『ローグ』野生動物の乱獲に警鐘を鳴らすアクション映画・ネタバレ感想―シネマクラッシュ/2024年7月1日
渡邉美穂さんがシネマナビゲーターに就任して6回目の『シネマクラッシュ』です。
前半では美穂さんのオープニングアクトについて、後半では映画『ローグ』について語りたいと思います。
映画ラストまでネタバレがあるので未見の方はご注意ください。
オープニングアクト
中身が気になる美穂ノート
このノート、XのFFさんの間では、中に何が書いてあるんだろう?とかなり盛り上がりました。
ペンケースは一回目に勉強していた時に使っていたものと同じものかも?
「ガォー!」とは?
「ガォー!」というのは美穂さんのアイドル時代を象徴するセリフとポーズです。
美穂さんを象徴するポーズとして語り継がれています。
ライオンのイラストの元ネタは美穂画伯?
今回の映画でもキーになるライオンがノートに描かれていましたが、実は美穂さんも卒業セレモニーグッズの「ガオービッグTシャツ」のためにライオンのイラストを描きおこされています。
口元やたてがみの雰囲気が似ていますので、ご自分で描かれたのか、デザイナーさんが美穂さんのイラストを元に描きおこされたのか?
でも渡邉美穂推しの方ならピンとくるライオンイラストと「ガォー!」でしたので、嬉しかったです。
獣の足音に怯えて隠れていた美穂
獣の足音に怯えて机の下に隠れていた美穂さん、獣繋がりで映画『ローグ』の紹介をはじめるという、今回はなかなか強引な展開です。
ミーガン・フォックスに憧れて、「私も強くなっちゃおうかなー」と力こぶを作る美穂さんカワイイ!
二階に猛獣の気配?
二階から獣の足音と吠える声がするも「ま、いいか、もう時間だし。一緒に観よっ!」という美穂さんで今回は終了。
これまで現実的なシチュエーションだったのが、今回はぶっ飛んだ展開で、こういうのもアリですね!
ローグ
あらすじ・解説
感想
野生生物で金儲けをする人間たち
冒頭ライオンが違法飼育場で密猟者に殺されるシーンがあったので、終始ライオンに感情移入して観てました。
本当に怖いのは人間ですよね。
その後ザラームが象牙を取引する場面もあり、映画のテーマを最初に提示しているかのようでした。
アシリア救出
反政府組織に捕らわれていた知事の娘アシリアを傭兵チームが救出するのですが、一緒に捕らわれていた同級生、クロエとテッサの二人も見つけます。
チームのメンバーが助けてやろうと言うも、金にならないから見捨てるという冷徹なサム。
結局サムが折れて二人も一緒に助け出します。
ここで同世代の女の子が三人、どれが知事の娘だっけ?っと軽く混乱。
クロエ死亡
序盤早々、渡河中にもう歩けないとクロエが立ち止まり言い争っている時に、クロエがワニに襲われてお亡くなりという衝撃展開。
え?知事の娘喰われた?と戦慄しましたが娘じゃなかったのでホッとしました、クロエごめん🙇
三つ巴の戦い
そこから傭兵チーム・テロ組織・雌ライオン、三つ巴の戦いが始まります。
雌ライオンに襲われ一人また一人倒れていく傭兵チーム。
ようやく通信手段を確保し、脱出のめどがつくも、反政府組織に居場所絵を突き止められ襲撃を受けます。
アシリアとテッサ
アシリア誘拐のために学校の生徒は皆殺しにされ、誘拐されたものもひどい拷問を受けた二人は、反政府組織に以前所属していた傭兵、マサイ族のパタに怒りを向けます。
パタは反政府組織を抜ける際に子供と家族を皆殺しにされ、自らは見せしめのため見逃されたと涙ながらに語ります。
打ちのめされていたアシリアとテッサも、サム達との交流の中で戦う勇気に目覚めていき、友情も深めていきます。
そしてアシリアはテロリストに襲われるも反撃し、相手を死に至らしめます。
マサイ族の戦士タパ
地元出身で元反政府組織の一員だったマサイ族の傭兵タパは、子供や家族を殺した反政府組織のナンバー2、マサックと対峙します。
パタの部族ではライオンを殺したら一人前の男になれるのでしたが、彼は男になるだけの理由でライオンを殺すのをよしとしておらず、ライオンを殺していませんでした。そのため家族の恥と自分を卑下していました。
瀕死の重傷を負いながらも、サムの援護を受けライオン以上に凶悪なマサックを倒し、「これで……俺は男になれた……」「これは立派な死だ」と死に際にサムに語りかけます。
「よくやったわね、家族の誇りだわ」というサムの賞賛の言葉を受け、その場を離れた彼女を援護しつつ死んでいきます。
このエピソード、今回一番泣けました。
ジョーイとボー
満身創痍で壁にもたれかかったジョーイとボー。
ボーは「何のために動物を殺すんだ?」とジョーイに問いかけます。
ライオンに襲われる前、象と神秘的な邂逅を遂げていた彼にとって、動物を殺すことは決して容認できないことでした。
そこへ現れたテロリストに銃を向けられ死を悟り、歌を歌いながら終わりを待ちます。
この歌はボーがライオンに襲われて意識不明になった時にジョーイが歌ってボーの目を覚ませた歌でした。
そこへライオンがテロリストに襲いかかり、二人は危機を脱しますが、すでにライオンに襲われていたこともあり重体のボーは息絶えてしまいました。
ボーの死を悼んだジョーイはボロボロになりながらも戦い続け、小屋の中で鳴く子ライオンを見つけます。
この子ライオンが最後の逆転のキーになるとはこの時は知る由もありません。
このジョーイ、最初から最後までピンチにも余裕のある頼れる男感があって素敵でした。
ラスト
ザラームにテッサを人質に取られ、銃を捨てるサム。
任務は知事の娘アシリアの救出ですから、ビジネスライクに考えれば映画冒頭のようにテッサ見捨てる判断をしても構わないところです。
しかしテッサを助けるために武器を捨て、アシリアのもとにザラームを連れていくサム。
ザラームは知事こそが環境保護の名目の下、野生生物を使って象牙の取引やライオンを繁殖させて狩りで大もうけをしていると知事を批判します。
反政府組織だけでなく実は政府も悪だったということはありそうな話ですね。
アシリアを匿っている納屋にザラームと入っていくサム。
しかしサムには先ほどアシリアに説明した捨て身の策がありました……。
果たしてサムの運命は?
ザラームとの対決
納屋の中に入ったザラームとサム。
そこで外にいたアシリアとテッサが扉を閉め閂をかけます。
驚くも銃を所持している優位性に自信を持つザラームですが、そこに雌ライオンが現れます。
ザラームは「お前から死ね!」とサムを撃とうとするも母ライオンに襲いかかられ、喉笛を噛み切られて死亡します。
サムを次の標的に捉えた雌ライオン。
「女王陛下万歳」とサムは死を覚悟します。
意外な結末
その時納屋の外から聞こえてきたのは子ライオンの鳴き声。
雌ライオンはサムを放置して扉を破壊して外に出ます。
そこにはジョーイが見つけた子ライオン二匹を抱きかかえるアシリアとテッサの姿がありました。
雌ライオンに二匹の子供を返すとライオンの母子は戦場を去っていきました。
母ライオンは子ライオンを守るために原野に帰らず人里にとどまっていたのでした。
「まるで誰かさんみたいだわ」とアリシアが呟きます。
生き残ったサム・アシリア・テッサ・ジョーイの上を飛ぶ救助のヘリで映画は終幕します。
サムと母ライオンの相似
冒頭に出てきた子ライオン二匹はこの母ライオンの子供だったんですね。
ジョーイが助けたこの子ライオンのおかげでサムは助かりました。
アシリアとテッサを命をかけて守るサムと、二匹の子供を守るために戦う母ライオン。
アシリアがいみじくも言ったように、サムとライオンの母性愛を対比させていた見事なラストでしたね。
最後に
反政府組織とライオンとの三つ巴の戦いという目まぐるしい映画でした。
ミーガン・フォックス演じるサムが、声優さんの艶っぽい声と相まって魅力的でしたね。
声優さんは違いますがまるで攻殻機動隊の草薙素子のような女ボスっぷりでした。
チームの安全と任務遂行を第一に考え、クロエとテッサを見殺しにする判断をしたサムも、ひとたび保護するとなったからにも命がけでテッサも守るというプロフェッショナルさが最高です。
最初は打ちのめされていたアシリアとテッサも戦いの中成長していくのも頼もしかったですね。
ライオンの密猟や違法飼育など、社会問題も提起した、ただのアクション映画に終わらない奥深い作品でした。
次回
次回はクリント・イーストウッド監督・主演の『許されざる者』。
『運び屋』に続くシネクラ2度目の登場ですし、クリント・イーストウッドと言えば西部劇、非常に楽しみです。
いつも魅力ある映画を教えてくれる『シネマクラッシュ』と渡邉美穂さんありがとうございます!
それでは最後までお読みいただきありがとうございました!
(終)