読書記録「優等生は探偵に向かない」
予期せぬ事態に陥ったとき、人それぞれ反応は異なるだろう。
自分の場合、言葉にしてどこかに放り投げたくなるらしい。
そんな自分の行動傾向にぼんやり気づきつつ、このノートを書いている。
その状態に自分を陥らせたのが、ホーリー・ジャクソンの「優等生は探偵に向かない」である。
前作の「自由研究には向かない殺人」の続編となるミステリーで、主人公ヒップが友人の失踪した兄をSNSを駆使しながら探していく中で思わぬ謎に巻き込まれていくストーリだ。
前作の軽やかで爽やかな青春ミステリー的な展開がとても気に入り、今回も気楽に読めるだろうと思い本を開いた。
全然違うじゃないか。
ミステリーのストーリーはとても素晴らしい。
ポッドキャストを通じて捜査の進捗を配信しながら手掛かりを集めていくところも現代のリアル感があって大変素敵、ミステリーとしては間違いなく面白い。
だが、前回のような爽やかな青春の雰囲気は後半にいくにつれて消え、どんどん主人公ヒップが傷ついていく不穏な展開に。最後は主人公自身、何か仄暗いものを裡に秘めて2部作目は終わる。
前回の明るくさっぱりとした雰囲気はどこいったというのだ。
主人公や相棒兼恋人のラヴィ等、キャラクターたちへの思い入れがあった分、このダークな展開に戸惑いとショックを隠せない。
ましてやこんな暗い展開を全く予想していなかったため、ノーガードでやられてしまった。
恐らく、最初から展開が明るくないことを知っていればここまで打ちのめされたりしなかっただろうと思う。
やはりミステリーは暗さからは逃れられないということだろうか。
ミステリー 油断大敵 心して読め
未だ立ち直れない衝撃と引き換えに、そんな学びを得た真夜中の2時でした。
本日もお疲れ様でした。