見出し画像

大人の雑談に聞き耳を立てながらすすったあのクリームソーダの特別感をもう一度

コーヒーじゃないもの

意外に思われる方も多いかもしれませんが、居るカフェは「コーヒー屋」です。
毎日飴色になるまで玉ねぎを炒めたり、秋になると一心不乱にりんごの皮を剥いていたりしたとしても、「コーヒー屋」なのです。
コーヒーのこだわりは人一倍ですし、お客様に一番口にしてほしいメニューはコーヒーだと思います。
けれど居るカフェにはコーヒーじゃないメニューというものも存在します。ソフトドリンクって言えば良いのかしら。
コーヒーが飲めない人に向けたドリンクです。
そのレパートリーはすべてマスターが一人で用意したものなのですが、正直個人店としては驚くくら凝っています。
これは多分「こだわり」ではなくて「気遣い」だと思います。
マスターがこだわって追求したコーヒーを楽しめない人が、コーヒーを飲める人と同じくらいの満足度を味わってもらうための「気遣い」。
最近、その「気遣い」が伝わっていないんだな。と感じる出来事がありました。

「気遣い」とは、難しいと思います。
気にかけている側から「気遣ってるのにさ」というのは「自分で勝手にやってるんやん」って感じで違うと思いますし、だからと言って気にかけていることに気づいてもらえないと、こちらが見えている部分を見てもらえないことに対して憤りを感じてしまうものだと思うんです。
褒められたくてやってるわけではなくても、いつの間にかそれが当たり前になって「気遣いがない」と思われるとだんだん消耗してきますし、
けれども「気づいてもらえないから、やめた。」みたいなことってすごく切ないじゃないですか。
だから「気遣われる側」でもなく「気遣いを始めた側」でもない私が、ちょっと書いてみようかな。と。
居るカフェって実は考えてるんだよ。ってのを、告げ口してやろうと思います。

クリームソーダ

居るカフェのソフトドリンクの定番は「クリームソーダ」です。
色も赤・青・緑と3種類のご用意があります。(春先は桜があったりなかったり、昔私は桜のクリームソーダを飲みに行っていました。)
緑がいわゆるメロンソーダにアイスをのせた喫茶のクリームソーダですが、
赤や青はただの色違いのシロップではなく、 カクテルなどにも使用される「ノンアルコールシロップ」を使用しているので見た目の違いだけではなく味も違います。
赤はグレナデンシロップを使用していてザクロの酸味を味わうことが出来ますし、青はブルーキュラソーと言ってオレンジの風味が入った爽やかな味わいになっています。(在庫状況でレパートリーが変化することもあります)
クリームソーダと言えば私にとって「子どもの頃の憧れ」でした。
今でもあの真緑のシュワシュワにアイスを沈めてふわふわになったクリームと炭酸をスプーンですくって甘味の大暴投のような味わいを楽しみたいですが、子どもの頃の感動に比べるとどうしたって劣ってしまいます。
クリームソーダは「あの味」意外の何者でもないので。
「あの味」じゃないクリームソーダがあることって、実はとても楽しいことなのでは?と思います。

ココア

ココアがあります。
ホットもアイスもご用意があります。
ミルクココアではなく純ココアを使用しています。
ココアとお砂糖とミルクを鍋にかけてよく練り合わせ、一度ペースト状にしてから再びミルクをいれてココアを溶かしていき完成です。
おやつと一緒にでも楽しめるように甘さが控えめ。お砂糖を追加でいれてもよし。
純ココア自体もちょっと良いものをつかっています。
冬の夜にピッタリの心と体を温める一品です。

抹茶ラテ

抹茶ラテもホットとアイスのご用意があります。
抹茶は点てるところからやります。茶筅でシャカシャカするところからです。
こちらも甘すぎない、でも飲みやすいように少量のお砂糖を入れてつくっています。ちなみにお砂糖もちょっと良いやつ。
実は抹茶はコーヒーよりもカフェインの量が多いのですが、同じくお茶に含まれているテアニンによってカフェインの吸収が抑えられるので、コーヒーだと頭が冴えすぎてしまう。みたいな人にもおすすめです。

ジンジャーシロップ(24/12/2欠品中)

ジンジャーエール又はホットジンジャーに使われるジンジャーシロップは自家製です。
生姜とお砂糖、5種のスパイスを入れて作ります。
まず生姜を離水させて生姜から水分をしっかり出し味が引き出されるように手間暇かけています。生姜やスパイスたちを乾煎りして甘味や香りを引き立てています。
人気な商品なので、「ジンジャーあります」と言うとかなり早々となくなります。出会えたらラッキーだと思ってください。

コーヒー屋なのよ。

ざーっと書いたけど、これ個人店でやってるの、一人でやってるの凄くないですか?
私はレシピを聞いてつくるだけ。
一人のときからずっとあったこのメニューたちを考えて提供していたのって、本当にすごいことだと思うんです。
マスターは「専門家じゃないから良い材料と手間をかける」と言っています。
この心がけが更に凄くない?
コレが透明になっちゃうのってなんかすごい悲しいなと思ったのです。
大人も子どももコーヒーが飲めても飲めなくても。
「美味しい」を同じくらい味わえるコーヒー屋なんです。
そこにはマスターの気遣いがあるということをほんのりでも感じていてほしいです。
マスターはもう「当たり前」と言っているけれどね。
本人以外がちゃんと感じ取っていけたら、居るカフェが存在する意義みたいなものがちょっとだけ大きくなる気がします。
その意義を感じてもらえることが、マスターが居るカフェを続ける理由になってくかな。と思います。
だからぜひ、知ってあげてください。カッコ悪いけどね。

次回の営業は12/6(金)から。
日曜日は「占い師の居る日」。
お待ちしております。

いいなと思ったら応援しよう!