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10分雑文#62:チンパンジー置き換え理論

前回

期待するから怒りや悲しみが生まれる

「あんまり人に期待しないほうがいいよ」と言ってくる大人たちの意見を無視して、生き続けてきたが、自分も大人になってようやく理解できた。

期待するという言葉は聞こえがいいが、悪く言えば「私が思っている通りにしてくださいね」という意味である。実際のところは、相手には相手の都合や考え方があるので、期待通りに物事が進むわけないのだ。

その点に気づくことができなかったので、仕事やプライベート(大学院、日常生活)でも結構カリカリしてしまうことが多かった。「なんでやらないの?」「こういうルールだったよね?」「普通はこうだよね?」という風に無駄な完璧主義に陥ってしまっていた。この点は自分自身の弱みでもあり、何となく対策が見えてきたのは大いなる成長だろう。弱みは伸び代である。

この対策方法は個人的な感覚なので、批判はNGでお願いしたい。

対策1:過度な期待はせず、許容できる最悪のケースを考える。
これは仕事などで締め切りなどが存在する場合に有効になる。「もっと早く提出しなよ」とか「このくらいのクオリティで持ってきなよ」というのは、こちら側の勝手な押し付けに過ぎないので、「このくらいだったらオールOK」という最悪のケースを自分の中でもっておくと心に余裕ができる。

一方で、その最悪のケースにすら間に合わない場合もあるので、結局はカリカリすることになることもある。つまり、本質的ではないが、マネジメントとして重要な要素だと思う。基本的な「相手に過度な期待をしない」という考え方だろう。

対策2:相手をチンパンジーもしくはオランウータンだと思う。
これは常識の範疇外にある人と遭遇した場合に有効である。ポイ捨てする人とか、連絡なしで約束を破る人とか、最低限のルールを破る人とかである。そういった人に対して「なんでxxをしてくれないんですか?」という感情を抱いても無駄である。なぜなら生きている世界線が違うので、向こうからしたら「いちいちうるせーやつだな」としか思われないのだ。とはいえ、そういった人たちと同じ社会で生活していかなくてはいけないので、こちらばかりカリカリするのは何とか対策せねばならない。

そこで最近発見したのが、この対策方法である。先日のことだが、電車の車内で立っていると目の前の席が空いたので座ろうとしたところ、どこからともなく女性がやってきて、何もなしにパッと座ってしまったのだ。妊婦さんマークとかあればもちろんOKなのだが、そういったものも見当たらず、太々しくスマホをいじり始めた。これまでなら「いやいや、一言くらいなんかあるだろ」と思っていただろうが、それはこちら側の時間と感情の無駄使いになる。しかし、この相手がチンパンジーだったらどうだろう。「おいおい、チンパンジーに席取られちゃったよ、笑えるぜ」と思うことができる。なんならポジティブな気持ちになるのではないだろうか。

これは日々の色々なケースで応用ができる。すごい態度が悪い店員さんにイラつくこともないのだ。なぜなら相手はチンパンジーである。レジに立てるだけでもすごいことだ。むしろ、チンパンジーに対して過度な期待をするこちらが悪い、ちゃんとわかるようにコミュニケーションを取らないといけない。

この理論は決して「自分以外を下にみる」ということではない。「自分も誰かにとってはチンパンジーである」ということを忘れてはいけない。そう思うことで、優しい社会になっていくのではないかと思う。ウキキ。


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