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長い散歩に出ることにした

午前7時42分。最寄り駅の羽後本荘駅から青森駅へと向かう長い長い散歩をはじめる。

通学時間帯と言うこともあり、制服姿の高校生たちがひっきりなしに行き交う。瑞々しい彼らの若さに触れた僕は、少しだけ浮き立つ。

弾む足取りで電車に乗り込む。席はまばらに空いていた。乗客と乗客との間に滑り込むように座り、ゆっくりと流れ行く景色を車窓越しに眺める。

あいにく今日は、鈍色の雲がどんよりと空を覆っている。ひと雨ならぬひと雪降りそうな空模様だ。

トンネルに差し掛かると、見慣れた顔が眼の前ににゅっと現れる。全体的に乾燥して小ジワが目立つ肌、伸ばしっぱなしでボサボサしたカール気味の髪、中途半端に処理された髭鬚……。

人と会うことが仕事柄ないため、身だしなみにすっかり無頓着になってしまっていた。周囲の乗客の目が急に気になりだす。

とりあえず、青森についたら速攻で散髪屋に駆け込もう。

落ち武者ヘアーをバッサリいってもらって、爽やかナイスガイに変身させてもらうんだ…。

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