原理を携え、利己的な答えが透過させる今、猜疑心を抱えた鳥が飛び交い、陰鬱な焦土を練り歩く不機嫌そうな君たちの原理や、利便性ばかりを求めては、とめどなく溢れる感情を抑え込むために、ためらわずに、傷つけ合う人々を尻目に、前衛的に昇華させる今を遡る龍に乗り、夏に寄り添う倦怠感を打ち倒し、現前に迫るセオリーを駆逐する掘削機に乗り、輪唱される答えに洗脳される前に、今に逸脱し、ためらわずに、君を捨ててしまい、しばらくの孤独を乗り越え、過信ばかりの日常を笑い飛ばし、拘泥するばかりの忌々しい現実を超越し、侵食して来る憎しみや、忘我に生まれた空白や、告白を繰り返す虫たち、立場を用いては、悲観的になるほどに、相互互換する誤解や嫌悪感、結合される未来や、妨げられるだけの現実、乖離して行くだけのシステムや、目玉焼きの上で踊る醤油や、照合できずに、断続的に迫る忌避、改ざんされるだけの、曖昧な身体を吸血する蛭や、無機質な風、豊かさの象徴たる女神信仰、強制収容されてしまった人々の末路、進化を否定するための普遍性なんてものに騙されないために、絶えず知識を蓄えた結果が、更なる悲劇を生み出し、打算的な奴らに支配され、自らの保身のために、犠牲になった人々や、汚穢が絶えず生み出されては、今に毒されて行くだけに終える。