キャッチーな地方創生
うどんへの誘い
20歳のころ。
深夜3時からドライブをして香川にうどんを食べに行くのにはまった。
きっかけは兄の誘い。
彼は日本各地のおいしい物を食べつくしたい!そんな思いから各地をよく走り回っていた。
「明日暇?」
夜の11時、彼はそう僕に聞いた。
特に予定はなかったので暇だと答えると
「香川にうどん食いに行く?」
と言われたので、唐突な誘いではあったが了承をした。
当時は岐阜にいたため、香川への道のりは約五時間ある。
そう聞いた僕はただただ遠い道のりに憂鬱な感情を覚えていた。
深夜2時半。
眠い目をこすり準備をする。
断ればよかったと思いながら一緒に出掛けた。
香川の魅力
兄の友人交え三人で行ったのだが、5時間は長時間だったため運転を代わりながら向かった。
最初こそ、睡魔が襲うため半ば覚えていなかったが、今でも思い出すことがある。
四国へ入るための鳴門海峡の朝日だ。
当時の自分にとってとても感慨深い情景だった。
眠い目が覚める瞬間、日の光というのは身体を起こす。
この情景は何度見ても鳥肌が立つ。
県民にとっては当たり前のことなのだが、県外からくるものにとってはこれが四国のブランド価値になるものだと思う。
徳島を過ぎ香川へ
いよいよ香川に上陸。
早速朝8時半。
山越えうどんからスタート。
開店前にも関わらず長蛇の列。
本場はこんな勢いがあるのかと圧倒された。
なぜ長蛇の列が出来ているというと「かまたま」はここ、山越うどんさんから生まれたヒット商品。
今となってはどこのうどんやでもあるのだが、当時は本場こその物だった。
まだ丸亀製麺が全国に出ていないころだったと思う。
1玉300円。
のど越し、食感、絶妙な卵の絡み含め最高だった。
この味が未だに忘れられない。
この後山田屋さん(ぶっかけうどんが有名)などに行き帰宅をした。
山田屋さんは全国展開しだしていると思うので良ければ。
体験は味になる
西野さんがこういう公式を伝えてくれている。
満足度=内容ー期待値
まさにこの公式に当てはまっている。
朝起きてからの自分の期待値はマイナスから入っている。
・眠さ
・未知数の物
・うどんというシンプルな食べ物
採れたての魚でもなく、どこでも食べれるうどん。
だからこそ、期待値は低かった。
ただ内容が良すぎた。
だからこそ、満足度は跳ね上がる。
これはとても良い導線だったんだなと今になって気付いた。
2011年頃、香川は【うどん県】と県広報のスローガンとした。
結果的にうどんは広がり、うどんかりんとう、うどんソフトクリーム、うどんバーガーなど様々なものを出している。
うどんは周知されていたものだが、映画公開もあり、地域を活性化させるためスローガンを掲げた経緯があるわけだ。
地方を考えるとき、香川の動きは参考になり、周りを活性化させたと言われている。
インパクトが強かったに過ぎないが、県民は誇りに思い、口をそろえて言えるだろう。
香川にはうどんがあると。
自分が感動を覚えたことと併せて香川は良い意味で田舎、だが県を彩る一品があり、県民の意識もそこに集中していることが地方創生に至るところだと思う。
自分が住んでいる県はどうなのか、ふるさとはどうなのか。
名産は〇〇です!
こういったことが言える県は強いし、企業でも同様なことが言えると思う。
様々な施策にヒントがあることを考えさせられる体験だった。
今でも香川は大好きだ。