吹雪の朝
六畳一間の部屋に冷たい風が入り、目が覚める。
吹雪いてるのかとストーブをつける。
昨日書き物をしたノートの次のページをめくると
「向き合う罪人」
と書かれてるのに気づく。
忘れるという罪を作り、
前向きというご都合主義を通す。
何気なく呼吸することすら許されない。
私は私を否定する。
過去は無駄を好み、無意味に価値を持たせる。
そして過去は居場所を求め、
私を支配し時間を奪う。
逃げても逃げても過去という足かせは
罪人を逃がさない。
そして逃げ場のない私を追い詰める
厚かましい生き物だ。
気づくと小さな窓から日差しが
氷柱を煌めかす。
そう、故郷と決別して
この地に辿り着いたのだ。