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硬質

退廃的なモジュールを差し込んだ頭、管理下を打ち砕くための砲弾が飛び交い、分裂的な思案から、遠退く感情の波形、街路樹に吊り下げられている人形たち、彼や彼女たちの憂鬱を食べて大きくなる草木、静謐な端数にとまる蝶、懐かしむほどに悴み自覚する冬、林立する予感を越えて、静電気にたむろするプラスチックや、怠惰な魂に絡みつく所以や、性善説に蝕まれた世界の退屈さに寄りかかるジレンマ、肥大化するアニマや、簡素な理由を加工しては、誰かの邪魔ばかりする奴ら、確信的な思案から始まるものにより、がんじがらめになり、閑散とした原理に住まうカエルや、排他的に逍遥し続ける運命論者たちの手綱を引き、堆積する理由をよじ登る君たちの傲慢な明日や、散りばめられたメタファーにより、際限ない愛を撒き散らす勝手気ままな彼女の予言や、原始的な分針をへし折るファシズムの戦車、寝込みを襲う卑怯な正義や、犬歯に輝くダイヤモンドや、監視下に置かれた君の私情や、文化的な遺産や、白亜紀に鎮座する私には、時間や次元などという概念は存在せず、せいぜい、収まるための余白に溢れる思念のようなものが、この世界などという幻想を作り出しているだけにすぎず、ここで、ズキズキと痛む胸も、そこかしこに現れては、消えて行くだけの価値観も、確かに、そこには、あるように思っていたり、思わせられたりしているだけで、存在している事すら、不確かであるのに、信じたいなどと、思わされているだけで、そこにあるものなどという希望により、狂わされているだけであるし、あらゆる偏見や制限の中で、審査されたり、支配されたりと、疎ましいばかりであるし、肉体を捨てたら最後だとかと、わかりもしない事を、わかったように語った途端に、世界とは、崩壊して行くだけであるのに、まだ、信じたいなどと、語る君の目の裏に広がる暗黒空間や、監獄の中でしかない、この、最中に広がる現実などというものからの逸脱。

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