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 以前から気になっていた地元のカフェがここ、wacca。以前から一度行ってみようと思っていたが、10月の最後の日に、ついに足を踏み入れた。

 新しい建物、天井の高い店内。ハロウィンのデコレーションがきれいになされていて雰囲気満点だ。
 店内には雑貨販売のコーナーもある。いわゆる「水引アクセサリー」がここの売りらしく、イヤリングやピアス、ヘアピンなどが並べられている。
 今日はランチをいただこう。メニューはカレー、おむすびランチなどいくつかあるが、「おすすめ」とある「鶏の塩麹焼きランチ」にしてみた。
 注文をとりに来た店員は、話し方がふつうではなく、数回繰り返さないと注文を覚えてメモできないという感じだった。何度も奥へ入っては誰かに何かを聞いて戻ってきたりした。
「?」と思って検索してみたら、ここは就労支援B型の店で、障害者が働いているのだとわかった。なるほどそういうことなのね。それならそうと、どこかへ表示してもらったほうがいいんだけど(そうすれば「1回で注文を理解して厨房へ伝えられる店員」を期待しないですむので)。
 などと思っていたら食事が運ばれてきて驚いた。どこからどう見ても、正真正銘の「カフェランチ」である。メニューは次のとおり。

 漬物やごまをきざんだ混ぜご飯
 鶏ひき肉と豆腐のつくねと大根の味噌汁
 野菜のキッシュ
 葉野菜のサラダ 
 パンプキンサラダ
 鶏の塩麹焼き 

ハロウィン当日の「鶏の塩麹焼き」定食

 これに飲み物がついて1050円という価格設定。表参道あたりのカフェならば2000円くらいの構成である。
 キッシュも、おそらくハロウィンメニューとしてのパンプキンサラダもしっかりした味。葉野菜にかかっているごまのドレッシングには、半ずりのごまがたっぷりはいっていて香ばしい。
 メインの塩麹焼きもやわらかく、味加減もちょうどよいばかりか、量もあって満足だ。
 何より味噌汁が絶品。きちんとだしを引いているのであろう味噌汁なんて何か月、いやもしかしたら何年ぶりに出合うことか。大根の煮加減もすばらしい。大根は煮すぎるとすぐにくずれるので、大人数分いっぺんにつくるのは難しいと思っていた。いちょう切りで椀の中では形を保っていて、口に入れるとくずれていく。大鍋でちょうどよいところまで火を通しておいて火を消し、一人分ずつ温め直しているのかもしれない。いまどき珍しい。
 料理が予想以上の出来だったので、珍しくデザートまでいただいてしまった。ミニパフェ330円。小さい白玉ふたつ、コーンフレーク、ドライいちごとドライあんずのシロップ煮にアイスクリームと餡。5~6回スプーンを口に運ぶと食べ終わってしまう小さいパフェだが、デザートとして食べるならそれくらいでちょうどよい。
 いわゆる「障害者ビジネス」の店で、最初にオーダーを取りに来たときと会計で手間取ったのは惜しかった。とくに会計がスムーズに行くかどうかで客の満足度はだいぶ変わってくるからだ。
 しかし就労支援B型の店とわかっていればこちらもそのつもりで待つことができる。料理は文句なく美味しかった。東京のカフェめしに匹敵する。どうか閉店せず、ずっとこの場所にありつづけてほしい。

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