英語を「飾り」に使うデザイナーの方へお願い

 昨日はCalendarのスペルミスの話を書いた。

 そこで、編プロにいたときを思い出した。
 デザイナーとやりとりしていて気づいたが、「飾り」として英単語・英文をあしらわれることがとても多い。
 たとえばバックに世界地図を薄い色で入れるデザインにする場合、「World」や「Global」といった単語を入れたがる。料理の作り方であれば「Recipe」といった具合だ。実用書で特に多用される。特に、飾りとしての英単語や英文が使われていないムック本などあるだろうか。
 いま、本棚にたまたまWindows11のムックがあったので開けてみたが、予想通り「Point」「Check」「Section」といった単語が踊っている。
 さて、ここでデザイナーの方々にお願いしたいことがある。それは「英語を使うなら辞書を引いてほしい」ということだ。無料で引ける辞書サイトにはWeblioや英辞郎などがある。
 たとえば背景に「Pencil」と入れたいなら、思ったままの英語の綴りを書くのではなく、辞書で確認して、一文字ずつ転記するか、コピー&ペーストする。なんとなく「Pensil」だっけ、と思って確認せずに入れてしまい、後工程でも英語がわかる校正者を通していない場合、本文と関係ないところで間違いのある本に仕上がってしまうのだ。
 とくに間違いが多い単語がある。それは「文房具」を表す「Stationery」である。
 文具関係の本でこの単語が使われていないことはほぼない。それくらい馴染みの深い語である。スペリングは、n の後ろに e が来ているのが、これが a と綴られ「Stationary」となっていることがとても多い。
 厄介なことにStationaryという単語も存在するので、自動でスペルチェック機能をかけても引っかからない。
 文具本の校正をすると、以前は必ずこの語を指摘しなければならなかったが、デザイナーが単語のスペルを覚えたのか、e と正しく綴られていることが多くなったのはとても嬉しい。
 だが世の中の文具本にはまだまだ「Stationary」という語が使われているのだ。デザイナーの皆様、「英語を入れるときには辞書を引く」をどうか習慣にしてほしい。

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