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飲み終えるまでをゴールとするなら途中式で満点を超えるコーヒー
職人というのは難しい
イベントに向けてコーヒーを焼いたり淹れたり飲んだりしています。
私がやってるのは飲んだり試しに抽出したりして、偉そうに感想をいうこと。
3日前、正直めちゃくちゃ美味しいコーヒーが仕上がりました。100点満点だと思います。
試しに淹れさせてもらったのですが、笑っちゃうほど美味しかったです。
マスターは地団駄を踏んでいました。
「美味いんだよ!完璧なんだよ!!」
「きみがここ4ヶ月で淹れたコーヒーの中で一番美味いんだよ!」
「癪だ!!!!!完璧なのが!!!だめなんだ!!!」
と錯乱して外へと飛び出して行ってしまいました。
せわしない人ですね。
2024/11/16/17は三郷市商工まつり
明日明後日(11/16/17)は三郷市商工まつりに出店しています。
本日も16時までの営業で夜はイベントの準備をしていきます。
提供するコーヒーは「ブラジル」バランス感覚の良いコーヒーです。
好みはあれど万人受けするコーヒーだと思います。
居るカフェのブラジル
ブラジルって言われても国ってことしかわからないし私は居るカフェからコーヒー業界に入ったので他所のブラジルコーヒーの特徴とかは語れないので、あくまで居るカフェでのブラジルというお豆の特徴や役割みたいなところを書いていきたいなと思います。
中煎り〜中深煎りのコーヒー
居るカフェのブラジルは中煎り〜中深煎りで仕上げることが多いです。
中煎りは酸味と苦みのいいとこ取りをしようぜ。みたいな焼き加減(という認識)
ブラジルの酸味と甘味と苦味を全部まんべんなく引き出して調和させています。
尖りのない誰からでも愛されるコーヒーです。
とりあえずコーヒーを飲みたい。飲んでみたい。という人にはまずおすすめしています。私がね、勝手にね
活躍の場はブレンド
うちのブラジルが一番活躍する瞬間はブレンドだと思っています。
居るカフェの基本のブレンドはブラジルをベースに合計3種のお豆でできています。
ブラジルをベースにすることによって他の個性的なお豆の個性が更に際出ちます。
馬力が少ないものは後押しされ、強すぎるものは調和され。サラサラといなくなってしまう香りを深く味合わせてくれる。
コーヒーの個性のいいところだけを楽しむために必要なコーヒーです。
居るカフェで出されるブレンドの殆どはブラジルがベースなんじゃないかなあ(いろいろなブレンドはメニューにはないですが存在します)出汁みたいな存在です。先日自宅で鰹節の出汁をひいたんですけどあれめちゃくちゃ便利ですね。あるだけでぐんと満足度があがります。
縁の下の力持ちを主役に
今回のイベントではブレンドではなくブラジル単体での提供になります。
おいおいいいのかと。大丈夫かと。
出汁は美味いけど単体で勝負できるのかと。
自分で言っておいてなんだがブラジルは出汁ではない。単体でも美味しい。
というか、出汁は単体でも美味い。私は寒いとき出汁をお湯で割って飲むのが好きだ。
話が私の出汁への愛になっているが、言いたいことは単体でもブラジルは大丈夫ということ。
ただ、主役的な尖い魅力が多く、単体で楽しむのに適任な豆が他にもたくさんありすぎる。というだけ。
だったら、ブラジルを主役級にしちゃえばよくない?って話ですね。
ここまで書いてきたブラジルはあくまで居るカフェの普段のブラジルの話。
様々な好みのお客様のために支えてもらわないといけないから縁の下の力持ちなだけで、ブラジルには主役のポテンシャルがもちろんあります。
その主役のポテンシャルに振った焙煎と抽出をすればいいんだと思います。
やるのは私ではなくマスターです。
ブラジルは酸味・甘味・苦味のすべてが際立つお豆です。普段はバランスを取りながらも控えめな焙煎になりますが、今回は旨味を濃縮し調和の取れたものを目指しています。マスターが。
イベントのコーヒーと喫茶店のコーヒー
遡ること3日前。イベント用のブラジルを焼き始めました。
マスターは「最高傑作かもしれない」と語りました。
出されたコーヒーは確かに美味しかったです。本当に。
しかしこれは好みなのですが、後味がいつもより味気なく感じました。
爽やかといえば聞こえがいいかもしれないけれど居るカフェの雰囲気とは違う気がして、何を変えたのかを聞いてみました。
マスターは「どうしてこの味になったのか」という質問をすると、焙煎方法ではなく「どうしてこの味にしようとしたのか」という思想を回答してくれるタイプの人なので相変わらずこの人が死ぬと潰えるコーヒーは健在です。
年一で人間ドックに行ってほしい。
「今回の商工まつりでの出店フロアがかなり入口に近いから、最初に目に入ってくるのがうちになるかもしれない。そうなったときに、そのあと屋台の食事やお酒を楽しむことを考えると、後味が残りすぎると次に行きにくくなる。あと、イベントは午前10時から夕方までだから重たいものよりも軽やかなもののほうが合うと思った。イベントを楽しんでもらうための一杯を仕上げた。」
なるほど、マスターはお祭りのことをコース料理だと思っているようだ。
イベントへの誠実さとそれをやってのける技術は相変わらず衝撃を受けるけれど個人的には「居るカフェ」として出店するというところに視点が行ってしまいました。
「話を聞くと納得したけれど、もし今回のイベントで出したコーヒーを気に入って(店に)来てくれたお客さんが普段のブラジルを頼んだらあれ?と思うかも。けれどイベントのコーヒーって感じがして良いと思う。」
最後の言葉がなにかマスターに変なスイッチをいれてしまったようだ。
冒頭の精神錯乱により屋外に飛び出すまでの事態になるとは私も思わなかったです。
当たり前のようで当たり前でないのですが、イベントで飲むコーヒーと喫茶店で飲むコーヒーは違います。
この違うに「違わないよ」と言われるともう水掛け論なので違うということで話を進めさせてほしいです。
お店の席に座り、グラスに注がれたコーヒーをゆったりと飲む。
少し冷たい空気の中、屋台で購入しこれから何をしようかと考えながらコーヒーを飲む。
シチュエーションによって美味しいコーヒーというものは違います。
飲む人は違いがわからなくていいんです。
飲む人に違和感を与えず、美味しいと飲んでもらうためにこちらがTPOに適したコーヒーを出すのが仕事ですので。
逆に「これはTPOをわきまえたコーヒーだな」と飲んだ瞬間にバレてしまうのは失敗だとも思います。めちゃくちゃ書いちゃってるけど。
そのため、3日前に焼いたブラジルはイベントのコーヒーとして100点満点でした。けれども「居るカフェ」は「コーヒーを出す屋台」ではないので、どこか「喫茶店」としてのコーヒーの要素も残しておくことも重要。
みたいな結論に至ったとおもいます。マスターは踊りながら豆を焼いていて聞けなかったので私の解釈です。
完璧と爪痕
屋外で飲むコーヒーとしてのポテンシャルと、ちょっとした違和感。
今この瞬間のコーヒーを味わいながらも次は座って室内でのみたいと思ってもらえるような違和感。
それがイベントで出会ったお客様の心にちょっとした爪痕になり、再び喫茶店で巡り合うことができるようなコーヒーを今回は目指しました。
ちなみにソレを目指して次の焙煎にはソレが出来ちゃうことがなんかもうよくわからないのですが、世の中には気にしないほうが幸せなこともあるのですごいなあうまいなあ。と思っていようと思います。
当日のコーヒー
当日は注文をいただきその場で抽出しますので、最短で5分ほどお時間をいただきますが、淹れたてを提供させていただいております。
ホット・アイスどちらも500円(店舗でのブラジルは600円なので、お得です。)
当日提供するコーヒーのお豆とドリップパックもそれぞれ300円で販売します。自宅でコーヒーを楽しんでいただけたら幸いです。
皆さんにとって豊かなコーヒー体験と楽しいお祭りの思い出になりますように。