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【大予想】モノレール瓜生堂延伸後、近鉄奈良線はこう変わる

大阪府の外縁部を走る大阪モノレールが東大阪市瓜生堂に向けての延伸工事を現在進めています。これによって大阪メトロ長堀鶴見緑地線・JR学研都市線・近鉄けいはんな線・近鉄奈良線がモノレールと接続し、万博記念公園や大阪空港へ大阪市内を経由せず移動することができるようになります。特に近鉄奈良線は交点となる瓜生堂に接続駅を新設する予定であり、大きな変化が予想されます(以下この新駅を瓜生堂駅と呼びます)。というわけで今回は主に大阪府下における運行形態について、どのような変化が起こるか予想していきたいと思います。


現在の種別の位置づけ

今回は近鉄奈良線の中でも主に大阪府下のことについて予想していきます。大和西大寺~近鉄奈良間には近鉄京都線からの特急・急行が乗り入れますがこれについては今回は割愛します。
まずは近鉄奈良線における各種別の位置づけについて。

近鉄奈良線の種別ごとの停車駅一覧(近鉄ホームページより pdf版 https://www.kintetsu.co.jp/railway/rosen/stop.pdf)

特急

停車駅は大阪難波駅・大阪上本町駅・鶴橋駅・生駒駅・学園前駅・大和西大寺駅・近鉄奈良駅。これは快速急行の停車駅から近鉄日本橋と新大宮駅を通過としたものであり、また日中には観光特急あをによしを除いて特急は運行されない。特急は奈良線においては主に着席保証のために運行されることがわかる。

快速急行(以下快急と表記する)

線内の主力種別であり、全時間帯で運行される。阪神線内に乗り入れ、阪神線内でも急行運転を行う。停車駅は大阪難波駅・近鉄日本橋駅・大阪上本町駅・鶴橋駅・生駒駅・学園前駅・大和西大寺駅・新大宮駅・近鉄奈良駅。
平日朝ラッシュ時は10両編成で運転され、阪神に乗り入れる10両編成は阪神尼崎(以下特記無い限り尼崎は阪神尼崎を指す)で増解結して阪神本線内は6両で運行する。平日日中は6両編成、平日夕方以降及び土休日は8両編成となるため尼崎での増解結は行わない。

急行

停車駅は大阪難波駅・近鉄日本橋駅・大阪上本町駅・鶴橋駅・布施駅・石切駅・生駒駅・学園前駅・大和西大寺駅・新大宮駅・近鉄奈良駅。
日中以降に6~8両で運行され、快速急行を補完し大阪線との連絡も担う。阪神線内には乗り入れない。

準急

停車駅は大阪難波駅・近鉄日本橋駅・大阪上本町駅・鶴橋駅・布施駅・河内小阪駅・東花園駅・石切~近鉄奈良間各駅。
大阪府内では主要駅に停車し、奈良県内では各駅に停車する。運行区間は大阪難波~大和西大寺が主。現在は朝夕の運行が主で、大多数は6両だが一部8両運転を行う。準急以下は尼崎まで運行するものがあり、いずれも阪神なんば線内では各駅に停車する。

区間準急(以下区準と表記する)

停車駅は大阪難波駅・近鉄日本橋駅・大阪上本町駅・鶴橋駅・布施駅・河内小阪駅・東花園駅~近鉄奈良間各駅。
全列車6両以下であり、ほぼ全時間帯で運行される。現在は準急よりこちらの方が主流で、普通が一部東花園駅で折り返すためそこから東の急行通過駅相互又は大阪市内への需要を担う。

普通

各駅に停車する。全列車6両以下であり、全時間帯で運行される。
一部が東花園駅で折り返すため、そこから東の急行通過駅については区間準急が主に需要に応えている。

瓜生堂駅開業により予想される変化

瓜生堂駅の位置づけ

瓜生堂駅は八戸ノ里~若江岩田間に新設が予定されている大阪モノレール及び近鉄奈良線の駅です。大阪モノレール線延伸線と近鉄奈良線の接続駅となります。大阪モノレール側は瓜生堂駅が新たな終点となり、車両基地が併設されます。近鉄瓜生堂駅については現在はイメージパースが公開されており、それに従うと相対式2面2線のホームになる模様です。


瓜生堂駅(仮)イメージパース 東大阪市公開

この配置は大阪府が公開しているモノレール瓜生堂駅の事業概要とも一致するので確定でいいと思います。ただ、ホームの長さが分からないため、8両編成以上が停車できるという確証は得られませんでした。

周辺駅の乗降客数

近鉄が公開している令和4年度調査における駅別乗降客数を確認すると、近鉄奈良線の動向に関わる瓜生堂周辺駅の乗降客数は以下のようになっています。

河内永和 12,540
河内小阪 22,164
八戸ノ里 25,064
若江岩田 14,093

近鉄ホームページより 一日乗降人員 (調査日:令和4年11月8日(火))

準急停車駅である河内小阪駅よりも八戸ノ里駅の方が乗降客数が多くなっています。これは近畿大学東大阪キャンパスや府立布施高校への通学客の影響が考えられます。近大へのアクセスは近鉄大阪線の長瀬駅からが一般的ですが、近鉄奈良線沿線の学生は八戸ノ里駅からの通学120円バスで通学しています。

近大アクセスの変化

私は瓜生堂駅開業による大きな変化の一つに近畿大学東大阪キャンパスへの通学バス発着駅の瓜生堂駅への変更があると予想しています。
近畿大学は少子化の昨今にあっても卒業生の活躍や多様な研究により多くの学生が入学しています。それをさらに促進するものとして、近大は北摂・北河内方面の学生を運ぶものとしてモノレールを位置づけていることは想像できます。この志望者達を獲得するに当たってモノレールから八戸ノ里駅への乗り換えを強いたのではモノレール延伸の恩恵は得られません。そのため通学バスは瓜生堂駅発着に変更となると考えられます。

瓜生堂駅への準急停車、そして急行停車の可能性

また、瓜生堂駅はニトリモール東大阪や市立東大阪医療センターなどの最寄り駅になります。
以上の事項とモノレールとの接続駅であることを考慮すると瓜生堂駅への準急・区準の停車の可能性はかなり高いと考えられます。急行停車の可能性はあり得るかもしれませんが、その場合の急行は現行ダイヤの快急を補完するという位置づけでは無く現在の準急の役割を担うものとなっていそうです。

河内永和駅と河内小阪駅

一方、他社線との接続駅として同じ近鉄奈良線には河内永和駅があります。河内永和駅はJRおおさか東線と接続しており、JR河内永和駅は直通快速も停車するなど力を入れています。直通快速の停車は近鉄奈良線沿線から新大阪へのアクセスを鶴橋駅から転移させる意図を感じますが、近鉄側は収入減の懸念からかおおさか東線開業以前の乗降客数の少なさからか普通のみの停車としています。しかし河内永和駅の有効長は8両分あり、本来準急が停車できる設備はあります。
近鉄奈良線沿線からの新大阪へのアクセスを考慮すると河内永和駅に準急を停車させても良さそうですが、ここで障害になるのが隣駅である準急停車駅の河内小阪駅。都心に比較的近い布施駅から3駅連続停車では速達効果が出せません。河内永和駅は今後も普通のみの停車であろうと考えられますが、河内永和駅前に何か広域集客スポットが新たにできたら準急停車もあり得るかも知れません。
それよりも問題は河内小阪駅で、現在駅北側の小阪駅前近鉄ビル5棟を取り壊して再開発が進行中です。これの成否次第では準急停車を維持できるかどうか…。大阪商業大学や大阪樟蔭女子大学及びその付属校があるので大丈夫だとは思いますが…。

まとめ

万博記念公園駅 EXPOCITYの観覧車OSAKA WHEELより撮影

変化する点

モノレール瓜生堂延伸により変化する点としては、
・近鉄瓜生堂駅の開業
 近鉄瓜生堂駅には準急・区準の停車は可能性大、急行は可能性多少あり
・近大への通学バス発着が八戸ノ里駅から瓜生堂駅に変更
が予想されます。逆に言うとそれ以外に目立った変化は起こらないと推測しています。

モノレールのさらなる延伸に向けて

さて、近大への通学バスが瓜生堂駅発着になることはもう一つ重大な意味があります。それはモノレールの八尾・堺方面延伸の布石です。
現在の営業区間、そして今回の延伸区間でモノレールの導入空間であった中央環状線には、久宝寺緑地周辺(久宝寺口駅付近)までは帯状の用地が確保されており、久宝寺口駅までは改めて用地取得をする必要なく延伸が可能です。
その先がどうなるかは不明ですが、近大への通学需要が5年後の瓜生堂延伸以降も旺盛であればその需要を満たすためにモノレール延伸の機運も高まってくるでしょう。大阪モノレールによって東部大阪エリアがますます発展しますように…。

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