内語と外語の相剋の先にある中庸という境地
今日、選手と話していて、改めて大切だなと思ったことを。
少し難しいタイトルにしてしまいましたが…試合中、
「自分の心の中の声」
が聞こえ過ぎてしまうことがあると思います。
『失敗したらどうしよう』
とか、
『この場面で自分のところにボール来て欲しくないなぁ』
とか、
『ヤバいやばいヤバイ…』
とかとかとか(;_;)
こーゆー状態で、良いパフォーマンスはなかなか出せないと思います。
僕はよく、クライアントさんや選手に説明する時、「内語」、「外語」という表現を使います。
【内語とは】
ここでいう【内語】というのは、
「自分の頭の中でぐるぐる回っていて、
内側で聞こえてくる自分の声」
のことです。
有名なところでは、サッカーの本田圭佑選手がイタリア・セリエAの名門、ACミランへの移籍時、自分の内なる声がミランへ行けと背中を押してくれた、という表現が思い浮かびます。
彼はこの自分の心の声に従い、決断をしたということですね。
非常に内向的な決断だと思います。
さて、この「内語」ですが、練習では自分にフィードバックをくれて、セルフコーチングに繋がっていくため、とても重要なものです。
しかし、パフォーマンスを発揮する時、内側でその声が大きく聞こえるようだと、プレーも覚束なくなるときがあります。
よく、「試合中のマイナス思考をどうにかしたくて…」という話がありますが、そもそも心の不安な声に耳を傾け過ぎているという側面があるのです。
そこで重要なのが、「外語」という考え方
これは、本田圭佑選手で言えば、一見無謀にも思える様な壮大な目標を自信を持って宣言する様がイメージしやすいと思います。
一昔前では、北島康介選手で有名になった、いわゆる
「ビッグマウス」
というやつです。
こうしたビッグマウスは、世間の常識や無理だと思える様なことを、あえて宣言することでそれを実現しようとする取り組みとも言えます。
【外語とは】
さて、僕が今回お伝えしたい概念としての【外語】は、
「自ら言葉を発することによって、
自分の内なる世界に留まることから解脱し、
場に遅れない為の、外に発する声」
といったところです。
伝えたい感覚、少しは伝わりましたか??苦笑
なんのこっちゃ??って感じかもですね(・_・;
簡単に言ってしまえば、ドラクエ風に例えると、
「ガンガンいこうぜ」モードを自ら創り出す
という感じです
「内語」であーどうしようどうしようと言っていても、そこに答えはない場合が多いです。
なので、あえて、試合中に能動的な言葉を発していきましょう。
具体的には、試合中、
「チームメイトのナイスプレーに誰よりも喜ぶ」
「自らボールを呼び込む様な声かけをする」
「あえて自信満々に振る舞ってみる」
「ごめん、を言わない様にする」
「弱気にならない、と決める」
「引いた感じの自分にならない、と決める」
などなどです。
色々と試しながら、自分に合った、「外に出る」方法を探してみて下さい。
この「内語」と「外語」ですが、どちらかが猛烈に多ければいい、というわけではないと思います。
「内語」は練習の時に自分のプレーを振り返ってフィードバックしたり、自分を勇気付ける為にとても重要な相棒だし、自分の中の声を聞きすぎないことを普段からし過ぎると、自分の立ち位置が見えなくなったりします。
重要な概念は、
【中庸】
です!
これは、ごく簡単に噛み砕くと、
「偏ることなく、バランスの取れた、
真ん中の感覚」
とでも言えるでしょうか。
自己内対話のバランスを取り、程よいバランスを保ちながら、その「場」に向かう。
「場」の概念はここでは扱いきれないので、稿を改めますが、集団力学の一つでグループダイナミクスに近い感覚として捉えています。
簡単に言うと、飲み会とか集団でのおしゃべりで、
その中心にいれた時の
「場」と共にある心地良さ
と、
会話についていけない時の
置いてけぼりの様な疎外感
みたいなイメージです。
前者が
「場」に乗っている
といい、
後者が
「場」から遅れている
と表現しても良いかもしれません。
【まとめ】
まとめると、
「内語」ばかり聞きすぎて
「場」から遅れることなく、
「外語」をうまく活用して、
「場」に乗ること
そしてそれは
単なるノリや勢いというより
【中庸】の感覚に近く、
バランスの取れた境地で試合に臨むことで、
自分の実力をいかんなく発揮出来る
という感じになります!
長くなりましたが、読んでくれた人、ありがとうございます♪
某チームに対する僕の実際のプロファイリングで、「各選手ごとの目指すべきメンタリティ」を示した動画がありますので、良ければそちらも見てみて下さいね^ ^
ではまた〜(^O^)